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ネコ科に愛される加護を貰って侯爵令嬢に転生しましたが、獣人も魔物も聖獣もまとめてネコ科らしいです。  作者: ゴルゴンゾーラ三国
第一部

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 アビィさんのこと知ってます? という意味を込めてザムさんの方を見ると、彼も不思議そうに首をかしげている。ザムさんは特に心当たりがないらしい。まあ、ザムさんも反応するような人だったら、彼も彼で、もっと早くアラインさんのように反応を見せているだろう。


「アビィさんって、そんなに有名な人なんですか?」


 気になってアラインさんに問いかけてみると、ぎゅん、と勢いよく彼が振り返った。


「それはもう! あのアーステールっすよ!?」


 アーステール……? 知らない単語だなあ。わたしたちの国では、魔法を使う人間を魔女と呼んでいたけど、この国では魔法使いと言うみたいだし、そんな感じで、地域によっては、魔法使いをアーステールと称しているのだろういか。

 わたしはアーステールと言われてもピンとこなかったけれど、ザムさんの方は分かったらしい。


「アーステールと言えば、土の精霊のことだ。……あんなにも人間に近い見た目なのか、初めて知った」


 ザムさんがそう説明してくれる。役職かと思ったら、種族の名前だったようだ。

 確かに、精霊と言えば、もっと妖精っぽいというか……絵本に出てくる手のひらサイズのものを想像してしまう。

 人間じゃないとは知っていたが、まさか精霊だったとは。でも、言われてみれば納得だ。あの杖を地面に叩いて使っていたし。


「サイン欲しいっす!」


「面倒なので嫌です」


「じゃあ、髪か唾液をください! 実験の材料にしたいんで」


 面倒、と一蹴されていたアラインさんは、サインよりもハードルの高いものを要求していた。アビィさんの姿は完全に見えないが、ドン引きしているに違いない。

 いかにも怪しげなチャラ男、といった風貌のアラインさんが、少女然としているアビィさんに髪や唾液を求めている姿はなかなかに気持ち悪い。


「なんで、私の周りにはこんな、気持ちの悪い馬鹿ばっかりなんですか」


 あ、気持ち悪いって言っちゃった。……ばっかり、って、まさかわたしも気持ち悪い馬鹿の部類に入ってないよね? 猫馬鹿な自覚はあるが気持ち悪くはないはず。


「私はさっさと帰りたいんです。出口を教えてください」


 アラインさんの言葉を完全に無視して、アビィさんは出口をねだる。今、このタイミングで言ったら、教える代わりに、ってならないだろうか?

 まあ、確かに出口を教えてほしいのは事実なんだけど……。早く帰りたいのはわたしも同じだし、ザムさんだって、さっさと帰って手当をして休みたいだろう。

 しかし――。


「え、無理っす」


 ――なんて、アラインさんはあっけなく言うのだった。

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