山での攻防 後編 23
それからテッドも、ゆっくりと歩み始めた。
「さぁ、ほら行こう。」
「…………あぁ。」
とノイマンも遅ればせながらも歩きだしたら、途中から一人で走り出していき、テッドや少年を追い越してしまう。
遂には俺の側をも通り過ぎていく。
バチン!!
次の瞬間、小気味いい音がした。
通りすぎ様に、ノイマンが此方の背中を叩いたのだった。
同時に俺は、背中に衝撃と痛みを感じて、間髪入れずに文句を言う。
「痛ってぇぇぇ!!…何すんじゃい!?」
「うるせぇ!!…ありがたく殴られとけ!!」
対してノイマンは、ヘロヘロながらも走って逃げていく。
俺は訳が解らず、怒りを露にする。全速力で走って追いかけて殴り返す。追い付くのは容易だった。
「どういう事じゃ!?…この!!」
「痛ってぇぇぇ!?!!…てめぇまで、殴ってくるなや!!」
「あんだと!!」
そのまま俺とノイマンは取っ組み合っていた。
主に此方が一方的にマウントを取って、攻撃していた。
お互いに、相手の鼻や頬を引っ張ったりしている。
「お、お二人とも、落ち着いて!」
すぐに少年が必死になって止めてきた。
後ろでテッドも呆れた様に、渇いた笑い声を漏らしては、
「まったくノイマンも、もう少し感謝の仕方があるだろうに。……それにしても、ヒルフェ君は元気だな。……」
と、小さな声で呟きながら、加勢に入ってきた。
ようやくして騒ぎが落ち着くと、俺達は揃って森の中に戻っていき、下山を目指して歩いていくのだった。




