山での攻防 後編 3
その隙に細身の男は、全速力で逃げていく。
「何が命を粗末にするなだ!!…ノイマンの馬鹿だって、バンダナの男を置いていこうとしていたクズ野郎だろうが!…助ける価値なんかないんだよ!!」
「待ちなさいよ!」
と、美女が叫んでいた。
テッドも追いかけるのも儘ならない。
だが瞬く間に、遠くへと離れていき、森の奥へと姿を消した。
それと入れ代わる様に、彼等の背後からボアが姿を現す。木々を薙ぎ倒して森の中から出てきたら後ろ足で土を蹴っており、今にも突進しようとしていた。
俺達のいる場所まで、空気が震える様な威圧感をビリビリと感じる。
「ど、どうしましょう!?」と、少年がいち早く気がつき、狼狽えながら聞いてくる。
俺も戸惑い、一歩も前に足を出せないでいた。
「に、逃げようよ!…早く!」
向こうでも美女が気がついたようだった。
「先に、…行け!!」とテッドが叫び返していた。
対して美女は戸惑いながら躊躇しているようだった。だがすぐに踵を返すとバンダナの男を引きずりながら、藪の中へと先に逃げていく。
テッドも見届けた後、急いでノイマンに肩を貸しながら歩きだすのだった。




