ギルドとスキルと勝負 13
全ての話が終わった。
「わかった。…なら、明日の早くにでも、一緒に行くとしよう。…用意してくれ。」
リキッドは、真剣な顔で指示をだしていた。
「申し訳ありません。…私が付いていながら、旦那様のお手を煩わす事態になりまして。」
するとダフネが謝罪の言葉を述べる。
それでもリキッドは手で制し、首を横に振りながら否定していただけである。文句を言う出す素振りもなく、最後には微笑んでいた。
「そんな事を、わざわざアンタがする必要があるのか?…」
と俺は、静かな口調で質問をする。
リキッドは再び此方を向くと、徐に席を立つ。さらにすぐ側まで移動したら、床に跪いてから一言だけ告げてきた。
「…あぁ、気にしなくていいよ。…私が好きでやっている事だから。」
そして彼の手が伸びてきて、俺の頭を優しく撫でだす。
「……何だよ、…急に。」
対して俺は指摘するも、なんとなく受け入れていた。頭を誰かに撫でてもらうのは、久しぶりの感覚だった。
「…君の言う通り、私は自己満足したいだけだろう。…君にとっては恩着せがましいのかもしれない。…でも、知っておいてほしい。…私は凄く嫌われてもいい。…君が幸せになるのなら、出来る限りの事をしたいと思っているんだ。」
やがてリキッドは、ポツリポツリと優しい口調で喋りだす。ほぼ独白のようだった。
もう俺は喋れない。彼の顔の方を振り向けなかった。
だんだんと目頭も熱くなる。頬も熱くなる。
たぶん、もう真っ赤な顔をしているに違いない。しかし、怒りの感情は表れていなかったのだった。
その後も家族みたいな、やり取りは続いていた。
暫くの間は、のんびりした時間が過ぎていくのであった。




