子供用のローブ
浴室のドアの向こう側には、階段が続いていた。
タクは、その階段を勢いよく駆けがると、大広間に出た。
「おい、おい、おい、おい、おい、おい」
大広場の壁には棚が並べられ、ぎっしりと本がつまっていた、
ルルーシカと一度行ったことのある、秘密の図書室に似ていた。
ただ大きく違うのは、
ドアがいくつもあるということ。
それも、どのように入るのかわからない位置に、ドアが幾つも設置されていた。
天井とか、天井とか、天井とか。
「遅すぎる!!さっさとお風呂から出てきなさいよ、このグズが!!私は、もうお腹がペコペコだって言っていたでしょ」
大広間の中心にはテーブルが置かれ、そこにルルーシカとレーラが座っていた。
二人とも赤いローブを着ていた。
「おい、おい、おい、おい、ちょっと」
「なによ、素っ裸で、息を荒げて・・・気持ち悪い。さっさと服を着なさいよ」
ルルーシカはタクに、赤いローブを投げつけた。
それを受け取るも、タクは二人に伝えたい事があった。
「ああ、ありがとう・・・いやいや、それよりさ・・・」
「もう、早くローブを着なさいよ。大したものでもないのに、自信ありげにぶらぶらされると、こっちが落ち着かないのよね」
「あん?ぶらぶら?」
タクは自分の体を見ると、
先ほどまで履いていた、
というかタクの目に見えていたブーメランパンツが、
いつの間にか消えていた。
「うぎゃぎゃぎゃぎゃぐげげげげげげ」
奇声を発しながら、タクは本棚の影に隠れ、ローブを着た。
ローブは、太ももまでの長さしかなく、下着をはいていないタクには、
なんとも心もとなかった。
それでも、裸よりはましだった。
「まだ?もう、お腹がペコペコで、発狂しそうなんだけれど」
ルル―シカに急かされて、タクはテーブルへと歩いていくと。
「なによ、あんた、その格好。ダサ過ぎよ。あははははははは」
「んふふふふふふふ」
二人に笑われた。
ルル―シカは馬鹿笑いし、レーラは口元を押さえ、控えめに笑っていた。
誰だよ。渡してきたのは。
タクはルル―シカの隣の席に座る。
「あんた、ふざけているの。子供用の、それも女の子のローブを着て」
「ふざけてね~よ。お前がよこしたんだろ~が!!」
「ああ、そうだったわね。もう、それしかなかったのよ。文句なら人形に言いなさいよ。それに、お風呂から出てくるのが一番遅かったあんたが悪いのよ。だから、はずれくじを引くことになるの」
うるせえよ。
もう最悪。




