コミュ障で、自己中で、不感症
タクは、再びお湯に浸かる。
レーラは相変わらず、天井をぼんやりと見つめたまま、お湯に浸かっていた。
眠っているのか?
レーラの顔を覗くと、頬は赤く染まり、
目はトロンとしているものの、起きていた。
タクの顔を見て、瞬きを二回ほどした。
突然、
ザバ~~~ン!!
と、水しぶきがタクに盛大にかかった。
ルル―シカがプールの飛び込みよろしくといわんばかりに、
お湯に飛び込んだのだ。
「がはっ、がはっ、がはっ、な、何だよ、クソッタレが!!」
タクは口からお湯を吐き出す。
「かぁ~き、もちいい~~!!さい、こう!!」
ルルーシカは左右に首を振り、お湯を周囲にまきちらす。
それを、タクはもろに食らう。
もう最悪だ。
こいつ、自分のことしか考えていね~よ。
つやつや昆布で洗ったためか、
ルルーシカの肌は赤ちゃんのようにつるつるとし、ハリがあった。
さらに、何で洗ったかはわからなかったが、
ルルーシカの灰色の髪は、キラキラと輝いていた。
間違って、輝く砂でも塗りこんだのだろうか?
「な、なによ。私の体を求めるような欲情した目でじろじろ見つめて。気持ち悪いわね」
「別に・・・」
「ふ~ん、変なの」
ルル―シカは子供のように泳ぎ出した。
湯船の端から端まで潜水している。
それも、何往復もだ。
「私、そろそろ出るから」
レーラが湯船から出る。
「何よ。もう出るっていうの?お楽しみはこれからなのに」
「二人で、楽しんでちょうだい」
いやいや、勘弁してください。
レーラは床に落ちていた、三人の制服と下着を、
出入り口と思わしきドア脇に置かれたツボの中に放り込んだ。
「ちょ、ちょっと、何すんのよ。ゴミのように捨ててんじゃないわよ。制服と下着がなくなったら、さすがにルル様といえど、すっぽんぽんでそこらじゅうを歩きまわれるほどの度胸はないわよ」
「洗濯しただけ」
「ああ、洗濯・・・いえ、洗濯にしても、乾くまではどうするのよ。着替えはあるんでしょうね」
「あるわ」
レーラはそれだけ言って、浴室から出ていった。
「洗うなら洗うって言いなさいよ。まったく、どんな感覚しているのかしら。ルル様の許可も取らずに。これだから、コミュ障で、自己中で、不感症な人形は嫌いなのよね」
ルルーシカは、プンプンしながらそう呟き、
再び、潜水をしだした。




