ごめんなさい
タクはとんでもなく息苦しかった。息をすることが困難だった。
金縛りにあった時のように、何とか顔だけを動かそうとし、
「ぐ、ぐ、ぐ、ぐ・・・・あ!!はあ、はあ、はあ・・・」
タクは飛び起きた。
髪もシャツも汗でべったりとしており、
部屋を見渡すと、綺麗なままで、どこも変わりがなかった。
「夢・・・だったのか?」
タクは自分の体を見る。
と、誰かの脚が自分の腰を斜めに横切っていた。
「足?」
その足をたどってゆくと。
ベッドを大きく占領しているルル―シカが寝ていた。
タクは一応、自分のベッドであることを確認する。
なんでこいつ、俺のベッドで寝ているんだよ。
まさか、あの悪夢は、こいつが俺の横で寝ていたせいなんじゃないのか?
ルルーシカはベッドを斜めに横切るように寝ていた。
仰向けの姿で、両手両足を広げ、
パジャマのボタンがすべて外れているため、かわいいおへそだけではなく、
ブラジャーまであらわになっていた。
いい年こいた、女の寝方とはおもえね~よな。
まじで。
ズキリ。
「ごっ!!」
後頭部が痛み、触ってみると、
たんこぶができていた。
なんだよ、こいつ、俺を蹴っ飛ばしたのかよ。
勘弁しろよ。つ~か、自分の部屋で寝やがれ。
タクはルル―シカを起こそうと、肩に手をかけようとした。
「ごめんなさい・・・」
震えるルルーシカの声。
タクは肩に置こうとした手を止める。
こいつも俺に謝ることがあるんだ。
俺に対して、何か悪いと思っていたことがあるのかな?
「どうしたんだ?ルル?」
寝ているとわかりつつも、タクはルルーシカに声をかける。
しかし、反応がない。
まあ、当然だわな。
何について、悪いと思っているかを知るために、
簡単に誘導できたら、苦労しないって。
「ごめんなさい。私が悪かったの・・・許して・・・」
お、反応した。
マジかよ。よしよし。
「別にいいって。で、ルル、何について謝っているんだ?」
んん、とルルーシカはうなる。
そして、
「知らないわよ。もうほっといてよ!!」
パシン!
乾いた音が響いた。
タクはルルーシカのビンタをもろに食らった。
「つう~。なんだよ。こいつ起きているのかよ」
ほっぺたをさすりながらルルーシカを見ると、
静かに寝息を立てていた。
寝ながら、俺を攻撃するなんて。
恐ろしい女だ。
・・・あん?
俺を攻撃したためか、
ルルーシカのパジャマはさらにはだけていた。
脇が見えており、さらに、ブラ紐が肩から外れている。
残念なことに、カップからルルーシカの小ぶりな胸が
こぼれようともしていた。
「まじで、勘弁しろよ。俺をビンタした贖罪にしても、それは痛々しすぎる。ていうか、このまま、放置して、朝、目を覚まして、俺が隣で寝ているとわかったら、こいつは・・・」
――俺を殺しにかかってくるかもしれん――
ゾゾゾと背筋が震えた。
「はあ~、しゃあねえな」
タクは、仕方がなく、応急処置として胸のボタンを一個だけ止めておいた。
効果があるか、わからないが。
「今日も、俺は床の上で寝るのか・・・」
ベッドをおり、ルルーシカを見ると、
月明かりに照らされたルルーシカの頬が、
涙で薄らと輝いてた。
こいつは、こいつなりに何かを抱えているのかな・・・。
タクはそう思いながら、
シャツを掛布団にして冷たい床でくるまって眠ることにした。




