↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

62/133

ミアの不気味な笑い

 熱風がタクの体を吹き抜けた。


「おい、大丈夫なのかよ、カイエンの奴」


 誰かが叫んだ。


「な、な、な、何よ、あの魔法は」


 他の誰かが震えた声で言う。


 煙の中からミアが現れ、自分が座っていたところに座った。

 何事もなかったように・・・。


 ミアはルル―シカに視線を送る。

 顔には不敵な笑みを浮かべていた。


 強い風が吹き、風が煙を押し流すと、

 顔を両手でおさえ、うめいているピエロが地面に倒れていた。


「痛い、痛い、痛い、痛いよぉ。ママ、助けてよ」


 地面に足をばたつかせ、ピエロは涙声を漏らしていた。

 その直後、

 カメラのフラッシュのような光が瞬いた。

 動きを止め、固まっていたとんがり帽子先生が動きだす。


「あれ?あれれ?・・・何?どういうこと?」


 とんがり帽子先生は、起こった出来事を認識していなかったらしい。

 あたりを見回し、地面でのたうちまわるピエロのうめき声を耳にし、


「え?え?カイエンくん?あわわわわ~どうしよう。どういうこと?これっていったい・・・どうしたらいいのよ?」

 

 とんがり帽子先生は、目の前に存在する異常事態に動揺し、おどおどと歩きまわる。


「こういった時は、と、とにかく、医務室に連れて行かないと・・・。あぁ~ん、学校に戻らないと。『パパラ~ン、ヘッドリッジ魔法学園に戻れ!』」


 とんがり帽子先生の言葉に反応し、地面に描かれた紋様が再び輝く。

 空間は歪み、次の瞬間には、

 タクはヘッドリッジ魔法学園の校庭にいた。


 とんがり帽子先生は授業を中断し、

 数人の生徒とともに、ピエロを医務室に連れて行った。

 タクたちは教室に戻っているように言われた。


 教室に戻っても、ざわつきは収まらなかった。

 クラスメイトは口々に、授業で起こったことを話題にしていた。

 その話題の中心人物――ミアは、

 クラスメイトの冷ややかな目を、まるで気にすることなく、

 椅子に座り、爪を磨いていた。

 

 ミア・・・どんだけズ太いんだよ。


 しばらくして、とんがり帽子先生と一緒に医務室に行っていたクラスメイトが戻ってきた。

 とんがり帽子先生は一緒じゃない。


「とんがり帽子の奴、カイエンの治療のため同行するんだってさ。残りの授業時間は自習しといてだって」


 戻って来たクラスメイトの言葉に、教室はざわつく。

 ミアは依然として爪を磨いていた。

 ケラケラと楽しそうに笑っていた。


 タクはミアのその異常な感性に気色悪さを感じた。

 普段どうりの行動のどこに、気をとめる必要があるの?と言っているようにさえ思えた。


「あんた、ちょっとついてきなさいよ」


 椅子に座っていたタクは、ルルーシカに肩を引っ張られた。

 あまりに唐突なことに、タクは椅子から転げ落ちそうになる。


「わぁっ!・・・あ、ぶね~な。な、なんだよ急に」

「いいから、ちょっとついてくる!」

 

 ルル―シカに手を引っ張られ、タクは教室を出た。


「お、おい、何だよ。突然」

「行くところがあるの。ちょっとついてきなさいよ」


 ルル―シカは階段を駆けのぼる。

 

「おい、どこに行くんだよ。今は自習時間だろ?」

「別に、自習時間なら、どこで自習しても問題ないじゃない」

「まあ、そう言われれば、確かにそうだけど・・・」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。