↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/133

ここは、どこだ?

 四限目は実践魔法だった。

 授業が行われる場所は教室ではなく校庭だった。


 芝が生い茂り、ヘッドリッジ魔法学園の空へと伸びる塔の影が、

 タクの足元にまで伸びている。


「それじゃあ、いくわよ~」


 とんがり帽子に白衣という身なりの女性教師が、宙に紋様を描く。

 呪文をブツブツと唱えながら、中心から放射する無数の矢印の紋様が地面に展開される。

 その大きさは、ゆうに数十メートル。クラスメイト全員がその紋様内に入っていた。


「ほら、『ぺっぺろぺ~ろ』」


 その意味不明な言葉が魔法を発動する言葉だったのだろう。


 地面から吹き上がる光が瞬いた次の瞬間には、

 校庭ではなく、違う場所にいた。


 ここは、どこだ?

 さっきまで、校庭にいたはずなのに。


 眩しいほどの太陽は空高く輝いていた。

 それを、さえぎる雲のように、宙浮かぶ島が、一つ、二つ、三つとながれてゆく。

 空の色はエメラルドグリーン。

 空なのに、美しい海を見ているような錯覚をタクはおぼえた。

 

「おいおい、すっげよ。どこまで森が広がっているんだ?」


 眼下には、濃緑色の森がどこまでも広がっていた。

 蛇行する川が森の隙間からちらりちらりと見える。


「ここは、どこなんだ?」

「おそらく、メゾヘッソ魔法国立公園内にある『深淵の森』だと思う」

「メゾヘッソ魔法国立公園?深淵の森?いやいや、さっきまで校庭にいたし」

「とんがり帽子先生が、空間移動魔法を使ったのよ」

「空間移動魔法?ああ、そういうことね」


 つまり、俺たちは、なんとか国立公園内の『深淵の森』に飛んだというわけだ。

 ん?飛んだでいいのか?まあいいか。


 

「さて、みなさん」とんがり帽子先生は両手をパンパンと叩く。「前回の授業で無効化魔法『エルドゾーブ』を習いましたよね。今回はその実践編といきましょうか。そうね。誰にお手本をしてもらおうかしら。前に出てやりたい人いない?」


 すぐさま、注目を浴びたがっているバカが手を上げた。


「とんがり帽子先生、僕、僕、僕、僕やるよ」


 もちろん、ピエロだった。


「また、君か。毎回、君ばかりだとね~」


 とんがり帽子先生は他の生徒が手をあげるのをしばらく待ったが、

 誰もあげないので、仕方がなくピエロを当てた。


「じゃあ、もう一人、誰かいない?」


 しばらくの間、誰も手を上げなかった。


 ルルーシカを見ると、腕を組んだまま手をあげる気配はない。


 自分で注目を浴びることが好きだと言っていたのに、

 なんで、手をあげないんだ。

 もしかして、結構、地雷な授業なのか?


 その時、一人の生徒がゆっくりと手を上げた。

 ミアだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。