タクの思い
「力が戻ってくる・・・ははははは、絶望しろ。ルル!! お前は生きている価値がない人間なんだ。くくくくく、ははははは」
はっ、ここは・・・。
目の前には、グミグミの奴に包まれたかなえが哄笑を上げていた。
そうか、そうだったんだ。
かなえをあいつが。
グミグミの奴が笑う同様に、
奴の内部にいるかなえも笑っていた。
だが、その時、
かなえの目から、一筋の涙が頬を伝った。
かなえ・・・。
「どうしたんだ・・・んん? 俺様の顔に何かついているか?」
「ぐっ」
「なんだ、その目は!! かなえを通じて得ていた俺様の力で、俺様から逃れることができた、それだけの下等な存在が!!生意気だぞ!!」
かなえは剣を、タクの腹部に深々と突き刺す。
「ぐああああああああああ!!!」
タクは叫びながらもルル―シカを見た。
ルル―シカは地面に顔をうずめて―――泣いていた。
ル、ルル・・・。
「うがああああああああアアアアアアアアアアアァ!!!」
タクは剣を握る。
「かかかかか、何をしようというんだ!? 魔法一つとして使えない、何もないお前ごときが」
救うんだ・・・。
今度は、
俺が救うんだ。
ルルを・・・、
かなえを・・・、
俺が救うんだあああああああああああああああああ!!
「あぎぎぎぎぎぎぎぎ」
タクは歯を食いしばった。
一心不乱で剣を強く握った。
鋭く食い込んだ手からは、血が流れ出ていた。
だが、タクはそんなものは気にしなかった。
青白い光がタクの手から放射する。
その光は太陽のように輝き放ち、
次の瞬間――――ガラスが砕け散るような音を響かせ、瞬く。
タクの腹部を貫いていた剣は、
真っ二つに折れていた。




