胸が苦しい
タクはレーラについて、寝室に行った。
部屋の中央に置かれたダブルベッドには、ルルーシカが寝ていた。
それも、他の人が寝ることをまるで考えていないらしく、ベッド中央に大の字で。
まじかよ。ルルと一緒に寝るのかよ。
こいつ、寝相が悪いから、
一緒に寝たくないんだが。
タクはレーラに「他の部屋はないか」と訊くも、
「一緒に寝た方がいい」と言われ、安全を考え、一緒に寝ることにした。
ベッドではルルーシカを中心にタクが左側、レーラが右側で寝るという形を取った。
というか、ルル―シカのせいでそのような形を取らざるをえなかった。
タクはぼんやりと天井を見つめ、しばらく考え込んだ。
蜘蛛の巣がかかったシャンデリアが垂れさがっており、
少々、不気味だった。
いったい、なんだったんだよ。あいつは。
柔らかなぶよぶよした体の中心にある、
体の大部分を占める巨大な目がギョロリ。
タクの脳裏に、
何度も何度も何度も、
それがちらつく。
レーラの奴、大丈夫って言ったけど、
ほんとにこんなボロボロの家で大丈夫なのかよ。
風が吹くと、ギシギシと窓がきしんだ。
それにしても、あの巨大な目の奴、
また襲ってきやがった。
今回で二回目だっけ?
初めて襲われた時はどうだったけ?
確か、今回同様、触手が伸びてきて・・・。
あれ?
あれれ?
初めて襲われた時のアレは夢じゃなかったのかよ。くそっ!!
タクは、ギュッと目をつぶった。
・・・・・・。
・・・。
にしても、初めて襲われた時、
どうして無事だったんだ?
確か、頭を打って・・・。
ぐおおおお、思い出せねえええええええ。
タクは寝返りを打つ。
耳をすますと、ルル―シカの寝息が聞こえてきた。
ミアの奴、俺をどうするつもりだったんだろ。
「待ってろ」って言っていたっけ?
あのまま、コンクリートの部屋にいたら俺、
どうなっていたんだ?
タクはベルベットの悲しげな表情を思い出した。
ベルベットを思い出すと、
すごく、
すごく、胸が苦しくなった。
くそっ、くそっ、くそっ!!
わけがわからね~よ。
誰だよこんなことをしているのは。
タクは髪を掻きむしった。
「どうしたの?眠れないの?」
ルル―シカが、タクを見つめていた。




