表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/29

誰がために

とうとうディーヴェに攻めてこられた、けど?

バシュ

ドガガガガ

ボッ

ブバッ

ガラガラガラガラ

ドスン

キュイイイイイイイイン

先程から、激しい衝撃音が繰り返される。

聞こえる人の声は、雄叫びか絶叫か。

その隙間に、誰かの呻き声が響く。

バルバロイ領地のシスティア国境付近で、とうとう隣国ディーヴェから潜入しようと躍起になって居るのだが、全くうまく行かない。

関所門の手前に配置された、立派過ぎるゴーレムが敵兵を容赦なく凪払っていた。

では、大きなゴーレムの足元や死角を通れば!

そう思った隙間には。

バルバロイの私兵と国の国境警備兵が連携を組み。

露払いをしている。

ここ数年で張り巡らされた国境の、結界と魔法防御の掛かった壁は高く。

下から上に行けば行く程反り返ったシノビガエシになっていて。

最後は有糸鉄線になっていた。

更に壁の上方は通路になっており。

弓、投石、手榴弾部隊が構えており。

例え登れても、無傷では居られなかった。

蹂躙する筈が、逆に蹂躙された形になる。

防衛だけとは言え、過剰防衛な気もするが。

こちらが蹂躙されれば、力無き民や女子供の末路はこれ以上だろうから、アレクは妥協した。

ぶっちゃけ、ゴーレムが凄すぎて。

被害あちらが被る前に、庶民混じりの下級兵逃げていったんですけどね。

貴族はプライドで、大半死んだり生きたりする種族だけれども。

庶民はプライドで死ぬよりも、明日のご飯や生活。

そして、大切な家族の元に帰るためなら何でもしてしまうのだ。

下級兵を切り崩すのはそれ程難しくはない。

まず、戦う力も鍛えられておらず。

戦う為の気概は薄い。

そして、出来れば早く戦況から抜けたい者が多いのも特徴だ。

ディーヴェは特に民を蔑ろにしがちなので。

厄介なあの国から、酷い目に遭っている家族ごと亡命を斡旋し、移民専用の町を作ったり。

有る程度の食糧金銭を握らせれば転び易い。

無論、スパイも混ざるが、そこはシノビ部隊に任せて鎮圧させた。

残った世間知らずの貴族兵も統率がとれておらず。

1日しないでディーヴェ兵は散り散りに祖国へと逃げ帰っていった。

そして今、目の前に拘束魔法と魔法封じの腕輪とロープで簀巻きにされた。

美貌のシャアルクス宰相が、青ざめながらちょっと恥辱を感じてか。

恐怖感からか、凄く先程からプルプルしている。

芋虫みたいです。

イケメンがこれとか、情け無くもちょっと面白いとか思ったのは秘密だ。

「我が国への宣戦布告、申し開きは?」

「ふん。」

それっぽく聞いたが、鼻息荒く答えない。

「やれやれ、天才的頭脳と唱われたシャアルクス殿は、こんなに分かりやすいお馬鹿さんとはね。」

切り口を変え煽る。

すると顔色を真っ赤に染めるも返事はない。

「我がバルバロイ領地の話は、わざとある程度情報流していた。

そんな程度の事も読めませんか?」

「わざと、だと?」

反応に満足して俺は微笑する。

「だって、下級兵の統率。

何故とれなかったか?

とか。

予想より守備陣が強い。

とか。

そちらの実力者ががっつり減った。

なんて、わかりやすくしていましたが?

まさか気付かれなかったとはね。」

確かに分かりやすい手法だが。

かなりの時間をかけた。

真綿を締めるようにじわじわと。

だから、彼らが気づいた時、全ては手遅れだっただろう。

ディーヴェの末端に致までの腐敗。

それを憂う者は、蜘蛛の巣のような場所から逃げ出したかった。

アレクは、そんな人達に、逃げ場所を提供したに過ぎない。

最初は娘の未来の為に始めた、どう考えても良くある偽善だ。

だが、長い年月を経て気持ちが変わった。

誰だって、幸せになる資格を持っていて。

俺はそのチャンスを作り出せる立場にいる。

俺の偽善が本物になれば、もっといいな。

位に変化したのだ。

そこに転がる腐敗の原因の一角は、理解できずに転がっていた。

何か喚くわけでもなく、ただ呆けてこちらを眺めるばかりだ。

そのまま地下牢に連行するが。

抵抗もなく、ズルズルと引きずられていった。

彼は宣戦布告の責任で処刑されたその時まで。

自身が何を失敗したのか分からず。

茫然自失だったようだ。


こうして、一番厄介なイベントを片付け終えた次の週。

イリシア嬢とフィン殿が、正式に婚約した報告を受けて、俺は一抹の寂しさと共に安堵した。

「くははっ、俺はフラレタノカナ?

まあいいや、お幸せに二人共。」

イリシア嬢の事は嫌いではないし。

むしろ長いこと想われていた。

気付かないうちに絆され、愛着心が沸いたのだろうか?

だが、あれだけ袖にすればフラレもしよう。

それでも、こんなおじさんよりは、同年代の男の方が良いだろうと結論付け。

ほんのささやかな嫉妬心は目をつむった。

イリシアが、もしも全てのゲームイベントが終わるまで耐えられたら。

アレクが彼女を受け入れていたかも知れなかった、など、イリシアが知る由もないことだった。


ディーヴェのシャアルクス宰相さんは、扱いが雑なのは仕様です。

さて、イリシアとフィンの婚約への、アレクの心情ですが。

もう少し押せばイリシアたんはアレクをゲットしていたかも?

でも、やはり共有時間の多さで若者に負けました。

つーか、どちらも前世女性なので、イリシアたん百合なのか?疑惑が出たとか出ないとか。


では又。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ