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第2話 機関保証

何でも許せる人向け 主人公は奨学金奴隷を捕まえられるのか?!

弓使いに連れられて、娘が俺の元を訪れた。表情も明るく純朴で、悪意というものをまるで知らないかのような純朴な娘だ。老いさらばえて使い古した雑巾みたいな風貌をしている陰気な弓使いとは、対照的だった。

こんなに似ても似つかない親子がいるものだろうか?いや、こいつらはそもそも血のつながりのない親子だったっけ。


たわわに実った二つの乳房は、娘の仕草と同時にたゆんたゆんと揺れて、まるで奇妙な果実を思わせる。もはや凶器だ。恥を知らないのか。俺は目を背けた。じっと見てはいけない。そうだ、決してじっと見つめてはいけないのだ。なぜなら元の世界では「冤罪」が頻発していたからだ。承認欲求や義憤に駆られたバカな女どもが、無辜の男性を犯罪者にしたてあげ、インターネットで晒しあげ、金品や時間を巻き上げ、精神を大きく傷つけるだけでなく、社会的信用まで失墜させるのだ。


「あたし、魔法科アカデミーに行きたいなって思ってるんだけど、あたしの家にはお金がなくってぇ、奨学金を利用するか迷っていて…。」

娘が語り出す。

「借金、っていうだけでも、それを返してからじゃないと、あたしお嫁さんに行けないでしょう?それに、もしも私がダンジョンで怪我を負ったり病気になったりして働けなくなったら、連帯保証人であるお父にまで迷惑がかかっちゃうからなぁ。」

ハナから自分で自分の学費を払う気がないのか?そしてその責任を男である父親に押し付けるつもりなのか。厚かましく烏滸がましい。

「だってだって、あたし、体そんなにつよくないしなぁ。それにぃ、」

娘は口籠る。

「PMSとか重めで、時々魔術スクールもお休みしないといけないくらいだから…。」


は?生理くるとかビッチじゃん。やっぱり勉強だなんだいっても、やはり女というのは幼い頃から性行為に勤しんで勤しんで勤しみまくっているのだ。そうに決まっている。なにせ、男にとっての最大の魅力は、フェアリー族のように愛らしく溌剌とした、しかし男に無駄な反抗や口答えをしない、従順な幼女なのだ。そして、年々女の魅力というのは失われていくものだからな。本能でしかものを考えられない女連中も、そのことを知っているのだ。村でアイテムショップを営む、2000歳になったというドラゴン族の女も、老女のような口調をして飲酒喫煙に目がないものの、幼い娘の姿をしている。これは、自分を魅力的に見せるための、処世術なのだ。やはり女にとって若さこそが正義なのだ。この娘も十年ほど前はさぞかし魅力的だったことだろう。

「男の人に言ってもわからないかもしれないけどぉ」


「囀るな」

ドン、とどこからかサウンドエフェクトが鳴り響き、俺の顔面が画面に大きく映し出される。その表情は静かなる憎悪で満ちていた。女同士なら言葉は無用だが、男には言葉を尽くしても伝えられない、そうした女独特の現象だと、女のくせに、そういいたげな、娘の言葉に激昂する。この効果音はそうした俺の苛立ちの表れだろうか。


俺は機関保証について説明してやった。機関保証とは、毎月わずかな金額を保証機関に払って保証してもらうことで、人的保証のような連帯保証人が不要になるのだ。要は保証の名の下に、娘に貸す奨学金をピンハネするのだ。奨学生は連帯保証人を立てなくてよい、俺には金が入る、夢のような制度だ。


「えーっ、奨学金を借りる時って、絶対に連帯保証人になってくれる人が必要なんだと思ってた!」

はしゃぐ娘に、弓使いは優しく諭す。

「父さんはな、お前にしっかりと勉学に励み、社会の仕組みを学び、人のために働いてもらって、そのお給料で自分の借金を返し、自立した大人になってもらいたいんだ。親元を離れ街へ出て先進的な教育を受け、税金年金公共料金をしっかりと払って、労働納税勤労の義務を果たすんだ。2年に1日くらい、顔を見せに村に帰っておいで。馬車代も馬鹿にならんから、頻繁には帰ってくるんじゃあないぞ。それから何日も街の下宿を空けるのも、空き巣に入られちゃあいかんから、泊まりで帰ってくるのはよしなさい。お父も何のもてなしもできないからな。一人は心細いかもしれないが、蒸発したお前のお母もきっと応援してくれるはずさ。」

全く調子がいいものだ。娘に全ての責任を押し付け、うまく厄介払いするつもりなのだ。


「お父も辛いが、むしろこれは立派な社会人になるために必要な試練だと思ってくれ。できるな?」

「うん!あたしでもお金を借りることができて、アカデミーにも行けるなんていいことづくめだね。」

娘は勉学に励み、サークル活動に勤しみ、アルバイトにも精を出す、明るい未来を思い描いているのだろう。さぞかし期待に胸を膨らませているはずだ。自分が奴隷となる運命も知らずに。俺は股間を膨らませた。


かくして俺は奨学金システムの第一号奴隷を手に入れた。



(続)

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