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幸せマーケット  作者: 吉永進
12/13

告白

私は涙が止まらなかった。

30代半ばになって情けない限りである。

10年以上前の恋愛を引きずり前に進めないでいるなんて。

私はボソボソと暗い口調で話した。

「こちらこそごめんね。告白してしまったこと、二人を避け続けてしまったこと。後悔しかないよ。」

由美子は昔と変わらずフフッ笑いながらこう返した

「まさか武が告白するなんて意外だったな。女には興味ない感じしてたし。でも、告白してきてくれたのは嬉しかったよ。」


由美子は続けて笑いながら話した。

「あの後、武が勇気を出して告白してくれたから、私も賢治に告白したんだ。そしたら、賢治に三人友達のままでいたいなって返されたわ。武の告白は何も間違ってなかったと思うよ。」

賢治が由美子ちゃんと付き合わなかったなんて意外だった。また、結果的に付き合えなかったものの告白したことに対して喜んでくれてたなんて意外だった。

何か吹っ切れた気がした。


「そうだったんだね。今でも賢治と会うの。」と聞くと

「賢治行方不明になったらしいよ。2ヶ月前くらいから見つかってないんだって。私のところにも警察が来て事情聴衆されたんだけど、武のところには来てないの。」

と聞かれた。


そういえば、前回の家が火災にあったときに

「林田を知らないか」と警察が訪ねてきていた。

賢治の名字は確か林田だった。どうやら忘れたい気持ちが先走ってうまく思い出せてなかったらしい。

「そういえば来てたわ。」と青ざめた顔で返した。

由美子は続けて話した。

「武は噂によると「幸せ市場」で働いてるらしいよ。そこでは名前も顔も口調も変えないと働けないらしいよ。幸せマーケットって、何でそんないかにも怪しいところに行っちゃったんだろうね。警察も「幸せ市場」の売り物の被害が大きいらしく、早く突き止めたいんだって。それが中々尻尾をつかめないらしくて苦労してるらしいよ。そんな「幸せ市場」なんて聞いたことないよね」

俺は何も言えなかった。適当に相づちだけした。

そもそも何でそんなところに行ってしまったのかわからない。純粋にサッカーが好きだったあの賢治がオカルト染みた世界に飛び込むなんて考えられなかった。












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