お題「冷蔵庫の奥から、賞味期限が三年前のプリンが出てきた」
2回目の勝負
「は?さすがに無理だって」
俺はそんなことを言った
妹が突然小学3年生の頃に買ったプリンを食べれるかな?と聞いてきたのだ
「そんなものは食べるなよ?お腹を壊すから捨てな」俺はそう立て続けに言った
妹は小6になったのにまだ分からないようだった
「なんで?」
「だから…お腹を壊すからだよ」
妹はそんな理由を気にもせず言った…
「この食べ物はこれをおいしく食べてくれると思って作った人たちの思いの結晶なんだよ?
牛乳を作ったり鳥を育てて卵を産ませたりそういう人たちの苦労の結晶なんだよ?
そんな簡単に捨てろよとか言わないでよ」
妹がそんな事を言ってきた…
「お前が食べなかったんだろ
その思いはな、消費期限があるんだよ
お前は美味しく食べて欲しいと言う願いを無下にしたんだ
そのせいでその結晶と言うなの氷は溶けてしまった
だからその思いを無下にした責任として捨てろ
食べることはできないんだから」俺はそうマジレスを返した
妹は悲しんだ顔をしてプリンを捨てた…
俺はその姿を見て心がずきりと痛んだ
AI側
「冷蔵庫の奥から、賞味期限が三年前のプリンが出てきた」
え、と思った。
いや、まず、なんでここにあるんだ、という話で。三年前といったら、まだ父が生きてた頃で。いや、違う、父の話じゃない。プリンだ。プリンなのに、なんでこんな、じんとするんだろう。
手に取ると、容器が少し冷たかった。冷蔵庫の中だから当たり前なんだけど、その冷たさが妙に、生々しくて。
蓋を開けようとして、やめた。
開けたら、多分、におう。腐った甘さ。でも、開ける前は、まだプリンのままなんだよな。中身がどうなってるか、分からない。分からないまま、ここに置いておける。
妹が後ろから「それどうするの」って聞いてきた。小6のくせに、声が低い。いや、関係ない。関係ないけど、なんか、そういうとこ、あるよな。
「捨てる」
と言おうとして、出なかった。
「……どうしよう」
って言った。情けない。三年前のプリン一個で、こんなに迷うなんて。でも、捨てるって、決めることだから。決めるのが、こわかった。
妹が「食べるの」って聞いてきた。
「馬鹿、食えるわけないだろ」
「じゃあなんで、開けないの」
その質問が、ぐさっと来た。なんで開けないんだろう。捨てるなら開けなくてもいい。でも、開けないって、まだ、プリンのまま、置いておくってことだ。
「……お前、食うか?」
「やだよ」
「だよな」
私はプリンを、ゴミ箱の上で、しばらく止めていた。蓋は開けなかった。開けないまま、ぽとん、と落とした。音が、思ったより、小さかった。
あ、と思った。もっと、派手に、割れるかと思ってたのに。




