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異世界85日目 6月24日(月) ③寄せてきた


 アメリアちゃんの『ルーミィ先生可哀想』発言により大騒動になったものの、結果として園児達のおかげで俺とルーミィの問題は解決出来た。

 ルーミィの過呼吸も収まり、無事種イモ植えも終える事も出来た。


 園児達は朝顔に水をあげた後、笑顔で帰宅して行った。特にソフィちゃんが興味を持っているようであり、新たな一面を垣間見る事が出来た。教育の知識は無いが、園児のきっかけを発掘出来た喜びは胸が暖かくなる。


 愛情を込められて育てられる朝顔とさつまいもの成長が楽しみである。大きく沢山育つといいな。


 そんな事を考えながら安定のルーティンワークをこなし、今はリビングで神ブックを開きレシピの確認中である。園児達には大変お世話になったので秘蔵のレシピを出そうと思っている。


 夏の最強スライム料理を。これは新製品としても売り出す予定だ。


 その為にはまずアレクの所にお邪魔しないといけないし、何よりイリアさんのお店にも行く必要がある。こっちも大変気まずいのだが。


 神ブックを閉じたと同時にルーミィがお茶を運んで来てくれた。お礼を伝え、早速頂いた。普段よりも水分補給に過剰に反応しちゃうのはこの前死にかけたからだ。ほんと水分って大事だよなぁ。


 喉を通る冷たい麦茶が乾いた体を潤してくれる。やっぱ夏は麦茶だな!


「お、お代わりはいる? 和也……ううん、和也さんと言った方がいいのかな……それとも……だ、旦那様……とか……?」


「お代りは頂きます。そして呼び名は和也で固定して下さい」


 まだ正気に戻って無かったのか……もしくは、わざとか? なんか一気に加速した感がありますよ? 距離感は大切にしましょうね?


「ルーミィ、普段通りにしましょう。さあ、買い物に行きましょうか。明日の為に寄りたい所もあるので」


「またイリアさんでしょ! いやらしい目で見たらダメだからね! あと、絶対誘惑には乗らない事! いい!? 分かった!?」


 でもさっきルーミィも誘惑してたよね? やりたい放題、言いたい放題じゃないですか……。



≪≪≪



 じりじりと照り付ける太陽を麦わら帽子で遮断しながら村へと着いた。ルーミィはネコさん麦わらを大変お気に召している様子で普段使いしている。野暮な事は言わないが……ちょっと子供っぽいですよ?


 先に雑貨店に寄り、後で牧場に行く予定として雑貨店へと向かったのだが、そこで俺とルーミィは足を止めて驚愕した。


 店先に佇む女性は膝下までの水色のパステルカラーのスカートを履き、真っ白なシャツを着ていた。シンプルな服装ではあるがとても清涼感があり、非常に好感が持てる。

 ただ、露出が一切無いのにも関わらず、服装と反して控えめにならならない胸が強調しているが。


「い、いらっしゃい! カズヤ、ルー……カズヤさん、ルーミィさん」


 ルーミィと思わず目を合わした。何だ、目の前で一体何が起こってるんだ!? いつもの露出狂と言っても過言では無い服装とは対極に位置する服装だ。そして言葉使いまでおかしい……いつもの姉御調では無い。


「イ、イリアさん? ど、どうしちゃったの?」


 流石にルーミィも心配になったようで声をかけたようだ。ちなみに俺も同じ気持ちです。熱中症になってしまったのだろうか、それならすぐに経口補水液を作りますよ?


「に、似合わないかな? カズヤ……さんはルーミィさんのような服装が好みかと思って。少し参考に……そ、それにお淑やかな方が好みかと思って……」


「い、いえ、似合ってはいますよ……似合ってはいますが……」


 まさかのイリアさんもめっちゃ意識してるし! ルーミィとはまた違った方向性だがこの関係は早く修繕しておかないと。


「あの、イリアさん? 私の好みに合わせて頂いてありがとうございます。ですが、私は普段通りのイリアさんで居てくれた方が嬉しいです。言葉使いもムリしないで、いつものように気さくに接して下さい」


「そ、そうなのか。ふ、普段のあたしが好きなのか! そ、そうか……ちょっと着替えてくる!」


 そう言って手を振って居住スペースの方に戻って行ったのだが、一つ訂正しておかなければならない箇所がある。俺は『好き』とは一言も言ってませんよね? 


「か、和也は私の服装が好きなんだ……それにお淑やかって思ってくれてるんだ……」


 自分の服を見て何故か上機嫌になっている……よし、こっちも同じく言っても無い言葉に翻弄されているが、ルーミィはこのままでいい。


 とりあえずまだ上の空のルーミィはそっとしておいて買い物をさせてもらうとしよう。早くしないと日が暮れてしまう。


 明日の新製品用のメイン食材は牧場で仕入れるのでここでは他の食材を仕入れておくつもりだ。それにしても品揃えの良い店だ。欲しい物は大概あるので大助かりだ。


「カズヤ、待たせたな! どうだ!?」


 別に待ってはいないんですけども。と内心思いつつその声に振り向いた。ルーミィも我に返ったようでイリアさんの方に向きを変えたのだが、途端に顔を少し赤らめた。


 女性が頬を染めてしまうその容姿である。推測ではあるが肌面積の80%越えは確実だ。確かあれはチューブトップって呼ばれるやつだっけか……。

 ホットパンツにチューブトップ。しかもお胸の下部分出てますよ? ええ、出てますとも。なんですか、そのお胸ちゃんにはちまき捲いたような服は……それにホットパンツ、小さ過ぎやしません? ぎりっぎりですよ?


「カズヤが言ってくれた通り、私にはこれが一番しっくりくるよ! ありがとうな!」


 笑いながら肩をばしばし叩いて来るのはいいのですが、一撃一撃が重い……そしてその度に胸が揺れまくってますよ? なんかこぼれ落ちそうで冷や冷やするんですけど?


「和也! 胸を見過ぎ! イリアさんも、そ、そんな格好で!」


「ん、なんだ、カズヤは胸が見たいのか? それなら好きなだけ見てもいいぞ? ほれ」


 大きな胸を更に寄せ上げるようにポーズを取り直し、俺とルーミィにその姿を見せてきた……なんと柔らかそうな、素晴らしい……。

 ねえ、それでポロリとかあったら大事故では済まないですよ? ほんっと気を付けて下さいね?


「な、ななっ!? は、破廉恥ですよ、イリアさん!」


「ふふ、じゃあルーミィも見せてやればいいじゃないか?」


 ほう……。それは……少しあれだ、どうなるのか少し興味が――


「わ、私だって……って、そ、そんな事はしませんよ!?」


 ふふ、俺は見逃しませんでしたよ? ちょっとイリアさんみたいに胸を寄せる仕草を取りましたね?


「ルーミィだってこれから成長するさ。でもあたしを超えられるかな?」


 二人の間に火花が飛んでいるように見えるのはアレクの光る歯同様に錯覚であって欲しい。でもここ異世界だからなぁ。魔法ありきの世界だからあり得る事だけに怖い。

 それはそれとして、あの、お会計して貰えませんかね? 俺、次に寄る所あるんですが……。


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