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異世界286日目 1月11日(土) ③ブラックドラゴン温泉ランド ~再登場! 赤の女神様と白の女神様~


 脱衣所を抜けると、プールを一望出来る場所に出てきた。広大な敷地面積で有り、様子を伺うとウォータースライダーに波の出るプール、流れるプールに子供用の底の浅いプール。上から水が降り注ぐカラクリなど多種多様なものが見受けられた。休憩所なんかも大スペースで用意されている。


 マジで全部再現している。ここが元の世界のプールと言われても俺は疑わないぞ?


「これはこれは、愉快な場所でございますな」


「そうじゃのう、あの曲がりくねった道は面白そうじゃて」


 ご老人? 二人から感想が漏れている。しかし二人とも逞しい体だ。超マッチョボディだ。確実に俺が一番貧相で穴が合ったら入りたい気分だ……ラッシュガードを神力で出そうかな?


 しかしこの屋内プール施設、素晴らしい出来だ。冷たくも無く、熱くも無く程良い水温に加え、次亜塩素臭も全くしない。魔法の浄化装置でもあるのだろうか。完全にこっちの世界の方がスペックは上だな。


「わ~、おっきなすべり台があるぅ~!」


 アメリアちゃんが尻尾を振りながらこっちに向かって来た。後に続くソフィちゃんとサラちゃんも目を輝かせているようだ。


「カズヤ先生~あのね、サラの水着ちょっと小さくなったみたいなの~」


 胸の膨らみが増している……だと? 僅か半年程度でそんな成長を遂げたというのか。ひらがなで書かれた名前の広がりも以前にもして横に伸びてるし!


 神力でワンサイズ大きいものを出しましょうか?


「お待たせして申し訳ありません。あ、あの、私も少し水着が小さくなってしまったようで……」


 夏場でもこぼれ落ちそうだった胸が更に! 完全に積載量オーバーだ! エルフの成長率、恐るべし!


「カズヤ……もう一度人工呼吸して欲しいのか? なら一度溺れて貰わないとな」


 拳をパキパキ鳴らすのはやめませんか? 赤の女神様。貴女も十分犯罪級のわがままボディですから。そして相変わらず布面積が極小の赤ビキニですね。ぶっちゃけ、それってほぼ裸ですからね? 今日は園児達が居るのでその姿はちょっと教育上適していないかと。


「ほほう、思わず見とれてしまうわい。若い娘さんはセクシーじゃのう」


「……おじいさん?」


 いつの間にか若い水着のお姉さんが魔王様の背後に!? ってかおばあさん、魔王様のバック取れるの!? そしてイリアさん程では無いですがおばさんもビキニ着用なんですね……お美しいです。


「す、すまぬ……そ、そんなつもりじゃなかったんじゃ……」


 謝った!? 魔王様が簡単に謝った! ひょっとしてこの異世界で最強なのはおばあさんなのか!? 


 あれ、そういえばルーミィとメルは……。


 奥の方で恥ずかしそうにしているルーミィの手をメルが引いているのを見つけた。ラッシュガードを着込んだ白の女神様だ! お久しぶりです! 今日もとても美しいです! それと手を引くメルは黒色のビキニですか。てっきり白色の水着かと思いましたが……しかも堂々としており、華奢な体のラインがとっても顕著に出ている。


 こちらは黒の女神様と名付けよう。控えめな胸に細い体、褐色の肌がまさに元気一杯の妹って感じだな。こんな妹が居れば俺の人生も変わっていたんだろうな……。


「カズヤ様……好色の目になっておられますね。園児達も居るのですよ? お控え下さい」


「……はい、すみません」


 隣に居る一番好色の目で見てしまうレインから厳重注意を受けた。だけど俺を見るオッドアイが怖いです……。それにルーミィとイリアさんも睨んでる。

 きっとこうなると思ってたんだ……だってプールだよ? 水着だよ? しかも魅力的な女性が盛り沢山だよ? 無理でしょ……見惚れちゃいますよ……。


「ほっほっほ。まあまあ、レイン先生。これだけの美女が集まればどうにもならない方がおかしいですな。どなた様も形容しがたい美しさでございますから」


 そんな爺やさんの一言で殺気立っていた現場は一転し、園児を除く女性陣全員がくねくねし始めた。ほんと、来てくれてありがとうございます……。



≪≪≪



 しっかりと準備運動を済ませ、いざプール遊び開始だ。深い場所もあるから園児達一人一人に先生が付く形とした。爺やさんは総監督的な役割で園児全員をロックオンしてくれているようである。

 どこから出したのかサングラスを付けて監視台にスタンバってるもんね……。


 尚、メルは若返ったおじいさんを見てまたもや震え出し、トイレに走って行った。今回は、間に合いそうでなによりである。


「ひゃっはぁ~!」


 ウォータースライダーの方でイリアさんの楽しむ声が聞こえて来た。どこかの悪役にも似たセリフは出ているが楽しんでくれているようだ。でも胸、気を付けて下さいね。ポロリとかあったら大事故になりますので。


「まるで川のようじゃのう~」


「ぷかぷかと気持ちいいですね~」


 話し振りはお年寄りそのものだが実態は若い兄ちゃんと姉ちゃんである。カップル用の浮き輪で密着しながら流れるプールを満喫しているようだ。


「……ソフィもアレしたい」


 俺の担当はソフィちゃんなのだが、魔王様を指を差してリクエストされた。


「いいよ、じゃあ浮き輪を持っていこうか」


 子供用の浮き輪を持って振り返るとソフィが既に大人用の浮き輪を持っていた。身長と同じぐらいのビッグ浮き輪だ。その姿が妙に愛らしい。


「……これで一緒に入る」


 ま、まあ、ぎりセーフかな? 引率者としてなら。


 浮き輪をプールに浮かべ、隙間にソフィちゃんを抱いて入れてあげたのだが……。


「えっと、ソフィちゃん? 先生に掴まるんじゃなくて浮き輪に掴まってくれるかな?」


 浮き輪に入るや否や俺にしがみついてきたのだ。肌を密着させて……。


「……カズヤ先生、暖かい……このままがいい」


 分かった事がある。完全にこの子女の子として成長してるわ……まさかロールさんが仕込んでるんじゃないだろうな……。


 しかしそんな光景を見逃す先生達では無い。ルーミィとレインが睨んでいるのが分かる。でもプールのせいでどんどん流れて行っちゃうけどね~。




 ソフィちゃんが密着したまま流れるプールを一回りすると何故か行列が出来ていた。


「次はサラの番~」


「つぎのつぎはアメリアだよ~」


 こんな広い誰も居ないプールでカズヤアトラクションは大渋滞だ。いや、園児達だけならそれほどでもないのだが……。


「じゃあ、その次があたしだな!」


 何故園児に混ざって入り込もうとしてるんですか? 赤の女神様は。水も滴ってお色気アップしてますよ? オールバックの髪が非常にグッドです! でもですね……。


「ダメです。イリアさんの場合は大問題になります」


「そ、それでは私が――」


「同じくダメですってば!」


 貴女達、自分の体を見て下さい、そしてこの浮き輪に内径を。どれほど密着させるつもりですか。お胸ちゃん達の形変わっちゃいますよ?


 そんなやりとりを見てほくそ笑む二人が居た。なんだ今の会話の何処に沸点があったんだ?


「ふふふ……チャンスだね」


「そうっすね、俺達なら――」


「ルーミィもメルもダメ! 園児以外は受け付けません!」


 自分の胸を逆手に取った行動は認めますが、大人はダメです! 全員が揃ってカズヤ先生と流れるプールアトラクションに並んでいるのだ。

 おかしな話である……いくらでも遊ぶ場所あるでしょ……。


 結局、園児達のアトラクションと化したカズヤ先生と行くプール一周は旅行は大人気を博した。ちなみにサラちゃんはグレーゾーンだ。今回はギリギリ良しとしたが、次回以降は確実に制限に引っかかると思う。下手したらあの二人を越えてるんじゃないかな……。


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