図書館での収穫
会話むずい……
ピチュンピチュンと鳥の鳴き声を聞きながらゆっくりと目覚めた。窓から差し込む木漏れ日。
気持ちの良い朝に欠伸をしながら、ゆっくりと伸びをして体を解す。
今日はなにをしようかと考えてベッドの上に座って考えた。
「……取り敢えず、顔を洗おう。」
3階にある自分で借りた部屋から出て、1階の食堂と受付が合体している所へ行き、女将さんを探した。
うろうろと顔を動かしているのに不思議になったのか、近くにいた冒険者が不意に尋ねてきた。
「どうしたの?なにか探してるの?」
異世界ファンタジーのザ・魔法使いの格好をした、少女。
「ボクたちで良ければ話をきくよ〜」
体の線が細いので、見た目的に戦士とかそういう職ではなさそうなイケメン。
「うししっ。みんなお節介だね〜」
ニヤリと笑いながらやってきたのは、頭に猫耳を生やした、いわゆる獣人族の女性。
「すみません、顔を洗いたくて……水って何処で手に入りますか?」
「なんだ、そんなことか!
実はボクたちも今から行く予定なんだ。
一緒に行こうか。」
「ありがとうございます!」
どこか見覚えがあると思ったら、昨夜クマの宿にやってきたときに、小突いていた冒険者たちみたいだ。
「裏庭の井戸に水があって、水浴びをしたい人や顔を洗いたい人はここに集まって水を汲んで、部屋で着替えたり、人によってはここで済ます人もいるようよ。」
「あれれ〜みんな、何か忘れてな〜い?」
「ん?/え?」
「ほらほら〜自己紹介だよ。自 己 紹 介 。じゃ、先に自己紹介するね〜
アタシは、リゼ。」
「わ、わたしは、アイリス」
「ボクはホクトだよ。」
「よろしくね〜/よろしくお願いするわ/よろしく!」
「俺はイツキです。よろしくお願いします!」
「ボクがこの冒険者パーティ、銀の盾のリーダーだよ。困ったことがあれば頼ってくれてかまわないよ。」
「そうそう、アタシたちはBランクだからそこそこ実力あるわよ〜」
「わたしたちはここを拠点にして活動してるから、見かけることが多いと思うわ。あなた、みたところこの町に来るのは初めてだと思うから、分からないことがあったら、遠慮しないで聞いてね。」
「みなさん、ご親切にありがとうございます。この町は優しい人ばかりですね。」
「ああ/ええ/まぁね♪」
「では、俺はそろそろ朝ごはん食べに行きます。」
「わたしたちは、これから依頼を見に、冒険者ギルドに行くからお別れね。」
「あらあら。顔合わせしたばかりだけど、しかたなないわね。」
「ボクたちは失礼させてもらうよ。」
「お気をつけて。」
手を振り見送ったあと、朝食を食べに屋内へ戻った。
1人用のカウンター席に座り、食事を待つこと数十分。美味しそうないい匂いが漂ってきた。
俺の前に置かれたのはジュワりと油が溢れたステーキ。ウェイター?の女将さんの娘さん、フィーリアさんによれば、この肉はオーク肉らしい。
地球で言う豚肉っぽい。
味を確かめるため、おそるおそる口に運んだ。
噛み締めた途端、溢れんばかりの中に閉じ込められた肉汁が一気に口に流れ、特別スパイスや塩コショウなどの調味料が無いにもかかわらず、オーク肉特有の濃厚な味で昇天しそうになった。
まさか……これほどとは!?異世界侮れん。
食ったことないけど、黒毛和牛にも劣らないかもしれない。あ〜幸せ〜。
ガツガツと喋ることもなく食べていたようで、意識がハッと浮上したら、皿の上にはすっからかんになってスプーンとフォーク、ナイフと少量の脂しか残らなかった。
これに、調味料を加えたらもっと美味くなると思われる。想像しただけで、じゅるりとヨダレが垂れそうになる。エフィさんも言ってた通り、食事も最高だ。ありがとう、エフィさん。ここを紹介してくれて。
「ご馳走様!」
思わず、いつもの数倍大きな声で言ってしまったが、「あいよ〜!」と言う声も負けず劣らず大きな声で返ってきた。
部屋にある鞄を持って外出した。図書館の前に服を買いに服屋に向かった。想像者で作ることもできるが、異世界を満喫するためになるべくならその場所でしか買えない服を買いに行こうと思ったためだ。
場所は分からないので、適当に歩き回り、それらしい所へと入った。
カランカランと来店を報せるベルが鳴った。
「いらっしゃいませ。ようこそリベロへ。」
ゴスロリが様になっている少女がいた。
「こんにちは。服を買いに来たんだけど、大人の人はいる?」
「いいや、ワシ以外居らぬよ。ワシはこう見えて、お主より年上だよ。」
「それは、失礼しました。」
「いいや、構わんよ。それで、服を買いたいって?」
「はい。」
「どんな服が所望なんだ?」
「俺が普段着る用に外出用、そして、商いをする時の正装もほしいです。」
「うむ、そうか。じゃ、まずは……」
次々と服を渡され、着替えて良いと思った物を購入した。
普段用の服はラフな感じで、浮きやすく、シンプルな装いの服で寝る時や緊急時に外に出ても違和感がなくて安価な物を買った。
外出用はお洒落な服を用意してもらった。流行りの服や、俺に似合う服を選んでくれた。俺は正直ファッションとかわからないから、用意された服を数点選んでくれて助かった。
正装は、スーツとか制服とかに似ている感じの服で何と言えばいいか分からないが、そんな感じだ。
「お買上げありがとう。お主がまたこの店にやってくるのを心待ちにしておるぞ。」
「服選びを手伝っていただき、ございました。」
「いや、構わんよ。良い一日を。」
ペコリと頭を下げ次の目的地、図書館に向かった。
扉を引いて開けると、そこは圧巻するほど、多くの本があった。
「いらっしゃいませ〜何かお手伝いすることはございますか?」
「えーと、この国の歴史とか載っている本はございますか?」
「はい。ございます。その前に、失礼ながらこの図書館を使用するためのカードはお持ちですか?」
「いえ、ありません。今日初めてきました。」
「左様でございますか……では、あちらに受付が御座いますので、先に登録をして頂いてもよろしいでしょうか?」
「わかりました。」
受付へと歩いた。
「こんにちは、ご登録ですか?」
「はい。」
「では、まずこちらにお名前などを記入していただきます。初めての登録は小銀貨1枚ですが、なくされ、再発行の場合は、銀貨一枚となりますので、ご注意ください。また、文字が書けない場合や読めない場合は、代筆可能ですので、遠慮せずお声掛けください。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
登録
名前:イツキ・タナカ
年齢:17
出身:リベルタス国
返却期間予定:2週間
━━━━━━━━━━━━━
ここから下は記入しないでください。
使用可能範囲:一般領域
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シンプルな用紙で、思わずこれだけで良いのか驚いた。出身はこの世界ではないから、どうすれば良いのか、名案が浮かばなかったので、聞いてみることにした。
「すみません、この出身なんですが、分からない場合はどうすれば良いですか?」
「では、この国の名前で構いません。
この国の名はリベルタス国でございます。」
「教えていただきありがとうございます。」
書き終えて受付の人に用紙を渡した。
「最後にこの水晶に手を当てていただけませんか?」
「これは?」
「こちらは、犯罪歴や図書館のブラックリストに載っていないかを確認するための魔法がかけられた水晶です。何かあれば赤色に光り、何も無ければそのまま何も変わりませんが、魔力がある方は時折、水晶が反応してしまい、白く光る場合もございます。」
「なるほど。」
「では、これから発行致しますので、あちらの椅子に座ってお待ちください。また、発行まで何もなければ、数分程度で仕上がります。」
「ありがとうございます。」
待つこと数分後
「お待たせいたしました。こちらがイツキ様のカードです。無くされないようお気をつけください。」
「ありがとうございます。」
カード受け取り後、先程扉前で声をかけてきた人物に接触し、本がどこにあるのか教えていただいた。
パラパラと本を捲り、この国や世界、歴史などを調べた。時間や月など、地球とは変わらなかった。
大国が3ヵ国、中堅国34カ国、小国6カ国で合計43ヵ国あるのがわかった。また、この周辺の国で戦争が始まろうとしているようだ。
この世界の名はカエルムというらしく、宗教もいくつか信仰されている神様がいるそうだ。
特に有名な神様は、
フォルトゥナ(運命や幸運を司る女神)
オルクス(冥界の神)
ウェヌス(恋愛の女神)
ゼノ(自由奔放な神(旅))
クロノス(時の神)
の5柱が主流だが、
ややこしいことに他にも芸術の女神や鍛治の神、食事の神、商売の神、戦の女神など本に載っている。
また、文字はルーン文字と呼ばれるものが共通で流通しているそうだ。
種族は、エルフ族、ダークエルフ族、人族、獣人族、人魚族、妖精族、竜人、ドワーフ族、吸血鬼、そして、魔族。
他にも竜種や魔物がいる。
こう見ると、色んな種族がこの世界にいるのがわかる。
図書館で調べ物をし終えて、帰ろうと思った矢先、折角図書館にきたのだから、何か本を借りようと、こちらの世界に有名な童話や物語、それから気になった本を選び、いくつか借りるため手続きをした。
本は5冊までしか借りることが出来ないそうだ。
返却期間は、特別な許可(国から要請された場合)や緊急事態(魔物に襲われた)時以外は基本的に返却期間は1ヶ月まで。それを過ぎると、1度目は注意、2度目は数週間ほど借りることが出来なくなり、3度目からは要注意人物として各図書館のリストに載る。それ以降も続くようであれば、出禁になる。
10冊ほど持ってきてしまったのでひとまず、厳選し、借りすぎたものを元の場所に戻して、有名な童話1冊とこの世界で有名な物語を3冊、気になった本を1冊借りることにした。
図書館を出ると日が既に暮れて、
夕日が反射して思わず眩しくて目を瞑ってしまう。
気持ち良い、冷たい風が吹き抜けているのを肌で感じながら一旦宿に戻った。
部屋に荷物などを置いてしっかりと鍵を閉め、
夕飯を食べに1階に向かった。するとそこには今朝話をしていた冒険者がいた。
「あら?」
「おやまぁ、またあったね〜」
「イツキ!隣に来るかい?」
「ありがとうございます。では、隣失礼します。」
食事を堪能しながら、銀の盾の今日の冒険を聞いた。
スライムはよく居るが、物理や魔法が効きづらいから、初心者には少し手こずることや
食べている時に、アイリスの食事をリゼに食べられて、ケンカをしていると小石が偶然、
傍で眠っていたダークウルフ(Aランクの魔物)に当たり、銀の盾に襲いかかってしまったため、何とか退治したらしいことなどを聞いた。
Bランクパーティなのに何故、Aランクに勝てたか疑問に思いきいてみたら、Bランクはそのパーティの平均で、必ずしも全員Bランクというわけではないそうだ。また、パーティメンバー全員が同じランクでも、パーティなら倒せる場合もあるらしい。
ちなみに、リーダーであるホクトさんのランクはAランク、他の2名はBランクらしい。
その事を聞いて思わずへぇ〜強いんだなと心の中で呟いた。
その後雑談をして、終わったら井戸の水を汲んで体を洗うのは、現代っ子の俺には出来なかったため、想像者で作った、今いる場所と違う空間でシャワーやトイレ、トイレットペーパーを再現して使っている。
井戸は数日なら我慢できるが、流石にトイレはムリだった。この世界のトイレは当たり前だが、日本と同じように、レバーを押して流す……なんてことは出来ない。
トイレの近くに樽のようなものに水が貯められているので、柄杓のようなもので水を掬い、流す。
これくらいならまだいいが、その水のせいで足元が濡れたり、勢いよすぎると水が跳ねたり、臭いという点で利用するのは躊躇う。
だから、想像者を使用した。
俺、想像者あってほんとに良かった……
この経験を活かして、トイレを整えたい。
けど、下水道や整備するための費用とかを考えると今はまだその時じゃない。人脈や財産を増やしていこう。
先程買った服を想像者で作った洗濯魔法で洗って乾燥してから着替え、
ついでに掃除魔法でベッドや周りを綺麗にしてから眠りについた。
最近、執筆していないせいか、腕が訛ってしまいました。
(そこまで、上手く小説とか書いてませんでしたが、確実に以前より書き方が下手になっていると思います。)
いつもお読み下さり、誠にありがとうございます。




