エルフとの出会い
「あ、あの。何か御用でしょうか?」
そこには────
さらさらと風に揺れて、キラキラと輝くプラチナブロンドの髪。それよりも目に付くのは長い耳。異世界もので良く知られる"エルフ"と呼ばれる種族がそこにはいた。
よく見ると服が薄汚れ、あちこち傷があるが、その美貌で気にはならないほど樹は見惚れてしまった。
「すまない。急に貴方を引き止めてしまって。」
声をかけられ、ぼーっとしてしまった思考を即座に切り替えた。
「いえ、ダイジョウブです。」
見惚れた罪悪感故か少しカタコトになってしまった。
「ん゛んッそれで何か御用でしょうか?」
「実は貴方の体から膨大な魔力が漂っているのを感じて、いきなりだが詰め寄ってしまった。
あたしはホーラ。ホーラ・アドバンス。」
「俺はイツキ・タナカと言います。」
「そうか。兎に角すまなかった。」
バッとその場でホーラが頭を下げ謝罪した。どうやら、悪い人物ではないようだ。
「い、いえ。こちらこそあまり前を向いてなくてぶつかってしまい、すみませんでした。」
バツが悪そうに謝った。
「いやいや、謝らなくていい。」
彼女は気にしていない様子だった。
「あの、そのお怪我は大丈夫ですか?
所々に傷があるのですが……」
おそるおそる樹は聞いた。
「ああ。これはぶつかって怪我をした訳ではないから、大丈夫だ。ただ………いや、なんでもない。」
暗い目をしてほんの少しの間沈黙したが、すぐにその表情を切り変えた。
「何かお力になれますか?」
その様子を見て堪らず尋ねた。
「…………いや、今のところは何もない。」
一瞬真剣な表情で口をキュッと結び、再び口を開いた。
「そうですか……では、これで失礼します。」
これ以上踏み込むのは無理そうだと思いここは引くことにした。
「嗚呼。」
と言って、背を向け辺りを警戒しながら歩いていた。
「…………。元気づけたかったな……。」
項垂れながら噴水の脇に座った。
そこへ小さくて可愛らしい少女が現れた。
「お兄ちゃん、お花買ってくだちゃい。」
そ言うやいなや花をズイっと樹の顔に近付けた。
「わっぷ。ちょ、近い近い」
そう言って仰け反った。
「あはは。そうしたいのは山々だけど、俺お金持ってなくて……」
話しかけられて気がそれて、元気になっていたところを再びしょんぼりと落ち込んでしまった。
「そうなんでちゅか……では、ありがとうございまちた。また、会ったら買ってくだちゃいね!」
さよなら〜とてちてち去っていった。
「おっし!」
両手で頬を勢いよく叩いた。
「くよくよしてもしょうがねぇ!
まずは、定番のギルドへ行くか!」
はじめの一歩を踏み出した。……転んでしまった。
おお樹よ転んでしまっては情けない。
▶ ︎To be continue……




