道中と町
先週、更新出来ずに申し訳ございませんでした。
ドンドコと楽しげに歩いていると早速怪しげなキノコを発見したので鑑定する事にした。
「鑑定」
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アヤ・シィ・キノコ
特徴:赤色と黄色の混じった毒々しい雰囲気を持った怪しいキノコ。
詳細:食べられる。
名前の由来は見た目が怪しいため。
名付けたのは大賢者ムサーフィル。
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「ほうほう。見た目がアレだけど、食えるのか。
これはいいな。とりあえず拾っておこう。
って、なるか!」
「名前そのまんまじゃねぇか!!」
なんの捻りもない名前に思わずツッコミを入れてしまった……さてと、それは置いておいて、唐突に物をどのように運んだ方がいいのか考えた。
なぜなら、後々拾う物が多ければ多いほど、持ちきれなくなるからだ。
「う〜ん。よし。想像者で鞄とついでにアイテムボックス作成するか。異世界に行ったら定番だもんな!」
アイテムボックスの検証は機会があれば後でやっておこう。
矢っ張り調べないと後々困るもんな〜
それに、1度アイテムボックスを触って見たかったんだよな〜
ムフフと笑った。
普通の鞄も作ったのはこれから向かう町で怪しまれないように……と、この世界がどんな感じなのかまだわからないから創った。
どんな文化なのか、どのように発展したのか、身分での違いや法律は?知らないことばかりだ。
最初は慎重に動かないとなと心の中で呟く。
目立つ行動は避けようと意気込んだ。
「そういや、この世界で黒髪黒目って大丈夫なんだろうか?」
ふと不安になった。ラノベを嗜んでいる俺は知っている。黒が禁忌の色で迫害されてしまう世界があるって事を。だから、無闇矢鱈にそのまま(警戒も何もしていない)の状態で町を闊歩するのはトラブルが発生するかもしれないと。
だから、今着ているコートに付いているフードを被って行動しなきゃなと思い、フードを被った。
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「あ、怪しい物ではございませせせん。あはは。」
俺は町の門衛に止められていた。
唐突だが俺の自己紹介をしよう。
俺の名は田中 樹。17歳でピチピチのDKだ。
ピチピチは死語だって?うるせぇ、気にすんな。今使っている言葉だって時が経てば古いとか遅れてるとか言われるのだから、大した話ではない。俺は未だ使っているし、周りもその言語のことを知っている。なにも問題はない。
まぁ話は脱線したが、俺は高校3年生の夏休みが始まってすぐに、無性にアイスを食いたくなり、暑い中買いに行ったら、その帰り道、夕焼けをバックに古びたガチャガチャを回し、家に帰って眠り、この世界へと渡ったのであった。容姿は至って普通。良くいる中肉中背で、髪と目の色は黒色。髪型は、ツンツンヘアだ。学校での生活は、親友の橘とその彼女の彩夜と3人で良く話をしていたり、遊んだりしていた。
なぜ、俺がこんな話しをしているかって?
話は2時間前に遡る。
○△□
俺は道中で様々な山の幸を手に入れやっと人が居そうな建物を遠目で確認することが出来た。
おそらく 先程看板で確認した"イニティウムの町"だろう。木材でできた門があり、槍を持った門衛がそこまで人はいなかったが、商人などが並んでいた。無論一般の田舎から出稼ぎに来ている人も見当たった。
俺はその列に並びながら街の風景を眺めていた。
眺めながら、どんな町なのかどんな生活が始まるのか胸を高めらせていた。
そして遂に俺の番がきた。
門衛が槍をクロスさせた。
俺は咄嗟に
「あ、怪しい物ではございませせせん。あはは。」
と引き攣った笑みを浮かべながらいると門衛に怪しさを募らせた。
すると門衛が
「ボウズ、この町は初めてかい?」
チャラそうな若い男が話しかけてきた。
「は、ハイ。そーデス。」
「ふっ、ハハハッ!ほら、言ったろただの世間知らずだって。」
「そんなのわからんだろう。怪しいやつを町に入れないようにするのが門衛の仕事だ。」
と左目に傷がある無口そうなダンディなおっさんがいた。この会話からして二人は年の差などお構いなしで仲が良いように見える。
「ボウズ実はな、入る前に見せるモノがあんだよ。待ってろよ。みせてやっからよ!」
そう言って門からそこまで離れていない椅子が置かれたスペースまで行き、その隅の箱の中からガザガサと音をたてて何かを探していた。
「おっ、あったあった。これこれ。」
そう言って見せてくれたのは小さなブローチのようなものだった。茶色の小さな円の形をしており、花や植物などの細かい彫刻が彫ってあった。
「これが許可証だ。これがないとスムーズにはいれないが、自分たちが住んでいるところで役所とかに行くと貰える。役所が無いところは、親とかから譲り受けたり、商人達から仕入れたりする。それでもなければ、自分の住む所より大きいところに行き、手に入れることが出来る。その場所によって入手方法は違うが、ここではさっき言ったように役所で手続きして手に入れるか、代わりに冒険者ギルドか商人ギルドで手に入れられる。」
「お〜ギルのオッサンが長文喋ってる〜
オレっちかんどう〜」
ふざけたようにチャラそうな見た目の門衛が言った。
「あ、紹介がまだだったな。オレっちはウィルバート。ウィルって呼んでくれ。」
「コッチのオッサンはギルバート。ギルってオレっちは呼んでるぜ。」
「そんで、オマエの名前は?」
「俺の名前はイツキと言います。」
「そっか、そっか。」
ウィルが樹と肩を組みながらバンバンと叩いてきた。
「じゃ、早速質問な。おまえなんで、フードを被っているんだ?」
楽しげな雰囲気から張り詰めた空気に突如変わった。肩を組んだまま身動きしようにも力が強くて動けなかった。
冷や汗がでてきた俺は必死に考えた。
━ま、まずい!しまった忘れてた!俺は未だフードを被ったままだった。どうすればいい?考えろ!
ゆっくりとウィルの手が迫り、遂にはフードを取った。その中身は─────
「な〜んだ、何もねぇ〜じゃん。フード被ってるし、全身真っ黒だしで指名手配犯かと思っちまったけど、そんな感じじゃなさそうだな!」
と最初にあった時のように爽やかな笑みをしながら言った。
答え合わせをしよう。
俺は黒髪は忌避されるかもしれないと思いフードを被ったが、それはまだ分からない。だが答えは簡単、想像者で髪の色を変えただけだ。明るめの茶髪にな。
「ふん。茶番は終わったか?」
「ちょっと〜ヒドイっすよ。ギルセンパ〜イ。もうちっとオレっちのことを心配するとかねぇんすか?」
「無駄口叩くな。次。」
「そ、そんな〜あんまりっすよ〜。あ、イツキ!またな。いい1日を!」
その声を聞いてスタスタと歩いて町に入っていった。
遠くから「うわ〜んギルがいじめた〜。ねね、オレっちに対して当たりが強くないすか?」「だまれ。」などのやり取りが聞こえた。
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「ふぅー。危なかった。」
門から遠ざかり一息ついた。
「おお〜ここが町か。」
人々が行き交う噴水の前で辺りを見渡した。
噴水の形は丸く、鳥や動物と戯れている様子の女性の像が真ん中に置かれており、噴水の下の受け皿に水が溜まっているところにきらりと光るものが見えた。その中で多いのは鈍い色をした"お金"らしきもの。町の様子は陽気で明るい笑みでみていた。人数も少なかったため、未だ空は明るい。
噴水には比較的に人通りが多く視界の両端にいくつか見た事のない布テントで出来た屋台のようなものがあった。果物や野菜、彫刻、ブレスレット、怪しげなおばあさんが売っている動く泥人形など色々なものが売っていた。
それらに気を取られ、よろ見をしながら歩いていると、女性とぶつかってしまった。
「す、すみません。」
と右手で頭をかきながら、ペコペコと頭を下げて謝った。
「っっ貴方は一体!?」
相手はいきなり凄い剣幕で詰め寄った。
は、はやい。
動きに無駄がなかった。何か武術を会得しているようだ。
「あ、あの。何か御用でしょうか?」
そこには──────────




