存在しなかった形態
「今は大丈夫ですか?」
「なんとか……」
怪人に対しては自分はあまり目を向けずに主人公とばかり戦闘している、自分はたまに必殺技を繰り出しているが簡単にいなされてしまう、流れ弾に近い攻撃を回避または受け流している、はっきり言って今の自分は完全にお荷物になっている。
そんな中にあのよく分からない人の妻であるサヨさんが誰にも気が付かれる事無く接近してきた。
「というかどうやって接近したんですか」
「それは秘密です、あとコレ使ってくださいな」
「あぁ、ありがとう」
受け取ったのは見た事がない形をしているがコレがベルトに対応しているサイズだという事だけはわかった、あの人達がわざわざ探してくれたのだろうか、とりあえずコレがあれば何かしらの強化はできるだろう、弱体化する可能性の少なからずあるのだが今はコレに賭けるしかない、自分は迷うことなくそのアイテムを装着する。
「変身!」
既に変身しているが気持ちを入れ替えるために叫ぶ、サヨさんは既に退避したようで近くにいない、そして自分が大声を出したおかげで戦っていた2人もこちらに注意を向けてくれた。
ベルトから前世も含めて聞いた事ない音が発せられ、大きな光が発せられた。
音と光が収まると体が軽くなった気がした、周囲が瓦礫しかないため自分の顔は見れないが手足などが見た事ない姿に変化しているので新しい形態に変身できたのだろう。
「なんだその姿は?!」
主人公に指摘されたがそれは自分も知りたいと抗議するために体の向きを変えると腰に違和感があり、良く見てみると腰の後ろに何かがくっついており、取ってみるとなんとなく使い方が分かり、とりあえず銃と剣の一体となった武器のようだ、これで戦えるようになっただろうかいや、やってやるんだ。
武器を構えて射撃しながら怪人の元に向かう、走りながらなので当たらないと思っていたが頭と胸部にしっかりと集中しており、この形態の命中率はかなり高いようだ。
武器を剣の状態に変形させて怪人に切りかかる、主人公の攻撃は受けとめたり受け流していたのだが自分の攻撃は大げさに回避していた、どうやらこの形態はとても強いようだ。
これなら怪人を倒せるし最後まで戦い続ける事もできそうだ。
「合わせてやる、さっさと倒すぞ」
主人公が敵を拘束できる形態に変身して怪人の動きを止める、そのお蔭でもっている武器の隙が大きい攻撃が繰り出せそうだ。
変身アイテムに装着したパワーアップアイテムの一部を取り外して武器に差し込む、すると武器と変身アイテムがケーブルで接続された状態になり、再び変身アイテムから高音が鳴り響き武器にエネルギーが供給され、武器の姿が変化していき大砲のような見た目になった。
「いっけぇぇええ!!」
トリガーを引くと轟音と共に光が打ち出されて怪人を飲み込む、光が収まると目の前には攻撃後の大きな穴が広がっていただけだった。
「いや強すぎでしょ……」




