第十一章 超天才の集合体! その1
姫の力は偉大だ。
俺たちは甘いマカロンと渋いダージリンに癒されて、非常に落ち着いた雰囲気に包まれていた。
モトミは丁寧かつ上品な振る舞いで、マカロンの箱やティーカップを片付けている。
キリカもそれを手伝う。
ヒメカは最後に残ったマカロンを遠慮なしに掴み取ると、ソファーに転がるように座って美味しそうに頬張る。
そんな様子を男三人が黙って見つめている。
あっ、一人忘れていた。
本来主役であるはずの大魔王だ。
一体どこにいるんだ? ん? ね、寝てる……。
完全に気配を消して寝てやがるぜ。
しかし、俺には大きな疑問があるのだ。
本城モトミは俺たちの計画に参加するつもりなのだろうか? キリカから内容は聞いているはずだ。
スカートめくりの事も、そして本物の下着着用ということも……。
うっ、試験飛行の疲れも吹き飛ぶほどの衝撃が俺の下半身に走る……。
ま、まさか本城モトミがメクリー&マクリーに仲間入りなのか? それを確認しなくては。
し、しかしキリカには俺の脳みその中まで見透かされそうだ。
うーん、どうしよう? と悩んでいると、キリカがそんな俺の頭の中を覗いたかのように話始めた。
「彼女、本城モトミって言うの。もちろん、知ってるわよね? ヒデヨ君」
「えっ? し、知ってますよ。学校じゃあ有名人ですしね……」
ヒデヨはオドオドした感じで答える。
ヒデヨはキリカのことが怖いのだろうか?
「もちろん、アンタも知ってるわよね? エロ大王くん?」
この女、俺のお姫様の前で何と言う呼び方を……。
ここは冷静さを装わなければ。
「し、知ってるさ。同じクラスだもん。で、何だよ? エロ大王って、ははっ」
「念力大魔王にエロ大王、いい組み合わせじゃない?」
くっ、くそう……。
誰が上手いこと言えって言ったんだ? 俺の彼女候補が困惑顔じゃねえかよ……。
「お、男なんて皆エロだぜ。エロくない男なんていねえよ。なあ? ノブヲ」
「えっ? あ、ああ、もちろんだよ。男はエロいよな……、ははは」
ノブヲの野郎、モトミの前であがってやがる。
確かに、このお姫様の前では俺らのペースも狂ってしまう感じだ。
「まあ、いいわ。男なんて所詮、そんなもんよ。ねえ? モトミ」
「うーん、私には分からないわ、キリカ……」
少し頬を紅くして恥ずかしがるモトミを見て、キリカはニヤっと笑うと、
「アンタたち、このセクシーなお姉さんが今回の作戦に協力してくれるってよ!」
ビックサプライズである。
俺は今日を記念日として制定したい。
もちろん、念力大魔界のヒーローになってからの話だけど。
しかし、キリカとモトミはどんな接点があるんだ?
「ってかさ、キリとモトミちゃんって知り合いなわけ?」
俺の聞きたいことをストレートに聞いてくれる友達が隣にいたことを忘れていた。
「モトミとは小学校の頃から塾が一緒なのよ。ヒメカとも仲がいいんだから」
「そ、そうなのかぁ。それは知らなかったなぁ」
ノブヲは会話を組み立てられないでいる。
そのため十数秒の沈黙があたりを包んだ。
しかし、そんな空気を素早く呼んだヒデヨが話を繋げる。
「なるほど、そ、そうだったんですね……。では、何でモトミさんは今回の作戦に参加しようと思ったんですか?」
ヒデヨはお姫様相手でも尋問のように問いかける。
「えっ、そ、それは……」
突然話を振られてモトミは困惑している。
「ホント、男って馬鹿ねぇ。物事には順番ってモノがあるでしょ? ヒデヨ君、少しは勉強以外にも学ばなくてはダメよ」
「えっ? す、すみませんでした……」
しかし上から目線の女だぜ。
超天才のヒデヨにも説教とは……。
お前はどんだけ偉いんだ? ヒデヨやヒメカよりも頭がいいのかっ! ってんだ。
「ヒメカもよ。そこそこ勉強ができるからって、人間性を磨かないと、世間では通用しないわよ」
「はぁーい! お姉ちゃん、厳しいなぁ、もうっ」
ん? そこそこ勉強ができる? どういう意味だ、それ?
「お、おいおい、キリカぁ。そこそこ勉強がって言っったって、この二人は超天才だぜ。世界の有名大学からもお誘いがあるんだからさぁ」
「えっ? マコト、何言ってるの? この二人に勉強教えてるの、アタシだよ」
「えっ? ハッ?」
俺の口も開いているが、ノブヲの口も開いたままだ。
一体どういうことだ?
「あっ、マコト、本当に知らないんだ? 何も話してないの? ヒデヨ君?」
「えっ……、えっ、ま、まあ……」
ヒデヨが口篭る。
俺やノブヲの知らないところで、キリカとヒメカ、そしてヒデヨが繋がっていたなんて……。
今日はサプライズが多すぎる。
サプライズの宝石箱やぁ~。
ってか、キリカから聞いた話は本当に衝撃だった。




