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子役もかなり、大変です。  作者: ほっかいろ
第一章~子役、始めました!~
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37、クランクアップパーティー

遅くなりましたが、五月分です!

「凜々花!凄い反響だったわよ。ドラマ!」


 アラーム代わりに私を起こしたのは、お母さんの歓声だった。


 「え、ドラマ?」


 まだぼやッとした頭で、お母さんの言葉の意味を考える。


 「あ、ドラマ、放送されたんだった!え、それでどうだったの!?」

 

 ドラマの事が頭に浮かんだとたん、パッと気分が上がった。どういう反響だったんだろう?もしかしたら、オファーとかきたりして。でへへ。あ、駄目だ。直ぐ調子に乗る癖がまた出た…直さないとな。


 「それがね、ドラマの名前を検索したら、『この手をいつまでも 子役』ってでてくるのよ!それでそれで、それ検索してみたら、記事になってるし、SNSでのつぶやきも一杯出て来たの!」


 お母さんは顔を赤くしながら説明してくれた。なんか嬉しいんだけど、お母さんの迫力が凄い。若干引きつつ、話を聞いた。


 「私も凄いと思ったもの。本当凜々花は天才だわ!」

 「あはは、ありがとう。そんなに評判良かったんだ!嬉しい!」


 これは私の本心だ。なんかもう本当に踊りだしたいくらい嬉しくて胸がはちきれそうだった。凄い頑張った結果が出ることほど嬉しい事はない。


 それに…

 これで加賀先生にも気づいてもらえるかもしれない。


 「とりあえず、朝ご飯食べましょ。」


 その日は、お父さんにもお母さんにもべた褒めされながら過ごした。羽田さんや先生、小雪ちゃんと華憐ちゃんからもお祝いのメールや電話が届いた。夕ご飯はご馳走ばかりだったし、記念と言って、おもちゃのプレゼントまで貰った。










 幸せな一日はあっという間に過ぎ、次の日には、私の生活はドラマ撮影前と変わらないものになっていた。











 「凜々花、起きて!今日はとびっきりお洒落して行くから、早くしないと!」

 

 その日、お母さんのその声で起きると、直ぐに、なぜとびっきりお洒落しなければいけないのか思い出した。


 「あ、クランクアップ!」


 そう、今日はクランクアップパーティーの日だった。


 「じゃあ、まず髪を綺麗に梳かして。あの、髪を艶々にするオイルもちゃんと付けるのよ。」

 「うん!」


 こうして、羽田さんと買いに行ったときに買った、本当に大切な事があるときに着る用の服を着て、髪型もお母さんの好きなようにセットしてもらった。ふんわりひらひらした白いワンピースと、カーブを入れてフワッとさせた髪にリボンが付いたカチューシャをつけると、羽田さんが昨日お母さんにすごい詳しく説明していたコーデが完成する。因みに芸能活動をする上でそこまで大切というわけではないけど、羽田さんが個人的にこだわりがあるらしい…。まあ、せっかく可愛く生まれてこれたんだから、前世の分までお洒落を楽しめばいいよね?あ、また自分の顔に調子乗っちゃった…。てへぺろ。


 「にしてもまた莉緒さんとか実さんに会えるのか~。あと裕介さんにも!」

 「そうね、楽しみだわぁ、特にゆうゆうにあいt…なんでもないわ。」

 「え、ゆうゆうって裕介さんの事!?え、お母さんってファンだったの?え?」

 「まあね。別に熱狂的ってわけじゃないけどね。」

 「へぇ、アイドル好きとか意外~。」


 そんな事を話しながらクランクアップが行われる会場へと向かった。会場はどこかの施設の一室で、かなり大きかった。100人程来るからまあこのくらいが普通なのかもしれないけど。


 「なんかクランクアップって撮影現場でやる物だと思ってたわ。」

 「そうだよね。私もそういうイメージだった。」


 会場には、沢山のスタッフさんが集まっていたが、その中でも役者さん達が集まってる群衆があった。私も他のスタッフさんに挨拶しながらその群衆に近づいた。


 「莉緒さーん!お久しぶりです!」

 「あ、凜々ちゃん久しぶり!といっても一週間振りだけどね。」

 「あ、凜々ちゃん久しぶり~」

 「監督もお久しぶりです!」

 

 少し雑談していると、見覚えのある声がした。


 「凜々ちゃん!」


 なんと、声の主は芳樹君だった。


 「え、芳樹君何でいるの!?出演してたっけ!?」

 「うーん、分からないかもしれないけど、このシーンで出てたんだよ。」


 監督さんがそう言いながら台本の一部を指で指した。そのシーンは、小学校のシーンの一部で、茂樹君は、隣のクラスの男の子の役だった。


 「え?そうだったんですか!?」

 「うん、かなりエキストラ的な感じで募集賭けたようと思ったんだけどね、凄い演技が上手くて、もうちょっと台詞足したんだよね。だから、将来の期待をかけて、クランプアップに呼んだんだ。」

 「え~、芳樹君凄いね!」

 「あれ?凜々花ちゃんの方が少しお姉さんなのかな?」

 「え?いや、あの、同い年なんですけど、」


 ヤバ、自分の年齢忘れてたわ。


 「でも、芳樹君同じ事務所なのに、あんまり接点が無いので、なんか、お互いの歳を忘れかけてました。アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \。」

 「へぇ、そういえば同じ事務所だったよねぇ。それにしてもグランディールアカデミーは凄いねぇ。」

 「そうですね~。」


 とりあえず笑って誤魔化しておくことにした。というような感じで監督と、茂樹くんと、事務所の教育方針について話すというか私と芳樹君が監督に説明していると、白いテーブルクロス掛かった長テーブルに料理が運ばれて来た。


 「うわあぁ、美味しそーう!」


 その料理に一番先に食いついたのが莉緒さんだったのは意外だったが、確かには運ばれてくる料理は全て、綺麗で美味しそうだった。


 「芳樹!」

 「お兄ちゃん。」

 「和樹さん、こんにちは。」

 「あ、凜々花ちゃん!久しぶりだねぇ。っていうか、凄いよ!大きい役貰って。」

 「ありがとうございます。じゃあちょっと、私もお母さん探して来ますね。一緒にご飯食べたいので…。」

 「うん、またね。」


 というような流れで、芳樹君と別れてお母さんを探しに行った。ご飯食べる時に戻ってきてね、って言われたけど…、あれ?お母さん居なくない?さっきお母さんと別れた場所をもう一度、ぐるりと見渡した。やっぱり、いない…。まあいいや。とりあえず会場探すか、そう思って歩き始めると、沢山の料理が目に移った。でも、私が目を離せなくなったのは料理では無かった。


 「うわぁ…。」


 四角くカットされた色々な味のケーキ、中世の貴族なんかがお茶会で食べてそうなクッキー、小さなシュークリームや、チョコフォンデュ。会場をぐるりと歩くと分かるんだけど、デザートの数が凄く多かった。2つ長テーブルのうち、1つは丸々デザートに使われているぐらいなので、すごく品数が多いし、美味しそうだった。


 「ちょっとぐらい、先に食べてても、良いよね?」


 小さくそう呟いた。うん、いいよ!ちょっとでしょ?ちょっとだけなら、ねぇ?先に居なくなったのお母さんだし、食べながら探せば良いよね!?良いよ!という事で、とりあえずケーキとチョコフォンデュをお皿に盛った。食べ歩きは下品かもしれないけど、でも、ほら、監督さんと莉緒さんだって、立ったまま、ピザ食べながら話してるじゃないですか?別に良いよね?因みに食べる為のテーブルとイスも用意されているけど、私はまだ体が5歳なので、座った状態だとお母さんを探しにくいから、チョコフォンデュしたマシュマロでもつまみながら会場の中を歩いてお母さんを探すことにした。


 マシュマロのチョコフォンデュも食べ終わり、マシュマロとチョコは流石に甘すぎたな~、と思いつつでもなんかお洒落な食べチョコフォンデュを食べたことに喜びながら、次はいちごにチョコフォンデュした串を手に持った瞬間、見覚えのあるドレスの裾が見えた。


 「あ、お母さん!」

 

 そう言って、まだ私の事に気が付いていないお母さんを小走りで追いかけた。もう少しでお母さんに手が届く、という瞬間、私は体のバランスを崩した。


 グチャッ


 「あっ。」


 お母さんが振り返った。


 「ぎゃあぁぁぁぁ!!!」


 そんな、お母さんの悲鳴が、会場にい響き渡ったのも、私の超お高級子供服と、お母さんのお気に入りのドレスに、チョコフォンデュとケーキの生クリームが付いたからだろう。


 令和始まりますね!最近この話題しか聞きませんでした…。にしてもすごい違和感無いですね、この響き。昭和に似てるからかな?これで私も平成産まれのBBAとか言われるのかな。。。

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