35、バラエティ番組
遅くなりましたが、1800pt分です!書きたい事が多かったので長目です。
「凜々花、羽田さん来たわよ。」
その声で、急いでお皿をシンクに下げると、玄関を出た。ここからテレビ局まで車で二十分。着いたら集合時間まで二十分も余る。けど、先生はその位早く行った方がいいと言っていたし、絶対に遅刻したくないのだ。ということで、ちょっと急ぎつつ靴を履き、家を出た。
「なんか疲れてる?この前のロケ撮影で疲れ溜まっちゃった?」
羽田さんとエレベーターで駐車場に降りてる時に、そう訊かれた。
「ロケ撮影は普通に楽しかったですよ。でも、なんかちょっと緊張して…。」
そう、一昨日まで私はロケ撮影に行ってきた。意外と時間が残って観光もできたので私的には凄い楽しかった。
「やっぱりバラエティは初めてだものね。」
そう、今日は『この手をいつまでも』の宣伝、PRの為にバラエティ番組に出演する。宣伝するために、といっても最後にお知らせを挟むだけだが。
「おはようございます!」
『「この手をいつまでも」さん』と書いてあるタグが入った楽屋に入ると、もうすでに莉緒さんと裕介さんが楽屋にいた。今日はこの3人で出ることになってる。莉緒さんと裕介さんと共演のバラエティー番組の出演予定はこの他にも4つあったはずだ。後は私単独のが1つだ。公開後に反響があったら増えるかもしれない、と羽田さんが言っていたが、取り合えず公開前はこんな感じだ。それ以外にも宣伝用の撮影もあるらしいけど、まだ詳しい話は聞いてない。
「おはよう。」
裕介さんがにこりと笑いながら言った。もう、本当にこんなに歯が真っ白で輝いてる人初めて。
「あ、凜々ちゃんおはよう!台本ちゃんと覚えた~?」
「はい!多分覚えました。」
だいぶ前に羽田さんに貰った台本には、ざっくりと大まかな流れが書いてあるだけで、そこまで覚えることも無かったけど。でも他の番組では、誰がリアクションする、誰があーする、と、細かいことまで書いてあるものもあった。
「でも私はインタビューで面白い事書けたかの方が不安です。」
「ああ、まあ凜々ちゃんは子役だから別に面白い事書かなくていいんじゃない?」
「あはは、そうかもしれませんね。」
そう、実は台本と一緒にインタビューの紙、というようなものが渡された。それは単にこの番組が芸能人についての事を紹介しながら話を進めるからではなく、他の番組でもあった。確かにバラエティー番組を見ていると、○○さんは先月大けがしたらしいですね、みたいな振りを聞くので、こういうインタビュー用紙から持ってきてるのだろう。
そんな風に雑談をしていると、メイクさんに呼ばれメイク室に連れていかれた。私はメイクはしなかったけど、髪をセットしてもらった。ふんわりポニーテールに、ちょっと横から髪を出して、最後に、大き目シュシュをつけてもらった。あと、メイクじゃないけど、顔がテカらないように、なんかクリームみたいなのも塗ってもらった。髪に塗ってもらったオイルがフワッといい香りがして、テンション上がりつつ、髪型崩さないように、じっと化粧室の椅子の上に座っていた。というのも、莉緒さんとかはがっつり化粧するからリハーサルまで時間がかなり余っているのだ。ということで、他のバラエティ番組の台本を読んでいた。
「リハーサル始まりまーす。」
その声で顔を上げると、莉緒さんのメイクも終わっていて、二人でメイク室から出た。スタジオまでの道、私はずっとスイッチの事を考えていた。バラエティ番組でも本番にいきなりスイッチが入るのかどうかっていう事なんだけど、スイッチが入ることも予測して、まあまあ純粋なキャラのイメージを頭の中に入れておいた。けど、バラエティでアドリブは出来ないからなぁ。まあ、でも多分8割の確率でスイッチは入らないっていうか、存在しないと思う。何かの「役」を演じてないしね。
「どうしたの?もしかして緊張してる?」
その声で振り向くと、羽田さんがペットボトルの麦茶を片手に持ちつつ後ろから歩いてきていた。
「まぁ、緊張してますよ。」
そんな話をしながらセットにがある撮影部屋まで向かった。
「うわあ。」
この番組は夜に放送されるもので、私もよく見るので、本物のセットに興奮している。思ったより小さい気がする。
「凜々ちゃん、裕介、挨拶済ませた?済まてないなら一緒に行こう。」
「俺まだ。」
「私も!緊張するな…。」
「あなたねえ、私と会った時は全く緊張してなかったのに、吉田さんなら緊張するの?」
「そりゃ吉田さんみたいな大物の中の大物の芸能人だったら緊張しますよ!」
吉田さんとは、もともとお笑い芸人として活躍していた人で、今は人気バラエティ番組での司会として活躍している、超有名芸能人だ。芸能界のドンと言われ、今では多々のレギュラー番組を持ち、尊敬されている。という事で、なんとなく緊張した空気で挨拶しに行った。
休憩所でお茶を飲んでいる吉田さんは、テレビで見る通りで、現実味が湧かなかった。
「今日はよろしくお願いします。」
「「お願いします。」」
莉緒さんに続き、私と裕介さんも挨拶した。
「うん、宜しくお願い致します。凜々ちゃん、今期待の子役なんだって?どうだった?莉緒ちゃん?噂通り演技が滅茶苦茶上手い子なの?」
「えぇ、私も圧倒されちゃいました。」
「え?そんな事ないですよ?」
私こういう風に誰かに褒められるの苦手なんだよね。『え?謙遜した方がいいのかな!?それとも素直にありがとうございますでいいのかな!?っていうかそういうノリで言ってるの?それとも本当にそう思ってるの!!!!?????』と頭のなかであれこれ考えてしまい、なんか、会話が続かなくなる。
「凜々ちゃん今日はいつもみたいにツンツンしてなくて可愛いわね。」
莉緒さんが悪戯っぽく笑いながらそう言った。ドラマの撮影の時よりもかなりがっつりキラッキラのメイクをしてるせいか、目力が凄かった。
「そ、そんなにいっつもツンツンしてないじゃないですか。」
「え~?してるじゃん。」
まあ、こんな感じで3人で話していたら、いよいよリハーサル直前の呼び込みが掛かった。
「じゃあ、撮影でもよろしくお願いします。」
「うん。よろしくね。」
この会話でそれぞれスタンバイして、リハーサルを始めた。因みに、私と莉緒さんと吉田さんが話してる間に、裕介さんは空気状態だった。
「本番始めまーす。3、2、」
その声で、立ち位置に着いた。大丈夫だ、リハーサルでもちゃんとできたんだから…、そう頭の中で繰り返した。
「はい、じゃあ今日も始まりました!今日は、ゲストさんがいっらしゃるんですよね…。」
吉田のその声で、撮影が始まったのが分かった。むねが高鳴る。
「こちらの方々です!」
その声で、目の前のカーテンが開いた。ペコペコしながら前へ出る。
「まず、花坂 莉緒さん!」
吉田さんがそういうと、莉緒さんが笑顔でペコリとお辞儀をした。観覧席からも「キャー!」という声が飛び交った。
「そして、場緒 凜々ちゃん!」
私も笑顔でお辞儀をした。
「最後は、裕山 裕介さん!」
裕介さんもお辞儀して、にっこりと笑った。流石アイドル。歓声もかなり大きかった。特に黄色い声が。
「ということで、今回は、ドラマ、『この手をいつまでも』の皆さんにお越しいただきました!」
莉緒さん、裕介さんに続き、ゲスト用の椅子に座る。すると、自然にボードが出て来た。ボードには、縦向きに私達3人の顔と、横向きに趣味や芸能界に入ったきっかけ等々、アンケートされたことが図にされていて、めくりが付いていた。テレビの外側で何回も見たことがあるボードに感動している間にも、話が進んでいく。
「凜々ちゃんは今回が初登場だね。どう?緊張してる?」
「はい。このボードとかテレビで見たことしかないから感動してます!」
「あー、そっかそっか。初々しいね~。」
「あはは。」
うわああ、緊張する。台詞が無いから尚更無理。やっぱり私ってバラエティーに向いてないよ。
「はい、では早速ボードの方に移っていきましょう。」
吉田さんの一言で、スタッフさんがボードを見えやすい位置に移した。
「さあ、まず凜々ちゃんが何故芸能界に入ったのか、」
めくり紙をひらりとめくると、「加賀 雪美さんに憧れたから。」と文字が出て来た。
「おお、凛々ちゃん、加賀 雪美さん知ってるの?」
「はい。」
もう嫌というほどレッスン受けてきたのでね。
「へぇ、懐かしいねぇ。そういえば、今回のドラマも、加賀さんに影響されてオーディション受けたの?」
「う~ん、オーディション受けたのは、先生が勧めてくれたからなんですけど、加賀 雪美さんが演じていた役だと知って、もっと頑張ることができました。」
「へぇ、それにしても、良く加賀 雪美さんなんて知ってるねぇ。」
「はい、私の演技の先生の、お友達なんです。」
「え?そうだったの?凄いね。」
「ありがとうございます。」
「そう言われてみれば、昔の雪美ちゃんに、オーラ似てるような気がするねぇ。加賀さんも数年前に引退したことだし、正に、『第2の加賀 雪美』っていう感じだね。」
「あはは、嬉しいです。」
吉田さんの、リハーサルでは無かった発言に戸惑いつつもそう答えた。『第2の加賀 雪美』かぁ…、そうなれたら嬉しいなぁ…。
「はい、オッケーです。」
「凜々ちゃんお疲れ!」
「お疲れ様です!莉緒さん。」
「おぉ、なんでそんなにテンション高いの?」
「え?なんか、上手くいったからですよ?」
そう、上手く行った。撮影中ずっと、スイッチは入らなかったのだ。
「へぇ、じゃあ、私は次仕事入ってるからそろそろ行くわね。」
「はい。お疲れさまでした。」
こうして、初めてのバラエティ番組の撮影が終わった、
リニューアル、っていうかもっと文章とかを読みやすく、矛盾してるとこ等を編集するのなんですけど、一話までしか進んでない、いや、もはや進んだという単語を使ってはいけない気がする…。ところで、春休みとか、連休って、時間が有り余っているからか、逆に勉強とか、習い事とか手が付かなくなりませんか?私は、『春休みだし、全部サボってダラダラしよーう。』と思ってダラダラしていたら、学校が始まってから凄い時間が無くなって、あの時ちょっとでも勉強したり小説書いとけばよかった…、と思ってます。




