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子役もかなり、大変です。  作者: ほっかいろ
第一章~子役、始めました!~
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27、見覚えしかない人

 さあ、皆さん、今年もバレンタインの季節ですね!私は本命をあげたことがないんですよ。そもそも男子には渡さない人です。(従兄弟になら、、、。)じゃ、今年もリア充たちを横目に、友チョコ作りに励みます。

 「凜々ちゃん!」

 「ん?あ、華憐ちゃん。」

 「どうしたの?元気ないね?」

 「ちょっとね。。」

 「大丈夫?先生に怒られたの?」


 そう言って顔を覗き込んでくる華憐ちゃんの姿は天使のようだ。くっきりとした目はちょっと怖い印象を与えられるけど、心配そうにのぞき込んでる目にはやさしさを感じる。因みに、今は礼儀作法のレッスンで、さっきの虐待シーンマジで無理だな、って考えてた。


 「えっとね、」


 バックの中を探って、台本を取り出す。


 「此処、この部分、恥ずかしくて、演技出来ないの。」 

 「え、凜々ちゃんが恥ずかしいだなんて珍しいね。。。」


 そう言って真剣な顔で台本に目を通し始めた。子役が字も読めるように教えてくれるんだから、やっぱりこの事務所凄いな~、と思いながら見ていると、華憐ちゃんが口を開いた。

 

 「でもさ、凜々ちゃんいってもこのぐらい、恥ずかしい演技普通にやってるじゃん。」

 

 華憐ちゃんと合同レッスンがあった時、こういう台本があったんだけど、私はごく普通にそれをやった。上辺の演技で。いや、別にいっつも感情込めてやってるわけじゃない。特に合同レッスンで凄く感情を込めるのは恥ずかしいから、恥ずかしいライン以下の演技(例:笑う演技、心配する演技、からかう演技 例外:だだをこねる演技、ブチ切れる演技 等)をしている。


他の子が本気で頑張ってるのに、お前だけ調子こいてるんじゃねえよと思うかもしれない。私もそう思う。が、前世で演技を見せたことがあるのは加賀先生くらいで、合同レッスンという、大勢でのレッスンでは、いくら相手が子供でも、演技に見が入らない。まあ、これでも映画撮影前よりはかなり良くなったほうだ。


 「まあ、そうなんだけどね。。やっぱりちょっと恥ずかしくて。そういえば、華憐ちゃんも、なんか役決まったんでしょ?もう台本貰った?」

 「うん!見てみて!」


 そう言って、プリティア(プリ〇キュア)のビニールバックからタオルを引っ張り出して、水筒を出して、ぐちゃぐちゃになった台本を出した。


 「これ!」

 

 この無邪気さは、いくら感情込めても演技出来ないんだよね。(かなり生まれたばっかりの時に、赤ちゃんを演出しようとして気づいた。)


 「どんぐりの実?」

 「うん、あのね、どんぐりの里っていう、児童クラブ?の話なの。」

 「ふーん。」


 ざっと読んでいくと、主人公は新しく施設に入ってきた人で、それぞれ、問題を抱えた子供と向き合っていく、っていう話だ。それで、華憐ちゃんの役は!!!


 「凄いよ華憐ちゃん!めっちゃ大きい役じゃん!!」

 「ウフフ、ありがとう。でも、沙耶役の子と気まずくなりそうで怖いんだ。それに、あ!そうだ!今度お泊りするついでに、演技教えてよ!こういう役、どうすれば良いのか、わかんなくて。」

 「あ!いいね!!」


 お泊りと言うのは、お母さんが華憐ちゃんのお母さんと会った時に、華憐ちゃんのお母さんを誘って、華憐ちゃんのお母さんも、乗り気だったので、来週ぐらいにする予定だ。かなり前から話し合っていたけど、予定が重なって、ずるずると引き延ばしていたのだ。


 「楽しみだな~。いっぱい遊ぼうね!」

 「うん!」

 「あ、あのさ、凜々ちゃん、何して遊びたい?お母さんが聞いておけって。」


 そう、今回のお泊りは、華憐ちゃんの家でやることになったのだ。


 「え?うーんとね、じゃあ、お菓子作りたい!」

 「お菓子…?分かった!じゃ」

  ブー、ブー、ブー、ブー

 「あ、お母さん来たみたい!じゃあ、バイバイ、凜々ちゃん!」

 「うん。またね。」


 時計を見ると、1時37分だった。レッスンは1時30分に終わるのだけど、お母さんはいつも40分ぐらいに着くので、こうしていつも華憐ちゃんとおしゃべりしている。じゃあ私ももうそろそろ出口の近くで待ってようかな。外は寒いけど、出口の近くは寒くない。田舎の学校は酷かった。ドア付近はかなり広範囲が寒かったので、上履き変える時にトロイ奴がいると、皆イライラして、押し合いになっていた。それに比べて、ここは凄い。ソファーにゆったりと埋もれてぬくぬく待っていられる。時代だねぇ。


 「もう40分か。今日は遅いなあ。」


 お母さんはドジだけど、時間はきっちり守る人なのに。どうしたんだろう。

 少し外に出てみるが、やはりお母さんの車は見当たらない。

 早く来ないかな。寒いんだけど。

 そう考えながら、傍のベンチに腰掛けた。ベンチもひんやりとしていて、風も吹きつけてくる。やっぱり中に入ろうと、立ち上がった瞬間、道路の方から車の音が聞こえた。振り返ってみると、お母さんの白い軽自動車ではなく、黒い、高級感のある車だった。



  心臓が、ドクンと波打つ。まさか、でも、そのまさかかもしれない。


「あれ、これって。」


かすれた声が喉の奥から無意識のまま出てくる。

 周りの音が全て消えたような感じがした。ただただ車から出てくる人物を、目を凝らして見つめた。

 運転席から白髪の男の人が出ててきた。

  松山さん?なら、だとしたら、

 そして、助手席から出て来たその人は、まさに、見覚えしかない人だった。

 

 「加賀先生!」


 はあ、ではいつものごとく愚痴ります。はい、じゃあ今回のタイトル「298の呪い」いや、全く怖いとかじゃ無いんですよ!?前、300pt記念に投稿したじゃないですか?次の日に298に減ってました。、、、、。、、、、、、。まあ、今303なんですけどね!はい。以上。

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