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子役もかなり、大変です。  作者: ほっかいろ
第一章~子役、始めました!~
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2、誕生日のプレゼント

 本題に入っていきます!

 皆さんお久しぶりです!

 だいぶ時が飛んで、ただいま四歳の誕生日二日前。


 「「誕生日おめでとう!凜々花!」」


 今日は誕生日会。上機嫌の馬美緒 凜々花です。


 今は大体四歳で、進路と言ったら大袈裟だけど、将来の事について考えていた。

 天才にはなりたくないけどまあまあ頭いい感じになりたかったから、今は、「りりちゃんね、ひらがなよめるよお!」なーんて言ってる。

 「りりちゃん」っていうのは、前世で妹がそういう風に言ってたから言ってみた。でも親には「凜々花」ってよばれてるよ。

 ちなみにここは東京で、前世では田舎産まれ田舎育ちの私には色々なことが新鮮に見えた。


 「ふーして、ふー!」


 お母さんがなぜかうきうきしてる。


 「ふーーーーーーーーーー。」


 思いっきり息を吹きかけてロウソクの火を消した。


 「「おめでとーう!」」


 三人だけなのに、この両親といるとすごい賑やかにかんじる。

 前世の親にはなかったものだった。

 ケーキが切り分けられる。

 ショートケーキを一口ぱくり。うん、おいしい。最近生クリームのおいしさにはまっている田舎者です。(都会に住んでみると自分が田舎者だと気づいた)

 それを見計らったかのように、お父さんが話しかけた。


 「今年のプレゼントは、何がいい?」


 この家では、パーティーの時にプレゼントを渡すのではなく、パーティーの時にプレゼントを決め、当日に渡すらしい。

 お母さんの誕生日の当日は、平日にも関わらず、お高いワインと大人の顔二つ分ほどのバラの花を買ってきて、夜まで飲んでいた。

 で、次の日はもう、でっれでれ。お父さんは会社を休んでいた。


 ちなみに私の希望で幼稚園は行っていない。

 お母さんが専業主婦なので、家で、ちょっとした子供らしさを演出しながらも大人しくしている。

 それはさておき、プレゼントだ。これは、もう前からずうっと決めていた。はじめは五歳から、と思っていたけど、テレビで三才の子役とかが活躍しているのを見ていると、いてもたってもいられなくなった。


 ということで、誕生日という日を存分に活用したいと思います。


 「子役事務所のオーディションに連れて行って!」












 で、只今、オーディション会場です!いや~、頑張ったわ。両親共々え?子役?って感じで、他の習い事を勧めてきたから、「テレビで、子役は頭良いって言ってたよ!」とか、「子役になったら記憶力がつくんだって!」とか言って、説得した。


ちなみに、両親は、芸能界に抵抗があるらしい。直接言われたわけじゃないけど、話しているうちに伝わってきた。


それでも、私が、「頑張るから!」と言うと、両親も、「そんなにやりたいなら…。」と、了承してくれた。いや~、親って案外ちょr…。ゴホン、いや、別に、この両親なら、これから泣き落としとか使えそうだな、ってちょっと考えたりしたことなんて無いですよ?


 

 オーディション会場は子供だらけなのに、怖いくらい静かだった。母親達は凄い形相で待っていて、子供は母親の雰囲気に呑まれて静かに座っている。まだ五歳とか小学校とかの子供だよ?凄すぎる。私がこの年の頃はこんなじっとしていられなかったのになぁ。

 この空気に、私もお母さんも呑み込まれ、緊張感がより高まった。番号がどんどん私の番号に近づいていく。近くなる度にドキッとする。


 「三十二番さん………」


 胸が激しく鳴った。私だ……。このオーディションでのモットーは、「謙虚に、子供らしく」だ。「別に、余裕笑」とか思いながら、緊張感0だったら、性格問題あり、とか思われそうだし、子供の役を演じるための子役だ。精神年齢十八歳の演技をすれば、無能だと思われるかもしれない。だから、今回は、謙虚に、子供らしく振る舞うことに決めたのだ。


 「はい」


 心の中で繰り返す。

謙虚に、子供らしく、謙虚に、子供らしく……。でも演技は頑張れ、私。


 「ガチャっ」


 ドアが開いた。

 うずら卵の煮つけオジサンと(頭の話です。)、モヤシの眼鏡オジサンと、綺麗なお姉さん。どうしてこんな組み合わせになったんだろう?なんかオジサン軽く3日はお風呂入ってなさそうだな……。あ、こ、子供らしく……謙虚に……。。。


 「えーっと、馬美緒 凜々花ちゃん?」

 「はい!」

 「そこに座ってね」


 お姉さんが指さす椅子に座る前に、


 「よろしくお願いします。」


 お母さんがしろと言った挨拶をきちんと済ませて、椅子に座る。


 「自己紹介の後、得意な演技をしてください。」


 今度は、うずら卵の煮つけが言った。いや~よく光ってるね。なんかつけてるんじゃないかってぐらいテッカテカ。

 自己紹介とか、得意とか知ってんのかよ、今時の四歳は。

 って思ったけど、まあ、オーディションですしね。……、そうだ、謙虚に振る舞うんだった。


 「馬美緒 凜々花です!四歳です!得意な演技は、笑う演技です!(前世から得意)やります!」


 はい、ビックリマークいっぱいの、元気いっぱいな子ですね!

 泣く演技でも良かったけど、得意じゃないから。


 さあ、まずは設定だ。

 前世ではいっつも言われてた。「まずは設定を考えて、それに気持ちを加えていきなさいって」って。

 ということで、設定だ。

 設定は、一番むずかしい、大笑いにしよっかな。

 大笑いを自然に見せるのは、ただ涙を流すより難しい。


 正直自信ないけど、前世では恥ずかしがり屋過ぎて色々チャンスを失ってたから、小さいころから根性を鍛えなきゃな。


 設定は、落ち込んでいた時に変顔を見せられて、吹き出して笑っちゃう、という事にしよう。


 設定を考えると、落ち込んだ表情を作る。審査員が少し戸惑っているのを感じた。そりゃ笑う演技と言ってこんな表情したら戸惑うのも当たり前だろう。

 思わず漏れてしまった感じで、


 「ぶふっ!はは!あははっははは!」

 と笑う。この時、少し涙を浮かべ、大笑いを表現する。……よし、完璧だ。


 「終わりです!」


 ペコリと頭を下げる。


 「はい、ありがとう、結果はメールでお伝えします、って、お母さんに伝えてね。」


 お姉さんが特にダメージもなく、平気な顔で言っていたので、こっちはすごいダメージだった。


 「失礼しました。」もう一度お辞儀をして、部屋を出る。

 神様仏様、どうか受からせてください!

 さあ、本題に入っていきます!(二度押し)

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