15、祝賀会
ちょっと主人公がお金にめがついですが、年も年なので許してくださいね。
あれから半月。映画の上演も終わり、今日は祝賀会が行われる。祝賀会なので、私服でいいし不参加でもいいと言われたけど、今日は待ちきれずに早起きしてしまった。
会場は下町の居酒屋を貸し切ってするそうで、着いた時には駐車スペースが無くて困った。
中に入ると、居酒屋というより、回転ずしって感じの造りで、意外と広かった。やっぱり梨花さんに絡まれながら、梨花さんや和樹さん、その他の子役二人と同じテーブルに座った。すると隣にもう一人……。
「和樹さん、このこも子役でしたっけ?」
この映画では私がだいぶ年が離れた最年少なのに、この子は私と年も近そう。それに、なんか見たことあるような……。
「あ、弟だよ。」
「ああ!なるほど!」
確かにその子は和樹さんにそっくりだった。どうえいで見覚えがあるはずだ。
「よろしくね。」
ニコッと笑いかけると、ちょっとはずかしそうにほっぺたをカリカリとかいてたその子は、冷静な雰囲気を漂わせる和樹さんとはまた一つ違って可愛かった。
その後少し話したが、この子の名前は芳樹で、同じ事務所に通っていた同い年だったけど、全く接点が無かったとか。話していくうちに、芳樹君も打ち解けてくれた。ちょっと年下にしか見えなかった芳樹君は、四歳にしては色々な知識があって賢そうだった。
「ではこれから祝賀会を始めます。皆さん適当に楽しんでください。」
監督さんが挨拶をすると、すぐざわざわし始め、大人たちが食べ物を次々に注文していった。
「君たちは何が食べたい?」
梨花さんのお母さんが子供陣に聞いた。
梨花さんのお母さんは、梨花さんと似ているわけではないが、それでも眉毛の形は梨花さんに似ていた。性格は梨花さんにそっくりだけど。
「私は唐揚げと、イカ天と、鮭ザンギと、うーん……あ、このうめ五目おにぎり!」
梨花さんは見た目によらず脂っぽいものを食べるらしい。前世ではニキビで悩んでた時期もあったから憎たらしい。肌、すごい綺麗だからね、この人。まだ幼いからかも知れないけど。
「僕は、オムライス!」
茂樹君はやっぱり可愛いなあ。
「あ、じゃあ僕も同じで。」
和樹さんまで?これは以外!小さい頃は可愛かったんだろうな。
「ええー?和樹君がぁ?嘘ぉー、いがぁーい。」
こういったのは梨花さんのお母さん。似てるでしょ?性格。
「あ、私は、梅おにぎりと、緑茶、、濃い目で。あと、あ、しめ鯖じゃん!しめ鯖で。出来ればしそ入りで。」
「渋いねー。」
いいですよ、どうせ田舎者ですよ!
「いやホント凜々ちゃんって変わってるわよねえー。」
「まさかしめ鯖だとはね。」
「しめ鯖って何?」
その後も色々いじられたけど、この店のしめ鯖が絶品だったので全てよしってことにしといた。
「では、色々余興の時間でーす。まずはディレクターから。腹踊りです。」
しめ鯖をたっぷり堪能した後は、余興の時間。腹踊りとかドジョウすくいとか、お決まりのものばっかりだったけど、それはそれで面白かった。梨花さん親子がうるさかったが。
二時間ほどで宴会が終わると、G、G、ぎゃ、ギャラ……っへへ、あ、いや、ギャラが、グフっ、配られる時間となった。
主役から先に、五番目に渡される。
「場緒さん。」
監督に呼ばれて、スタッフ一同と握手しながら監督の前まできた。
「最年少にも関わらず、弱音の一つも吐かずよく頑張りました!拍手!」
なんか小学校の表彰式の時みたいに茶色い封筒を渡された。ちなみにこのギャラの事だけど、普通は振り込みで渡されるらしく、私以外の人はほとんど振り込みだった。その場合はただお礼が言われるだけ。
私はまだ仕事用のカードの手続きをしてなかったので、先生に急かされて、来月にはしようということになった。
帰りの車でこっそりと中を覗くと、なんと総額五万!ちょっと窒息しそうになったのは忘れないだろう。
ポイントがいつのまにか188になってました!目指せ200ですね。低すぎるって?最終的には、目標一万ポイントですよ!ブクマは88?位になりました!改めて皆さんいつもありがとうございます。ギャラいくらくらいかな、って手こずってて更新遅れましたが、今から次の話書きます!