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子役もかなり、大変です。  作者: ほっかいろ
第一章~子役、始めました!~
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16/46

16、先生の本心

 先生目線もあります。

「凜々!ビッグニュースよ!物凄いオーディションの開催が決定したの!」


 映画の祝賀会が終わり半月。私は全テレやURS(全テレ……、全国テレビの略。一流テレビ局。今放送されいてるテレビ局の中では一番の歴史を誇り、貴重な資料映像などを撮る事にも成功している。URS……、新手のテレビ局だが、放送開始から人気番組を多々作り上げ、今では年間最高視聴率を総なめしている。)の再現ドラマや、エキストラ扱いの一言台詞がある役とか。これでも先生に優先的に回してもらい、色々な役を挑戦できた。セットが本物じゃなくて戸惑ったり、撮影時間が本当に少なかったり、大変だったけど、経験も積めたし面白かった。


 そして今日。先生の説明を聞いているうちに、私は興奮を通り越して呆然としてしまい、お母さんは泣いていた。


 「でも、やり手の子役たちが一斉にオーディションを受けに来ますから、気を緩めないように。あと、個人レッスンを週五にしましょう!」


 因みに、映画が終わった後も『個人レッスンが向いているとおもうから』と、個人レッスンを続けてくれて、本気で演技できるし、団体レッスンとは違い、その場でやり直したり、改善したりできるので、結構な手ごたえを感じていた。詳細の書かれた紙を受け取り、先生の顔を見上げると、先生もまた、隠しきれない興奮に口元がにやけていた。オーディションを優先的に回してくださったり、指導も本気でやってくれる。こんな良い先生に巡りあえて幸せだと、改めて思った。

 







 「もっと、指先まで意識して!」

 「はい!」

 「嫌っ!ごめんなさい、ごめんなさい!」


 今は個人レッスンの真っ最中だ。あ、でもこんな事考えてると、


 「間、また間を忘れたでしょ?……、ちょっと休憩にしましょう。」


 濃ぉいレッスンがようやく終わり、休憩の時間になった。あれからというもの、目つき、指の動き、眉までも、体の一部一部に、常に注意を払わないといけない。神経が持っていかれる、かなりハードな授業だった。まあ、受験勉強と加賀先生の演技の宿題を掛け持ちしていた時よりはいいけど、最近緩くやってたので、すぐ疲れてしまう。


 「ほら、再開!」

 「はい!」


 でも、なんだか毎日が充実してる気がする。いや、充実…、なのか?まあとりあえず、頑張ってきます!


 「よろしくお願いします!」




 「はあ。」


 松山香子は、事務所内の職員室でため息をついた。職員室といえども、そこはかなり広く、職員たちのリラックスできるスペースになっている。


 「どうしたんですか?」


 香子に話しかけてきたのは、熱血教師という肩書で有名な、廣上大輔だった。


 「最近ため息が多いですね。」

 「はい。ちょっと悩み事がありまして。」


 もっぱらその悩み事とは馬場凜々の事なのだが、そんな事もしらない大輔は。


 「恋愛ですかぁ?相談、乗りますよ。彼氏に振られたとか?あ、彼氏いないんでしたっけ?いっそ付き合っちゃいます?」


 と、香子を煽り、


 「すいません、ちょっと考えさせてください。」


 と、香子に冷血に言い放たれた。

 香子の不安とは、凜々をどう扱えばいいのか、ということだった。

 あの子は、才能に溺れてしまうのではないか。

 凜々が人一倍頑張っているのは、教師である香子には火を見るよりも明らかだったが、香子はこのようなケースを、多々見たことがある。


 しかも、あの子は特別だ。その才能は、才能というより、もはや作り上げたものなのではないか、と、香子は密に思っていた。いくら才能があれど、あそこまで伸びまい。それにしては、香子は凜々と初めて会った四歳の時にはすでに、女優ほどではないものの、あの美香の十倍、百倍の力を発揮していた。


 それに、あのオーディションの練習を始めてから、女優顔負けの演技力になってきた。なんでも卒なくこなすその姿は、凜々がやっと本気を出したということなど全く知らない香子を、より一層不安にさせた。


 香子はまた、自分自身にも不安があった。

 あの子に期待しすぎなんじゃないか。普段五歳児にあんな教育をしたら、まず虐待と言われる。だが、可能性にかけたい。だから香子は、あんなハードなレッスンにしているのだ。そしてそれに一生懸命付いてくる凜々。その姿を見ていると、どうしても厳しくしてしまう。 


 そして、もう一つ。

 「はあ。」


 香子はまたため息をついた。


 「なんとなく、あの人の気持ちも分かる気がするな。」


 香子は、自分がつぶやいた言葉に、しかし、驚いた。

 あの人とは、かなり前にやめた、凜々を差別していた教師なのだが……。


 「しっかりしなきゃ。」


 そう呟いた香子の心には、まだもやもやとした何かが残っていた。






 ---そう遠くない間に、追い抜かされるのではないかーーー





 

  先生が重い気持ちで職員室で考え事をしていた、そのころ----


 「今日のレッスンは、どうだった?」

 「楽しかった!」


 私はお母さんの車でおしゃべりの真っ最中なんだけど、子供っぽく、を常に気を付けて話さないといけない。


 「そうよね、何といっても、URSの連続ドラマだものね!」

 「うん!」


 そうなのです。この度、URSの連続ドラマのオーディションの参加できることになりました!


 といのも、今は美香ちゃんブームの真っただ中で、ドラマやバラエティーはほとんど同年代の私達には回ってこない。そんな中で、メインキャスト。これはめったにないチャンスだ。


 役柄は、虐待されてた女の子。主人公は、バツイチの旦那と結婚した女の人で、旦那の元奥さんの子が捨てられたので引き取る事を決意した。で、その子が虐待を受けていて、徐々に打ち解けていく、という物語。

 オーディションは一週間後なので、がんばらなければ。


 「ところで……。」

 「ん?」

 「引っ越し、来週にするから、今の内から荷物まとめておいてね?」

 「んん?」

 

 ポイントが283、ブクマが112。ありがとうございます!!!!夏休み明けで忙しかったのでさぼってた自分が恨めしくなりました。笑。

 次は、、、PTが500とかですかね。ブクマ200?自分で言った割には遠いですね。頑張ります。

あ、あと、編集したところのお知らせで、新しい先生を、刈り上げの男の先生とか書いたのに、よ、とか、わ、とか書いてて、我ながら気持ち悪くなりました。すいません。女に直しておきましたので。香子さんです。

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