第9話戻れぬ道と新たな道
あらすじを書き直しました
どうぞよろしくお願いします。
綾は血なまぐさい部屋の中で「そのような食人鬼の真似事できるわけがっ」綾が首を左右に振り
「仮にです!!できたとして何の意味があるのですっ!」綾の気迫に気圧され
「いや、その・・・・それは」兄は流れるように正座をし背筋が伸びる弟は陰ながら
「表にいなくて良かった」と安堵した、兄が「綾落ち着いてくれちゃんと説明するから」
綾は兄の言葉に耳を貸さずまだ怒っているそれに対して「本当に大切な事なんだ」
兄の真剣な表情に少し落ち着きを取り戻し「そこまで仰るのなら分かりました・・・・私も
取り乱しすぎました」と胸に手を当てながら冷静になってくれた
兄は一度深呼吸をすると順を追い説明をし始める「俺が魔法を使って綾を生き返らせたのは
理解してるよな」綾が頷く「それで綾をゾンビにして眷属にしちゃうのが俺の使った魔法でな」
兄が綾の手を握ると「温もりもなければ心臓も動いてないそれに顔も生気がない感じだし
ゲームって・・・分からんよな・・・俺の知ってる事とどこまで違うか分からんが」
「例えばなゾンビになると寿命はなく力も人の数倍になり
噛みつかれた者は感染してゾンビになる普通だと人を襲うだけの化け物になるんだが
幸いにも普通のゾンビみたいにならなかったみたいだな」
綾が「それではゾンビに弱点はないのですか?」と質問に
「大抵は脳を潰すとか光の魔法が有効だな」
「綾は俺の眷属になった例えるなら使い魔みたいなものだ分かるか?」兄の説明に
少し理解が追い付かないが「はい・・・大体はですが」綾の返事を聞き兄が
「こっからは眷属の綾にしかない特別なスキルでな俺の体力を綾が捕食した者の血肉で補う
召喚系統のスキルなんだけど・・・」綾の顔色を伺うと
現在の状況を理解できた綾が
「他に方法は本当にないのですね」真剣な表情で伝え、それを見て兄は「だけど腕がなくても」
兄は立ち上がり無くなった右腕を大きく振りながらに「回復薬とか使えば死にはしないさ」
兄の空元気な姿に綾は何も言わず死体のそばに落ちている肉片を拾った
「貴方様が救ってくれた命です人道に外れようと」綾は意を決し肉片を口へ運ぶ
綾の体に異変が起きた
綺麗な黒髪は薄紫色に変色し黒い目は透き通るような銀色になり爪が伸び歯も鋭い刃先の様な
「まさに化け物ですね・・・・」その姿に綾の面影はなく声だけが綾を思い出させる
「これじゃあ気持ち悪いですね」綾は近くの大きな水槽に映る自分に悲しそうな苦笑いを浮かべる
そんな姿に「ギャップ萌えだな」兄が綾に近づくと「いつも凛と清楚な子がだこんなエロい感じになると
より一層にエロい!」兄の下手な励ましにどこか安心したような顔をした綾に兄もなんとなく笑い返す
「大丈夫ですよ・・・・ありがとうございます」綾が安心した途端に「グゥゥ」と音がなり
お腹を押さえながら赤面する綾の顔を見た瞬間ありえない速度の拳を顎にもらい
兄は意識を失った。
兄が意識を取り戻すと綾が体の中にいる意識だけの弟と会話をしていた
「兄貴がおかしな事していたらどんどんぶっ飛ばしてやってください」弟が心を許す程打ち解けている
ようで「分かりました怪しい素振りを少しでもしたらすぐに落としてみせます」
「犯罪者扱いかよ」兄が会話に割り込み起き上がると失ったはずの右腕は綺麗に戻っており
あの死体といくつかあった肉片や臓器もなくなっていた
「おはようございます」綾の元気な声と元の姿に戻っているのを見る限り終わったと思い
「綾辛い思いさせてごめん、それとありがとう」兄の言葉に綾は生きていた時のような笑顔で返事をした
「それじゃあ遅くなったが水槽をどうにかしないとな」兄が色々並んでいた水槽のとりわけ大きいのに
視線をやると水槽が割れており、入っていたはずの人間がいない「えっ」と兄が綾の顔を見ると
「すみません」綾のばつが悪い感じに状況を知っている弟が
「兄貴が寝てる間にな綾さんと一緒に水槽を調べて触ってたら・・・バリンと」弟の言葉に続き
「すみませんあんなに力を入れるつもりはなかったのですが」綾の言葉に兄がゾンビになり力加減が
難しいのだろうと思い「大丈夫、大丈夫その内上手くできるさ」兄が部屋を見渡し
「でさ・・・中身は?」兄がそう言うと綾の後ろから奴隷の服を着た白髪の小さな少女が居た
「ちゃんと挨拶してくださいね」綾に促され少女が「はジメまシて・・・」綾に
懐いてしまったのか、少女が綾の背中に隠れながらペコリと頭を下げる
兄が少女の声に違和感を感じながらも「初めまして水の中で苦しくなかったかな?」
少女が「うん・・・ユめをミテタかラ」兄が打ち解けるために話しを聞いた
「トモだチがいっぱい・・・イッシょにおにいサンと・・・ねゴはんヲたべたユめ」
少女がお兄さんと兄を指さしながらに伝えた「俺がか?」兄がダークエルフの姿である自分を
一目で男と判断したのかと驚きつい真剣な顔になってしまい
少女が綾の背中に張り付くように隠れてしまった「おい!兄貴」弟の声に「あぁ悪い」兄は
まずはやれる事からと「他の水槽も壊して問題ないのか」弟に聞いたつもりが
「そうすれば数分後には皆さん目を覚ますそうです」綾が知ったように話した
「綾知ってるのか?」兄が聞くと「いえ・・・この子が申してまして」綾が抱っこした少女を見せた
兄は少女の言葉を信じ「分かった」と兄はナイフで中の子供を傷つけないように
水槽を割って行き、白髪の少女を含め10人を助け出した。
数分後、
「お腹減った!」「ママァ!!」「くさーい」と9人の騒がしい子供達が意識を取り戻した
兄が子供の騒がしさに「あぁ・・・・ダメだうっさいわ!催眠かけていいか」と弟に聞いていた
するとパンパンと手を叩く綾の姿があった
「みなさ~ん元気なのはいいですがここじゃ暗いですからどこかでご飯食べたくないですかー!」
綾の言葉に子供たちが一瞬静かになるが餌を求める鯉のように群がって来た
「うん!」「ごっはんごっはん!!」とまだ騒がしいので「ではこれから美味しいご飯を食べに」
綾が口元に人差し指を付け「静かに行きましょう、騒いだ子はご飯なしですよ?」
綾の言葉を聞いた瞬間先程の子供たちとは別人のように静まり返った
兄と弟がその光景に驚き呆然としていると「どうしましたか?」
綾が子供たちと手をつなぎ見事に手懐けていた「綾さんお子さんとかいるんですか?」弟が
聞くと「そんなまだ未婚ですよ・・・・いるわけないじゃないですか!?」綾が照れながら答え
「ただ子供たちの世話をしていた頃がありまして慣れているだけですよ」その話を聞いてはみたかったが
兄が助かったと思い「じゃあ綾悪いけど子供たちの誘導任せた」と綾に委ねた
「それじゃあ魔力車を奪って合流地点の屋敷にまずは行くか」兄がそう言うと待たせている奴隷達の
階まで降りやっと戻ってこれた
兄に言われた通りに扉を固くしめて立て籠もっている奴隷保管部屋に
「皆もう子供たちは助けた後は魔力車だけだ開けてくれ」兄の声に対し歓声と共に扉が開いた
「本当に来てくれたありがとう」「見捨てられたと思った」時間を掛け過ぎたせいか奴隷達の
喜びの声が一段と部屋に響く「うわ!」その中の一人の奴隷が白髪の少女に気づき驚いた
するとその言葉がまるで感染していくかの様に歓声は悲鳴へと変わっていく
「やだその子をこっちに入れないで」「何故余計な者まで連れて来たのですが!」
皆白髪の少女だけを指さし訴える「おい」兄があまりの身勝手な奴隷達を見かね
「てめぇら喜ぶのか悲鳴上げるんだかどっちかにしろや疲れて猫を被るのも面倒なんだよ」
そう言い放つと奴隷の男の一人を投げ飛ばし部屋に沈黙が走る
「あぁーおいてめー」兄が投げ飛ばした男に「何がダメなんだこんな幼女にいい歳した大人が怯えやがって
説明しろや」兄が女の姿である事を忘れるぐらいに強く男に詰め寄ると「あんた知らないのか?」
男が怯えながら「そいつは魔力食いって近くにいるだけで人の魔力を吸い殺す化け物なんだよ」
「あぁ?綾は普通に抱っこしてんだろうが嘘ついてんなら・・・」兄の睨みに
「嘘じゃない本当なんだよたしか無意識だと少しづつしか吸わないとか俺も詳しく知らねんだよ」
男が奴隷たちの間に逃げ込む
このままでは魔力車を探す事も出来ないと思い
「分かったよ、そんなに怖いなら距離をとってついて来いよ」兄が先頭に綾子供たち少し距離をとり
奴隷たちと大所帯になりはしたが魔力車のある場所を地図を見ながら向かった
本部の裏手には広い場所に荷馬車のような物が十数台置かれており本来馬を繋げる場所には
人が入る大きさの鳥かごが設置されていた「これどうするんだ?分かるやついるか」兄が
奴隷たちの中から操作を知っている者やしたことのある者を何人か集め
「護衛はしてやるからあんた達は操作に集中してくれ」兄が指示をしながら荷馬車近くに置いてあった
地図で合流地点の屋敷の位置を教える「分かりました」奴隷たちの返事を聞き
「それでこの子らに負担とかあるのか?」綾が魔力車に使われる子供たちを心配してる姿を見て兄が
操作員の奴隷に聞いた「魔力を吸われますが体に影響は出ないはずです」それを聞くと
綾が「ありがとうございます」と一言、安心した顔をしていた
「よく聞いてくださいね」綾が魔力車に使われる子供たちに説明をし始めた。
ガタガタと子供の入った大きな鳥かごを揺らしながら5台の魔力車が走る
「大丈夫ですか?気分は悪くないですか?」綾は
一人一人に声をかけ我が子のように心配していた
「全然へーきだよー」と子供たちの明るい返事に綾が
胸をなでおろす姿を、隣を走る魔力車から兄が見ていた「兄貴、綾をどうするつもりなんだ?」
弟が馬車に白髪の少女を怖がり一緒に乗っている
者がいないのを確認し声をかけてきた
「綾の好きにさせてやれば良いんじゃないか」
兄の返事に「マジな話綾があのまま子供たちと暮らすだの言いだしたらどうするつもりなんだ」
「最悪家族を探してあげたいって言い出すかもしれないし」兄が弟にしては冷たいことを言ってくるなと
思い、「お前が奴隷を救いたいなんて言ったんだぞ」
兄が白髪の少女を抱き上げ弟の魂のような物に近づけた「一人二人の話ならいいが限度があるだろ
また何かあってからじゃ遅いんだぞ!」
弟の言葉に「全部終わってからでもおそくねーだろそれまで黙ってろ」綾の件に触れられ
互いに沈黙の中ガタガタと魔力車の走る音だけが
広がっていった。
「オねぇーチャン」魔力車がエルの屋敷に
停車した途端に白髪の少女が綾の背中に隠れる「どうしたのですか?」綾の言葉に兄弟たちへ
指差しながら「けンカしテル助けテ」と少女が伝えると綾の冷たい目線と「何をしてるのですか!」を
皮切りに数分の間、屋敷前で怒られ兄が綾の冷たい目線に涙目になりかけていると
「時間かかりすぎよ!」ダークエルフの声に綾が驚き咄嗟に声のした方へ刀を抜いた
「その服装この国の軍人ですね」綾が刀を喉元ぎりぎりに構える、それに対し
「黒髪の人間はやはり剣しか振れない野蛮人なようね」とダークエルフの杖が綾のお腹に当たっている
その殺気にの飛ばし合いに焦って
「やめーい」兄が二人の間に入り慌てて「こいつはエルって仲間?みたいなもんだ」
その言葉に「したくて協力しているわけではないわ」
兄はエルを無視すると綾の方に手を向け「それで本部で奴隷救出を手伝ってくれた綾だ」綾が初めて
嫌そうな顔した「よろしくお願いします」と素っ気ない感じに
「綾、初対面だろ?」兄がどうして嫌っているのか聞くと
「あの軍服は逃げた奴隷などを処罰すると聞きました」綾が先程
間に入られた際に納めた刀の柄に手をかける「そのような外道と仲間になどなれません」
綾の言葉にエルが杖を構え「会ったばかりで何も知らない人間がよくもそこまで言ってくれるわね」
また始めに逆戻り、それ以上ヤバいかもと兄が頭を悩ませていると綾と同じ黒い髪の使用人が二人
屋敷から出てきて「エルちゃんダメよ魔力がまだ回復してないんだから」とロングヘアの使用人に
杖を取り上げられた
そしてもう一人背の低いショートの使用人が綾を見て驚き
駆け寄ってくると「貴女様は黒川のご息女さんですます?」使用人の言葉に
「そうですがその髪と目、やはり貴女達二人は同士ですね」綾のばつの悪そうな顔に
少し気がかりではあったが「椿いい加減に離しなさーい!」エルがロングヘアの使用人の手から離れ
こちらに向かい「菊あんたは部屋の中の人間たちと外にいる新しい奴らをホールに集めておきなさい」
エルが指示を出すと綾に一礼をし本部から連れて来た奴隷たちを屋敷に誘導し始めた
「エルちゃん中で話したらどう?」使用人が促すが「いいわよ部屋の中じゃ騒がしくて話せないもの」
エルが屋敷を指さすとワーキャーと子供の遊ぶ声と菊の悲鳴が聴こえた
「そうね」エルが答えると使用人が庭に座りそれを見て兄や綾達も座った
使用人が兄の魔力車から拾った地図より明確に書かれた大き目の地図を広げると
「下水道があるのかここから出て行くのは無理なのか」兄が地図を見ながらそう言った
「可能ですが魔物も出ることがあるので危険になっております、ですので」
使用人が現在地の北の住宅街から中央商店街の噴水広場それをまっすぐ南に下り正門を指でなぞった
「正門からなら兵も少なく魔力車が同時に出て行く事も可能ですので奴隷の方達も一緒に行動できます」
使用人の提案にエルが「兵が少ないんじゃなくて配置する必要がないだけでしょ」それに対し
不思議と思った兄が
「俺普通に通してもらったけどさ、おっさんの兵士が数人で門だって木製じゃないのか?」とエルに聞くと
「そんな事も知らないでここまでの事してるなんて・・・」エルの馬鹿を見る目にグッと堪え
「正門にはね大掛かりな魔法がかけられていて王城から下水道を通って正門や東と西門に魔力の壁を
張っているの普通に殴るだけじゃ傷も付けれないんだから」何故か誇らしげに説明をしてくるエルに
「それなら魔力の通っている場所を切断する事はできないのですか?」綾が挙手をしながら質問した
「無理ね、通してるって言っても王城にある魔力結晶から出ている魔力が流れてるだけで止めれないわ」
エルの答えに少し周りがどうするべきか考える中「門は兵士だったら誰でも開けられるのか?」と
兄がまたエルに質問をし「いいえ門番の者しか開ける方法を知らないわ」エルがそれに返答した
「なら大丈夫だ椿さんだっけ?あんたの言ってた作戦で行けると思うから」兄がそう言うと
綾の方を向き「綾悪いがこっから別行動だ門はエルと二人でなんとかするから
奴隷の人たちを頼んでいいか?」綾が自分ではないことに驚き
「私ではダメなのですか?」綾の寂しそうな顔に
「本当だったら綾たんルートまっしぐらだけどな、許してくれ」兄の言葉の意味が分からなかったが
「綾に懐いてる子供も多いしエルじゃ心配だろ?」その言葉に納得し
「分かりましたここは任せてください」と綾の顔を見て安心した兄が「じゃあエルだけつい」
兄は言葉の途中でエルが投げた杖に当たり倒れこんでしまい
「なんで私だと心配なのよ!それより勝手に作戦決めないでちょうだい!」と使用人に抑えられながらも
どうにか杖を投げてきていた
それに驚き綾と使用人が倒れこんだ兄に近寄り
「すみませんエルちゃんの事をお願い致します」使用人がぺこりと丁寧に頭を下げると
「どうして私のがお願いされる側なのよ」エルがガンガンと地団太を踏んでいる
その後兄弟とエルが先に門を開けるため先行し綾と使用人と奴隷達は遅れて魔力車で出発する事になった
奴隷達を魔力車に移動させ準備をしている頃王城では
奴隷本部から被害報告が届き、家臣数名が慌てふためきながら「このような馬鹿げた事をするとは」
「即刻追手の兵を出さねばなるまい」「いやいや公になり民に知れれば国の恥ですもっと慎重に」
王座の前での家臣達の醜態に玉座に座れるのがやっとのまでに太っている者が大きな杖で
地面をドンドンと叩きながら「貴様ら見苦しいにも程がある少しは黙らんか!」
先程まで騒がしかった家臣達は一瞬で黙り込み玉座にひれ伏し玉座に居る者へ
「申し訳ありませんでしたどうかお許しをガーガ王」
王の一言に冷や汗が止まらず震える家臣達その姿に「エルフである者がその様な情けない顔するでない」
王が家臣の情けない姿にまた怒声を響かせ
「全くエルフという者はプライドや血筋にはうるさい割にここぞと言う時に情けない!」
同じエルフだろこの豚エルフ!!と心の中で不敬罪まっしぐらな言葉を家臣達が思っていると
「仕方ない魔力車を急ぎ準備せい」王がその巨体を玉座から上げズシリと歩き出す
「そんな王が自ら出られるなど・・」家臣が止めようと近づくと
「頼りにならんお主らはよい!あやつだけ呼んで来いいいな」王がまた杖で地面を叩き
家臣達の了承の合図であるひれ伏した姿を見るとズシズシと廊下へと出て行った。




