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尊死パンデミック

「次はローズの話題です」


「なんや普通にバラゆうたらええんちゃう?」


K藤はフリップを出す。


LAWS(自律型致死兵器システム)


「日本でも、これによる被害が増えております」



「まずは、被害に遭われた方のお話をお聞きください」


被害者のインタビュー映像が出る。


S玉原G田市在住のO笠原Y子さん(58)


「うちの家内やないかい!」


K藤は、そのツッコミをシレっと流す。


画面の中のY子さんと、インタビューアの話が続く。


「急に出て来て、死んでしまうところでした」


「どのような攻撃を受けられたのですか」


「急に推しの声で話しかけられるのよ」


「は?」


「私がキュンとくるツボをついてくるの」


「お隣のW木さんは、それで死んじゃったのよ」


「尊死らしいわ、怖いわよね」


「10代のアイドル推しとったなんて初耳やわ」



K藤は、そのツッコミをシレっと流す。


今日は、軍事評論家のH藤さんのお話もお聞きします。


「こんばんは、H藤さん。こんな時間にありがとうございます」


「おはようございます。H藤です」


「はい、こんばんは、H藤さん。この番組では、こんばんはで統一しております」


「最近のローズの傾向について教えていただけますか?」


「近年のLAWSは、物理攻撃より心理攻撃が主流になっています」


「なるほど」


「AIは対象の嗜好を分析し、最も致死率の高い声色、セリフを選択しているそうです」


「それは怖いですね」



「あっ、臨時ニュースが入りました。

 今まさに被害に遭われた方がいたそうです。

 現場のA川さん」


次の被害者のインタビュー映像が出る。


下にテロップで名前が表示されている。


H海道S川市在住のA葉原S美さん(32)


「はい、現場のA川です。

 被害に遭われたのは、

 H海道S川市在住のA葉原S美さん32歳の女性です」


「年齢まで全国放送せんでもええやろ」


「状況を教えてください」


倒れている女性の姿が映る。


周りには消防隊員。


「現在消防の方が、ドキュン率テスターを使用しました」


「95%」


「かなり危険な状態だそうです」


「現在消防の方が、AEDを使用しています」


「ぷはぁ……」


「息を吹き返したようです」


「しかし視線が定まっていないようです」



K藤が、またフリップを出す


 尊死 


 尊すぎて思わず息が止まる



「現在尊死は、我が国の死因の上位を占め、

 今年初めて、がんを抜いて一位となりました」


 日本の主な死因


 1.尊死    35%

 2.がん    24%

 3.心疾患   14%

 4.老衰    13%

 5.脳血管疾患  5%



「この事態に国防省のD川大臣(コメディ党のD川のソックリさん)は――」


画面がインタビュー画面に変わる。


「ヤバいよヤバいよ!何かせんとヤバいって……」


「なお、大臣は本日も『ヤバい』以外のコメントはありませんでした」



「現在、F沢製薬でワクチンの治験が最終段階に入っています」


「いや、どんなワクチンやねん」


「副作用として、推しへの興味を失う症例が報告されています」


「そっちの副作用の方が怖いわ!」


「政府は来年度から全国民への定期接種を開始する方針です。

 なお、接種は努力義務となる見通しです。

 ドキュン率が80%を超える方は、尊死のリスクが高いとされており、

 推し活をされている方は早めの接種をご検討ください」


「以上で、今日のニュースを終わります」

 お読みいただき、ありがとうございます!


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