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笑える国会中継

チャララララン……チャチャチャ……


「こんばんは、ニュース28時の時間です」 


ニュース28時。


某N〇Kが始めた深夜枠のニュース番組だ。


最近とても人気になっている。


深夜とは言うが、この時間なのでエッチなネタは扱えない。


だって早朝なのだから……。




「今日のコメンテータは、評論で人気のT京大学政治学部教授のO笠原先生です」


「よろしくお願いします」


O笠原はそう答えながらも、引きつり笑いをした。



彼の評論は人気だ。


とても評論家らしくないと――


政治評論家なのに、政治はニュース番組で知る。


もはや肩書だけ立派な一般人。


でも、人気だ。


視聴率を稼ぐには、テレビ局も呼ぶしかないのだ。



そもそも教授がこんな時間からテレビに出てても大丈夫なのか?


大丈夫らしい。


彼には、優秀な助教授が代わりに授業をしてくれているので、授業中も安心して寝ていられるのだ。





「さて、今日最初のニュースは国会中継についてです」


「あぁ、政治家先生が寝てまうんやろ」


二ュースキャスターのK藤が、テレビカメラが自分を映さなくなった瞬間に、O笠原をにらむ。


きれいな顔が魔王のような形相に変わるほどだ。

(頼むから私の進行邪魔しないでよ)


O笠原はそんな魔王K藤にほほ笑みで返した。


(こいつ鉄メンタルなの?)




画面が切り替わる。


「運輸大臣、Tランプくん」


そう言われて答弁に立ったのは、

Aメリカという国の大統領にソックリの男だった。


日本の国会にはとても珍しい金髪の髪が光る。


彼は日本語で答弁を始めた。


だって彼は金髪に染めて、カラーコンタクト入れてる日本人なのだから。

いわゆるソックリさんなのだ。


その後ろにも、ここはG20かと言わんばかりの風貌の人間や、アカデミー賞を待つ著名俳優のような風貌までいた。


「流れとる映像間違うとるで……」


「いえ、これは昨日の国会中継の映像です」


「なんやてぇ!?」


「先生、ご存じなかったんですか?」


K藤はO笠原をやり込めた気になり、盛大にガッツポーズをした。


しかし、これは生放送だ。修正はできない。




K藤はドヤ顔でここまの経緯を説明しはじめた。


「この前の選挙では『コメディ党』が躍進しました」


「なんて?」




そういう声を無視して、画面は選挙演説中の候補者へ切り替わる。


「国会中継に『笑い』を……。

 『眠る』国会から『笑い』が絶えない国会を……」


ここからは、演説中の候補者の映像に、K藤がナレーションを入れます。


「これを選挙公約に掲げた『コメディ党』は躍進を続けました。

 特に若年層に受け大幅に得票数を伸ばしました。

 結果、選挙で大勝しました。

 他の党は、全て議席数を大幅に減らしました。

 与党もこの党と連立を組まないと政権を維持できなくなりました」


「『コメディ党』は与党の政策を全面支持する代わりに、

 メディアに出る役は自分たちを抜擢することを条件につけました」


「そうしたところ、連日国会中継の視聴率はうなぎのぼり。

 今や、民放各社も昼のニュース番組をやめてまで、

 国会中継を放送しなくてはならないほどです」




画面は生放送へ戻ります。


O笠原がよだれをたらすほど、ポカンと口を開けていました。


あわてて、編集担当者はK藤の顔を捉えてるカメラに切り替えます。




「こんなん流して、外国から批判受けへんのかいな」


「大丈夫だそうですよ」


「なんで?」


「この映像には国家予算並みの値段が付いています」


「SNSで流す若者もおるんちゃう」


「リークした者にはその全額を請求します」


「え?」


「……わが社は大儲けですね」


K藤は笑顔で言い切った。


その笑顔が、さっきの魔王の形相より怖かった。

 お読みいただき、心より感謝申し上げます!


 数ある作品の中から

 この物語を選んでいただき、

 本当にありがとうございます。


 少しでも楽しんでいただけましたら、

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