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未だに燻すぶる公益通報難癖

 元西播磨県民局長渡瀬康英氏の死亡が報じられた2024年7月、ブンヤ仲間から「専門家」と持ち上げられる奥山俊宏氏が「おねだり疑惑 斎藤兵庫県知事はどこで間違えたのか」と題して斎藤知事を非難する見解を発表した。要旨は次の通り。

___________________________

 「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について(令和6年3月12日現在)」と題する文書は「告発文書」である。

 正当な内部告発や公益通報のための文書を勤務時間中に公用パソコンで作成したとしても、それは職務専念義務違反にならない。

 令和6年3月25日、副知事と人事課長が渡瀬氏からパソコンを押収した際、斎藤知事、片山副知事、県部長級職員らによる種々の問題行為を列挙した文章を発見したならば、「当該文書が正当な内部告発や公益通報である可能性を視野に入れ、当事者である知事から独立した第三者にその可能性を検討してもらう」措置を講じなかったのは、斎藤知事の落ち度。

 公益通報に該当するのは、公益通報窓口への通報に限らない。警察、県議、報道機関等への文書送付も公益通報に該当し得る。渡瀬氏は4月4日、県の公益内部通報制度を利用し、文書の内容を内部通報した、と明らかにしたが、これだけでなく、3月の文書配布も「公益通報」に該当する。

___________________________

 これに対してNathan氏は、「公益通報」に該当する為には「通報」であることと「不正な目的でない」という二つの要件を満たす必要があるけれども、渡瀬氏の文書配布はその要件を満たしていない旨反論する。

挿絵(By みてみん)

 「通報」の目的は、刑事罰、行政罰等の対象となる行為による被害の拡大防止であるが、渡瀬文書は、内容的に誹謗中傷文言や情報源不明な伝聞情報が満ち溢れ、公益通報により対処すべき加害行為の日時・場所も特定できず、被害拡大防止に役立たない代物(しろもの)(ちな)みに、法律上「通報対象事実」となる法令違反は限定されており、公選法や地公法は、対象外。

 なお、渡瀬氏が「4月4日、県の公益内部通報制度を利用し、文書の内容を内部通報した」旨を明らかにしたのは、3月の文書配布に「公益通報」の意図が無かったことを示している。


 公益通報者保護法に違反すれば刑罰や行政処分の対象とされる筈だが、報道界隈がこれほど騒ぎ立てて1年以上経過したにも関わらず、それらしき処分が為される様子は皆無だし、「通報対象事実」に対する刑事罰、行政罰等に関する動きも見られない。報道界隈の邪悪度は測り知れない。


〔参考〕

 この法律において「公益通報」とは、次の各号に掲げる者が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、当該各号に定める事業者又は当該役務提供先の事業に従事する場合におけるその役員、従業員、代理人その他の者について通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を、当該役務提供先若しくは当該役務提供先があらかじめ定めた者、当該通報対象事実について処分若しくは勧告等をする権限を有する行政機関若しくは当該行政機関があらかじめ定めた者又はその者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に通報することをいう。

(注1)条文から括弧書き部分を取り除いて読み易くした。

(注2)「各号に掲げる者」とは、労働者等

(注3)「通報対象事実」とは、刑事罰、行政罰等の対象となる行為の内、公益通報者保護法別表に掲げる法令等の規制対象となる事実。

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