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オレはのんびり過ごしたいんだ❗  作者: 空蜘蛛 津凪
転生したので準備しよう。
23/40

その頃、湖の町では・・・。

湖の町【スイール】


そこは×印の形の島の左のくびれ部分。南東に山、北東に湖に面して草原を南北に隔てるように町が存在している。湖に面しているため魚も取れ、山の幸、畑での農作物の生産も安定している。まさに絵にかいたような平和な町だった。


そんな湖の町【スイール】の冒険者ギルド・・・



「おい!こっちにも怪我人だ!医者連れてきてくれ!」


「誰かっ!回復魔法使えるやついないのかっ!くそ~っ!やべーぞチクショウ!」


「テメー割り込んでんじゃねーよ!怪我してんのは誰も一緒だろうが!」


「うるせー!こっちの方が重症なんだよ!見りゃわかんだろうが!」


「しっかりしろ!ギルドに着いたぞ!おい!返事しろよ!」


「ポーションはまだ届かねーのか!そろそろ在庫無くなりそうだ!」



スイールのギルド一階ではまさに野戦病院のような感じで、怒号や悲鳴が飛び交っていた。ギルド長室内、二人の老人と一人の中年の男達がテーブルを挟んで話しをしていた。



(町長)「今までこんなことは無かったのにどうして!?」


(冒険者ギルド長:以下冒長)「そんなこと言ってても始まらんぞ、若いの。今起こっとる現実を受け止めい。」


(生産者ギルド長:以下生長)「さよう。グラスウルフが50頭もの群れで動いておるなど、リーダーとなるべき個体が現れたと考えた方が無難だのぉ。」


(町長)「分かってる!だが、何故今なのだ!森でジャイアントベアが見つかったというこのタイミングで・・・」


(生長)「確かに。それなりのレベルの冒険者は皆そっちの討伐にむかってしまったからのぉ。」


(冒長)「それに関しては仕方あるまい。ランクBのモンスターなど、放っておけばどれだけの被害が出るか。この町に来られたらたまったもんではないわ。」


(町長)「それは分かってる。分かってはいるが言わずにはいられないのだ。ただのグラスウルフならランクDのモンスター、町の兵士達でも完全な討伐は無理でも対応できた。だが、ランクC『グラスウルフリーダー』が現れてそれが統率をするだけでこんなにも違うものなのか!」


(冒長)「奴等には、この町の城壁をどうこうできる力はない。抜け道でもない限り町の中に浸入されることがないのがせめてものすくいじゃ。」


(生長)「そうじゃな、今の戦力で町に浸入されたらパニックどころではすまん。住民への説明はどうなっておるんかのぉ?」


(町長)「北門は完全封鎖の指示を出した。下手に隠しても余計な不満が溜まるだけだ。きちんと説明をして北側城壁の外には出ないように警告してある。」

「南門は警戒を厚くして出入りは止めていない。湖の方も緊急で防御柵を建てて弓隊を多目に配備している。湖が縁の方からすでにそれなりに深さがあってよかったと、今日程思ったことはない。」


(冒長)「薬や食糧などはどうじゃ?まだ不安はないか?」


(生長)「そっちはたぶん大丈夫だのぉ。今回はある意味いきなりこんな事態になったから慌てはしたが、この先も無茶な討伐をしようとせなければ7日は在庫がつきることはないのぉ。」

「今も生産者一同、薬の生産・武器防具の整備と腕を奮っておるよ。」


(冒長)「民衆は飢える事さえなければ、そう易々と暴動に発展することはないじゃろう」

「ジャイアントベアの討伐に行った者達が帰ってくれば、こちらの問題も解決するし大丈夫じゃ。」


(町長)「お二方はそう言われますが、本当に大丈夫ですか?」「今いない者達が帰ってくればといいますが、ジャイアントベアの方の討伐も上手くいくとは限らないのでは?なかなか見つけられずに7日経ってしまったり、逆に返り討ちに会うこともあるのでは?」


(生長)「そうなったらどうしようかのぉ?打つ手がないのぉ~。(笑)」


(冒長)「煽ってやるな、一応の手は打ってあるじゃろ。」

「念のために見つからなければ7日後に戻ってくるような予定で討伐を計画しておるよ。 」

「見つかった際にも伝令を寄越すようになっておる。情報とは時に価千金の意味を持つ、上に立つものなら慌てる前に問題を潰すように行動せい。」


(町長)「うぐっ、確かに慌てていましたが先に言ってくれていればよかったのでは?」


(冒長)「それくらい当たりをつけて聞いてこんかい、詰めが甘いんじゃ。」


(生長)「まぁ、これくらいにするかのぉ。儂はもう戻るでのぉ。」


(町長)「はぁ、私もこれで失礼します。次からは使いの者を寄越しますので、失礼します。」


二人の男が部屋から出ていった。一人残された男は誰もいない部屋で呟く。


(冒長)「さて、ああは行ったが何が起こるか分からんのが世の常。他にもいろいろ手を打っておくか・・・。」




いろいろと手を回し備えたが、一人の男と一匹のスライムによってあっさりと片付けられるとは流石に予想できなかった。

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