↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/7

第七章 《神と仏》

9月のある朝、起床時から雷が鳴り響き、稲妻が走り、夕方のような暗さだった。

会社の出勤時に重なると大変だなーと憂鬱な気分である。


今月半ばオンコタイプDXの結果が出た。

がんの再発・転移は数パーセントで多分、ホルモン剤だけの治療で管理できるという医師の見解である。

胸が押された感じで、苦しさが続く。

もうリンパ液(逡巡液)は、溜まらなくなった。

でも以前の体には戻れない。

急に寒くなった為か、時々胸に鋭い痛みが走る。


学生のころから、旅行が好きで、特に神社・仏閣巡りが好きだった。

勤めはじめるとお金に余裕が出来たので、良く出かけ、その土地の有名な神社やお寺を訪れていた。

京都や奈良にも数回行ったが、残念なことに、当時の私は「御朱印」と言うものを知らず、

今考えてみれば、折角あちこち行ったのに、御朱印集めをすれば良かったと後悔している。


御朱印に目覚めたのは、東北での「四寺回廊」であった。

宮城の「瑞巌寺」山形の「山寺」岩手の「中尊寺」と「毛越寺」をめぐり、

指定の御朱印帳に印を頂き、四寺が集まると、最後に訪れたお寺の一文字書かれた色紙を頂くことが出来るのである。

それを4回繰り返し、四寺の色紙を集め、また、般若心経の写経もお寺に納めると

特別なお守りが戴けるのだ。それも四寺分頂き、大事に飾っている。

そこから御朱印集めがはじまり、旅行好きの為、直ぐに10冊ぐらいたまり今も続けている。

今の御朱印は、切り絵が流行り、値段も張るがとても綺麗である。

お守りも、その場所でしかない物を購入し、きちんと供えている。

お守りは多数あっても問題ないと言われているので、収集の一環である。


それなのに、何故、死にかかわる病気になったのに、時間も十分にあったのに、神社にお参りに行かなかったのか。。。

毎年元朝参りも欠かさず行ってるのに、心が向かない。

一番神頼みが必要な時なのに、行きたくない。そこで祈ったら、終わる気がした。何故だろう?

未だに神社にもお寺にも今年は、元朝参り以降は行っていない。


前にも書いたが、小さいころから、この世に存在しないものに興味を持っていた。

そして、10代ごろから、見えはしないのだが、何故かそういうものを背負ってくる、憑りつかれる時が度々あった。

19歳の夏、職場の同期3人で、沖縄旅行に行った時は酷かった。

観光と言えば、戦争遺構巡りで、「ひめゆりの塔」に行ったのがいけなかった。

その夜から、風邪を引いたように具合が悪くなり、帰るまでホテルに閉じ籠っていた。

帰路の飛行機の中、他の2人は遊び疲れて寝ていたのに、私だけ嘘のように元気だった。

又、青森の恐山や仏ヶ浦も年頃の女性は行くべきでは無いと後で言われた。

(もう行ってしまったので遅いのであるが・・・)


京都や奈良も長居は出来なかった。

2日目くらいから、何故か頭がフワフワしてきて、意識が混濁するような気がして楽しめなかった。

只、三十三間堂に行った時、涙が止まらなくなり、とても不思議な良い気持ちになった。

千手観音は私の守り本尊であり、あの数に圧倒されてしまった。

しかしながら、念仏寺は本当にダメだった。一番酷く気持ちが落ち込んだ。

昔、戦が始終あった場所である京都は、私にとっては耐え難い場所である。


このような事象が続くため、色々調べた結果、

「般若心経」が裏に彫られていて表に千手観音像が彫られている金のペンダントを肌身離さず付け、

水晶の念珠もいつも付けている。

「般若心経」はいつも唱えられるように覚えており、また憑かれた場合は唱えて助かっている。

そして今まで、その為か不思議に守られている気がしている。

年齢を重ねるに連れて、人込みも苦手となった。色々な人の思考が入ってくるのである。

なのでとても疲れ、頭痛が酷くなる。

東京は苦手だ。会社の出張で行くが、宿泊はせず、とんぼ返りで帰って来る。


今年は、実家のお墓参りもしていない。

涼しくなったので、お参りしなくてはいけないと思っているのだが・・・


「ベルサイユのばら」の二人もオスカルはノエル生まれであり、クリスチャンで毎夜祈っていると描かれており、

私は、真言宗であるのだが、「般若心経」は何かあった時は唱えるようにしている。


そういえば今思い出すと不思議なことがあった。

20代、あるお見合いの日、朝方夢を見た。

待ち合わせのホテルのロビーで椅子に座っているのだが

ゴブラン織りの格式のある絨毯しか見えなく、そこへ女性が私に近づき、足元しか見えないのだが、

今日のお見合いは断って欲しい旨を私に伝えている。

私は絨毯しか見ていなく、女性の顔も声も聞いていないのにその言葉が何故か伝わるのだ。

朝、家族にそのことを話したが、変な顔をされただけで、一人ホテルに向かい、見合い相手の人と会い、食事をし、

天気が雨で肌寒かったのを覚えており、駐車場に入り、別れ際に相手から話された言葉に呆然とした。

「自分には、気になっている女性がおり、相手は離婚経験があり、子供がいるので、両親には反対されていると・・・」

本当に別れる直ぐだったので、一応びっくりしてそのまま何も言わず帰って来た。

落ち着いてよくよく頭を整理して、やはりと思ってしまった。生霊が私に伝えに来たのだ。

夢は怖くはなく、淡々としていたので、感情の流れは一切なかった。不思議な空間だった。

私は断ることにしていたのだが、その夢の事はどうしても伝えないといけないと思い、

お見合いを紹介してくださった方に本人宛の手紙を書き、渡してもらう様お願いした。

それからは、何も無かった。二人は結ばれたのだろうか。良い方法に向かっていると今でも信じている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。