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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移三十三日目っ! ~ ポートビリアの問題が、解決っ!

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269.そのまま頭を撫でてあげる

 会議はこれで終わりかな、と思ったら。

 肝心なのはここかららしい。

 近日中に、騎士団はポートビリアを撤収する。

 拙者の後任の領主を決めておきたい。

 代理職として任命しておくので、引継ぎも速やかに行えるようにしておく。

 防衛隊長ハンドゥ、引き受けてくれるか?

 他人事のように聞いていた防衛隊長、急に振られて跳ね起きた。

 へ、お、俺?

 引き受けて貰えぬか?

 い、いや、なんで俺?

 オーク軍の襲撃に際して、逃げること無く軍を率いて戦い抜いた功績は、領主の地位に相応しいと思えるが?

 いや、他に誰かいるでしょ?

 サーリット、じっと防衛隊長を見つめる。

 拙者たちは、他国の人間故、詳しくは知らぬ。

 だが、ここ何日か代理の領主として任に就きながら、様々な者たちに話を聞いてきた。

 拙者は、貴殿こそふさわしいと考える。

 い、いや、でも……

 領主の資質とは、血筋ではないぞ。

 それも重要ではあるが、誰しもが領主に相応しいと認めることにあるのではないか?

 俺一人で、そんな責任を果たせるはずがない。

 誰も一人でとは言わぬ。拙者も部下の助けがなければ、こんなことは出来ぬ。会計とか、計算とか、配属とか、面倒くさくてかなわん。リカルドに丸投げしておるぞ。

 ですなぁ、と相槌を打つ太髭。やっぱり丸投げなんだね。

 エンダナ殿、カントス殿、いかが思われるか?

 賛成です。細かい行政業務は、私でもなんとかなります。喜んでお仕えいたしますよ。

 賛成だな。領主は、この都市の出身者がやはり相応しい。我が身可愛さに逃げ出すようなお飾りの貴族 は、信用できん。

 お前らなぁ、他人事だと思って……

 頭を抱える防衛隊長を、まさに他人事のようにニヤニヤしながら見つめる高官たち。

 ぼ、防衛隊長の任務は、どうなるんですか。

 知らぬ。貴殿が領主になるのだから、貴殿で決めればよい。

 う……

 逃げ道を塞がれたね。まあ、諦めるんだね。

 しゅ、守護結石の守護者はどうしたら……?

 お、こっちに話が飛んできた。

 それも、貴殿が決める事だ。

 そう言われて、防衛隊長から領主にさせられようとしている男が、みーよを見る。んと、名前はハンドウ、じゃない、なんだっけなぁ。

「隷属の首輪との契約は“ポートビリアの領主”になっておりますから、命じられれば守護結石の守護の任を続ける事になります。しかし……」

 みーよは冷静に、領主代理を見つめ返す。

「この首輪の所有者はハンドゥ様では御座いませんので、サーリット様が領主の座を降りられる時点で、隷属の効力は無くなりますわね?」

「その通りだ。その上で、どうするかを決めるがよい」

 サーリットに言われて、困った顔をする領主代理のハンドゥ。

「こまってるの?」

 幼女、あたしの膝から飛び降りた。

 とことこ歩いて行って、ハンドゥの所へ。

「こまってる?」

「……お前かぁ」

 本当に、困った顔の男。

「確かに、困ってる。頼めるか」

「いーよー」

 ハンドゥに抱き上げられて、キャッキャと喜ぶ幼女。

 子供だもんね。そういうの、必要だよね。

 ハンドゥの首筋に腕を回して「たすけてあげるよー」と無邪気に宣言してくれた。

「お前の所の奥さんや娘二人も呼び寄せれば良かろう」

「奥さん、元は乳母さんでしたよね。小さい子の面倒も見てくれると思いますよ」

 商工会会長や行政長官も、どうやら賛成みたいだね。

「決まりだな。聖女殿、彼女に守護結石の守護者代理の地位を」

「承知致しました」

 サーリット領主の申し出に、みーよが微笑んで応えた。

「よし。我が皇龍公国準騎士団は、明日の朝、ポートビリアより撤収し、故国に帰還する」

 全員、立ち上がり、サーリット領主に敬礼。

 そのままサーリットが、みーよに近づいていった。

「ミヨ殿、貴殿の勇敢なる働きに、敬意と感謝を」

 そのまま、みーよの首輪に、そっと手を触れる。

「“解放する”」

 みーよの首から、隷属の首輪が抜け落ちて、サーリットの手に収まった。

「あ、ありがとう、ございます……」

「礼をいうのはこちらの方だ。貴殿がいなければ、ここまで上手くは回らなかった」

 サーリットも、テイルも、大隊長たちも、ポートビリアの高官たちも、みんな、みーよに深々と頭を下げた。

 なによ、みーよ、泣いてるの?

 あたしはみーよの頭を抱えて、泣き顔をみんなに見られないようにした。

 そのまま頭を撫でてあげる。

 お疲れ様。よく頑張ったね。よしよし。


挿絵(By みてみん)

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