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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移三十三日目っ! ~ ポートビリアの問題が、解決っ!

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267.あれ?  お互いにとって、とっても有益な契約に思えてきたぞ?

 執事さんとの話が終わって、コーヒーとお菓子を楽しみながら執務室で待っていると。

 ご用意が出来たそうです。

 入ってみると、壁に大きなタペストリーが何枚も張られていた。

 ポートビリアの都市の風景や、先代の領主の人物画かしらん?

 それに、魔導帝国の紋章をかたどったものなど。

 ん-都市の風景はいいけど、先代の領主や魔導帝国の紋章は、センスがないんじゃないの?

 なんか、急ごしらえでかき集めてきた感が否めないね。

 まあ、サーリット領主は、そういうのを気にする人じゃなさそうだけどね。

 だってコーヒー飲みたいって理由だけで、ここで会議するんでしょ?

 こんな飾り、突貫で付けなくてもイイとか言い出しそうだねぇ。

 あ、メイドさん、皆さんを呼びに行ったのね? 二人しか残っていないわ。


 テーブルとイスはそのまま。あたしら、どこに座ればいいんだろ?

 あ、結構な上座で宜しいんですか。みーよ、どうぞ。

 幼女も座っていいよ。ハイ、イス引いてあげる。

 え?

 普段は座ってない?

 呼ばれもしない?

 だってアンタ、宮廷魔法使いなんでしょ?

 名前だけだって?

 知らないわよそんなの。

 あたしも一緒に座るの?

 で、あたしの膝の上がいいの?

 ん-困る。あたし、みーよの護衛なの。後ろで立ってるのがお仕事なの。

 え、座ってていいの?

 みーよがいいなら、まあいいけど?

 だってさ。よし、おいで。

 うふふって、何でアンタ、そんなに楽しそうなのよ。

 ま、可愛いから許す。


挿絵(By みてみん)


 サーリット領主と副官テイル卿、ご到着。

 ほら、あたしを怪訝そうな顔で見てるでしょ。

 お前、そんな柄じゃないだろ?

 失礼ねぇ、あたし、けっこう子供好きよ?

 そ、そうなんだな。

 あ、テイル、そんなに可笑しいの?

 結構、似合ってるって?

 まったくもー

 二人はそのまま、テーブルの端の、最上座についたね。

 遅れて、取り巻きの騎士たち4人。あたしたちの向かい側に着席。

 その後、行政高官の3人が、あたしの隣に座った。

 なんでみんな、あたしの顔をしげしげと見るんだろう。

 そんな珍獣扱いしないで。

「揃ったな。では始めよう」

 サーリット領主が宣言し、会議が始まる。


 メイドさんたちが、コーヒーとお茶菓子を配って回る。

 その間に、担当者に報告させるスタイルらしい。

 皆、飲み食いしながら聞いている。

 これ、ちゃんとした公の会議なのよね?

 随分フランクな形だけど、いいのかなぁ?

 あたしも、幼女にチョコクッキー食べさせながら、自分もポリポリ食べている。

 サーリット領主、後方担当の太髭リカルドとポートビリア行政長官に出世した(代理の肩書が取れた)エンダナに、会計関係の報告をさせる。

 なんでも、皇龍公国準騎士団の運営って、1日に金貨1500枚掛かるらしい。

 3000人規模で1人当たり一日大銀貨5枚×人数分だからね。

 今回の遠征費用は1か月分を見越している。今、5日目なので予算に余裕はある。何もしなくても経費は掛かるし、訓練扱いということにしてもいいが、無料ではないので、ポートビリアにも相応分を負担して欲しい。

 相変わらずの簡潔な話しぶりだった。

 ポートビリアの行政側としては、復興費用が凄くかかるので、急に負担を言われても困る。とはいえ、都市を救ってくれた感謝を示したいと思ってもいる。滞在費用を支払うのはやぶさかではないが、時間が欲しいとのことだった。

 ここまでで、何か質問はあるか?

 サーリット領主がいうんで、ありまーすって言ってみたら、皆、怪訝そうな顔をされた。

 みーよに、ちょっと郁ちゃん、と顔をしかめられたけど。

 じゃあ、あたしなんか呼ばなきゃいいでしょ?

 大したことなんか聞かないわよ。この都市の予算を聞きたかっただけ。

 マッチメーカーじゃ、予算配分は大事な話だからね。


 行政長官の、名前なんだっけ、もう忘れた、が、丁寧に答えてくれた。

 予算というか、都市の経済規模は、人口約10万人。労働者人口は約8万人。うち、成人男性が3万、成人女性は同じく3万、働ける年齢の未成年が2万。後は赤子や幼児、老人なんだって。

 成人男性は一日大銀貨1枚を稼ぐのが相場。女性や子供はその半分が相場。

 よって、都市の一日の所得総額は5万5千枚。金貨に直して5500枚。

 騎士団は金貨1500枚を一日で消費するから、都市の生産性は大切だね。

 んで、税収としては流通量の約1割を期待していいので、一日550枚。ここから、都市の運営に支払う分を除いた金額を騎士団に分割払いで準備しようと計画しているのが、この会議の趣旨でもある。

 頭がプシューした。分かんないことが、分かった。

 うかつに変なこと聞いて、ゴメンなさい。

 え、まだ話は終わってないの?

 い、いや、いいです、ホントにいいです……

 ただ、こういうことを最終的に決めるのは領主の役割なんだけど、その領主を、受け取る騎士団の団長が掛け持ちしているので、担当者にとって不公平感が生じると思われる。そのための、話のすり合わせという意味があるらしいのよね。

 こうして公の場で考えてみると、ポートビリア側としては、助けてくれたことに感謝してるけど、いつまでも居座られると予算がなくなっちゃうよ、ということになるよね。

 だって都市の税収が一日金貨550枚。しかも全部を騎士団には使えないでしょ。

 騎士団は一日金貨1500枚。あっという間に借金が膨らむね。

 生産しない軍隊って、スゴクお金がかかるんだね。

 両方の立場を兼任するサーリット領主、どうするの?

 それで、皇龍公国側にある川向かいの都市“フェイス”と通商契約を結んで、分割でそちらに支払っていく事で合意させるということでした。

 要は、あっちの都市が立て替えてくれるので、その分を分割払いにしてあげるって事だね。

 サ-リット領主(騎士団長兼務)が、今回の遠征費の見積りの二倍、ざっくり金貨10万枚でどうか、と担当者に尋ねた。

 騎士団会計担当も、ポートビリア行政長官も、その辺りで異議なし、みたい。

 金貨10万枚かー

 途方もないような金額に思えちゃうけどね。

 一枚10万円を10万枚。100億円じゃん。

 でも、ポートビリアの税収は1日で金貨550枚。

 うち、50枚を借金返済に充てるとすれば、月1500枚。

 ってことは1年で1万8千枚。5年チョイで返済か。割と行けそうだね。

 あと、借金を返して貰わないと困るので、という理由で、なんかあったらまた助けに来てくれるよ、という契約でもあるらしい。

 それって、セキュリティ付きってことだよね。

 あれ?

 お互いにとって、とっても有益な契約に思えてきたぞ?

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