4章 未来へ7
大会前日、一同は貸し切り馬車でデュアーロに向かっていた。
最大で四日間の連戦になる。
特に初戦の先発を託されたルイスは顔が青くなるくらいに緊張していた。
「なんだ、戦争にいくわけじゃないんだぞ。」
「でも僕のせいでもし負けたら・・・」
「負けたらお前だけのせいじゃないだろ?全員で戦うんだ。」
こういった時、年上のドミニクは上手く周りに話を振る。
内野手の精神的支柱でもあった。
打者に向かって投球する際、投手というポジションは孤独である。
しかし、一度投げてしまえば今度は九分の一の野手である。
「打たれてもいいんだ、多く点を取ったほうが勝つ。それが野球だろ?」
「大丈夫、ルイスの球は練習試合でも十分に通用していたよ。なんの実績があるわけじゃないけどそれは僕が保証する。信じて投げ込んでほしいんだ。」
「もちろん、ソリスさんを信じてますよ。ええ、大丈夫です。なんとかなりそうな気がしてきました。」
弱気な部分が心配だったルイスだがソリスに対する信頼は厚い。
バッテリーとしてどう勝負するか。
ソリスは冷静でいながらもこの重大な使命に高揚感を感じていた。
ガタン・・・ゴトン・・・
安い貸し出し馬車はよく揺れる。
人数も多く少し窮屈なスペースだ。
だが誰一人不満を漏らすことはなかった。
そして馬達が足を止めた時、到着したのは決戦の地であった。
手元のテキストではやっと戦っているくらいです。
あのお方も出てきましたよ!




