4章 未来へ6
あの地鶏トレーニング以来、チーム内で以前に増して声かけを行うよう意識した。
こういったことを自然に出来ていればフライを追う際に衝突するなどのイージーミスを防げる。
さらにチームに活気が出てきたことで街全体で応援する雰囲気が出来てきた。
商店街の人達から差し入れをもらうこともある。
練習を見学しにくる子供達や中にはルチアのような若手に注目しているのかスーツを来たスカウト風の大人もいた。
そういった『人に見られる』ことに慣れることも公式戦でのメンタルに影響するかもしれない。
ヴィルドラが来てからいい影響が多くチームは順風満帆だった。
だからこそ見落としてしまっていた。
「はい、間違いないです。リスチール・ヴィルドラですね。姿は見せておりませんがオーナーはフローラ・フランシスで間違いないでしょう。」
少し離れた物陰で魔道通信機を使い連絡を取る人物がいたことに。
「いよいよチャレンジトーナメントが始まるわけだが」
エントリーから一週間、組み合わせ抽選が終わり社内にトーナメント表が張り出されていた。
「初戦の相手は何度か練習試合で対戦しているビアンコエンブリーズだ。」
冒険者ギルドの冒険者を中心に構成されている同じビアンコを拠点にしているチームだ。
練習試合では3勝0敗1引き分けと得意としている。
「いつも通りやれば必ず勝てる。しっかりと体調を整えて万全で挑むように!以上。」
チャレンジトーナメント一部の地区予選は4回戦まであり、3回戦を勝ち抜けば本戦出場が確定する。
本来は優勝チームのみが参加できるが今回、バドランドが主催国となっており2チーム分の枠があるのだ。
7回に一度の大チャンス、他チームもここにかける意気込みは相当なものだろう。
だが負けるわけにはいかない。
指導してくれたヴィルドラや商店街の人たちの応援、そしてなにより経費もつぎ込み社運を賭けた戦いでもある。
勢いで設立した野球だったが最早負けるわけにはいかない状況にあった。




