12.stage2~たまたま加えた補充面子が通りすがりのボスに有効でした~
「今日からチームを組ませていただくことになった天明と申す。宜しく頼む。」
「天明先輩とチームを組んでたバンズライスっす。宜しくお願いします。なお、兵長っす。」
次の日あるてしあの募集に引っ掛かったと言うチーム入り希望の人に会って見た。天明さんってたしか
「〔天空姫〕エルサレムに求愛されているひとだよな。」
「うわあああぁあああ!?」
あ、声に出ちゃってたか、でも昨日の掲示板は何時も以上に盛り上がってたな、主に運営への非難で。これまた運営のメールサーバーパンクするんじゃないかな。
【滅姫ちゃんのそんな姿しっかりと撮っちゃったもんねー、エルるんにわたしてあげよー( ☆∀☆)】
「んな、ま、待たれよ、狙撃の。我にもキャラと言うものがあるのでな。」
【じゃあさ、レヴィタソ☆って言ってよー(*´ω`*)狙撃の、ではなんか味っ気なくて嫌い。】
「んぶぅ…!?それは…。」
【さっきの滅姫ちゃんの動画エルるんに早く送ってあげよー(゜ロ゜)あげよー( ゜∀゜)】
「わ、わかった一度だけ!一度だけ言うからぁ…。」
【んふふー♪いいよー(^ー^)ノ張り切っていってみよー(ゝω・´★)●REC】
「…………………レ、……レヴィたそ…………………………」
【なぁにー?聞こえんなー( ゜Д゜)もっとおっきなこえでー(`皿´)●REC】
「………………………レヴィたそぉ!」
【はい、お疲れさまでした(^-^)、良い画がとれたよ、ありがとー\(^o^)/】
え、えげつーねぇ……。滅姫さん涙目になって魂が口からが飛んでいってるぞ。むきになった時点でレヴィの思惑道理なんだろうけど。
「レヴィと滅姫さんって意外と仲良いんだな。」
【姫って渾名のついてる面子で良く女子会やるからねー(^.^)】
「え゛?」
なんかあるてしあが凄くびっくりしてるんだが。まさかとは思うが、あいつ喚ばれてないのか?一応姫のつく
渾名持ってるよな。
「まさか喚ばれてないのか?百合姫。」
「…………………べつにきにしてないもん。」
なんかあるてしあが寂しそうな目になった。その上めっちゃ震え声なんですがそれは…。
「まぁ〔トリックスター〕の方が有名なんだししょうがないだろ」
【オフ会もやるつもりだったからさ、百合姫喚んだら貞操消えそうって喚んでないだけなんだよねー(*´∀`)】
「…………………………………………………………。」
あ、あるてしあが沈んでいる。まぁオフ会に襲われたら恐いのでって理由でハブられたら沈みもするか。
ってか、レヴィのやつ今日はノリノリだな、あれか、リアルでもあったことのあるやつが仲間になってうれしいのか?
「でも最強クラスのDを連れてくるってのが、カホ怒ってそうだなぁ」
「カホってAquariusのことっすよね?あの人鬼みたいに強いって聞いたんですけど落ちちゃったんすか?」
【レヴィちゃんのせいなんだよねー(。´Д⊂)だからあんまりその話しないでね(ーー;)?】
なんというか、お通夜ムードなんですが、これは大丈夫なのか?
※※※
「あるてしあとバンズライスのお陰で俺らが残ったわけだが、どーするよ?」
妨害殲滅なんでもありでゴールを目指すというシンプルな内容な第2ステージに安堵していたのもつかの間、開幕一歩目地雷に地雷をぶつけて大爆発させて、奇襲して来た奴等ごとリタイアしたあるてしあとバンズライスに敬礼。
てか、また仲間が減ったぞおい。
「ボクとしては早くゴールにいきたいところだけどそうも言ってられないみたいだね」
「安心してーな、うちさん達はあんさん等と一時的に友好で居たいんやから。」
レヴィが銃を向けた草むらからひとりのAが姿を現す。
「ここからゴールまで行けたら最終ステージ進出確定ってことやけど、このステージ噂の運営側プレイヤーがではりおるで。」
「そうね。運営側のプレイヤーが出てきちゃったせいで指示ミスしてたものね。くすくす。」
パイルでエセ関西弁を喋ってたAが抉られて消える。パイルを繰り出したあのショッキングピンクとか言うふざけた色の癖に性能はピカ一とか言本当にうふざけている機体は、Virgo。
「チンゲン菜、あのとき言ってた先約ってやっぱり運営だったのか。」
「YES!キュアッキュア5ってところかしら?」
「同性のボクでも吐くよ、それ。」
「あら?ボクっ娘がなにかをおっしゃっている様ですがおあいにく様、吐かれるようでしたらイベントはリタイアですわね。」
ふざけてはいるが、こいつは黄道十二星座イベでの勝者であり、〔心理〕の二つ名を貰う程のプレイヤーだ。プレイヤーの心理を見抜いて技を降ってくる、戦い辛さでは誰よりも高いと言える。
しかもだ、不意打ち対策と弱点対策のためにVirgoの性能としてこいつが選んだのは、地雷とプレイヤーの位置がすべてわかるとか言うむちゃくちゃな索敵能力である。
その上パイルバンカーを使った戦闘もこのゲームにおいてはトップクラス。なんだこの完璧超人といったところである。
「まぁ、滅姫ちゃんがわたくしを見逃してくれると言うのでしたらわたくしも貴女方を見逃して差し上げます。」
〔滅姫〕天明のメイン武器はロケラン。耐久力はそこまで高くないチンゲン菜なら一発で沈むレベルだ。だが、こいつよく目潰しとかふざけてチャフ撒いてなかったか?
「チンゲン菜、チャフは今回持ってきてないのか?」
「今回割りと真面目ですので、レミ様の補充弾にしてますからチャフはありませんわ。」
こいつの武装をある程度推測するならチャフあると思ったのに、まさか弾切れ対策してくるとは…。
あ、レミ様ってのはレミントンの事で散弾銃。MWOは殆どが架空の武装やオリジナル武装なんだが、販売元とタイアップした激レアな武器としてマニアを釣るつもりでだしたうちのひとつがレミントンだ。
「で、どうしますの?滅姫はともかく狙撃姫とユートさんなら道連れにはできる自信はあるのでそうなさってもかまいませんわよ?」
天明さんに直接聞いたチンゲン菜。天明さんとして見れば俺らは最初からの仲間ではないから見捨てると言う選択もある。
「………ふん。料理人の意見にのってやる。我は我の名前に誓って手は出さん。主も自身の名に誓え。」
どうやらこちらを見捨てはしなかった。ありがたいことだ。
「わかりましたー。では、わたくしアブラナの名と我らが姫Mercuriの名に誓います。あら?貴女の誓いの方が薄いから、 愛しきエルサレムにでも誓ってくださらない?」
「な、……何をいっておるんだ貴様は!…なぜ天空のの名前を出す!」
「お似合いよ?お二方。リアルでも貴女たち仲良さげにしてたしメルアドも交換してたじゃない。」
「姫の付き添いでね。姫にも色々事情があるから聞かないで。」
ひっそりとレヴィが俺に教えてくれる。なるほど姫同士の女子会とやらの延長上でチンゲン菜にも出会ったことがあるってのか。
「我………、い、いと、…………愛しき、エルサレムに誓う!!これでよかろう、さっさといくぞ二人とも!」
恥ずかしそうにしていたが、勢いで言うことしたらしく一気に言い終えるとブーストを吹かしてまでしてさっさとこの場から去ろうとする。
「ああ、面白いものを見せてくれたこれはおまけよ。」
すれ違い様に俺へと呟いたアブラナの手には今も発砲されているレミントンが。
どうやら俺らとは違うプレイヤーたちを撃ったらしい。
「うふふふふ。わたくしが他の人を抑えて差し上げますから、ほら、さっさと最終ステージ行きを決めてしまいなさいな。」
アバターは機体のせいで見えないけどきっとチンゲン菜は笑ってそうだ。
俺とレヴィは振り返ることもせずに、天明さんを追いかけて、無事に最終ステージへと駒を進めたのであった。
ちなみに後日知ったことだけど、運営側ののプレイヤーは何人倒したかを競って報酬ゲットらしく、相性の悪い天明さんをやり過ごし、ゴールするかリタイアするかでしか出られないこのステージで最後まで残ったチンゲン菜は見事に良い報酬を貰ったらしい。
もし滅姫さんを加えてなかったり、カホちゃんざるそばさんあるてしあが生存状態だったとしても、アブラナさんに出会った時点で殲滅されます。
運が良ければカホちゃんが生き残れるかなって位です。
普段は近接オンリーとか索敵オンリーとか自重してますが、イベ時のアブラナさんは真面目なので。今回はアブラナさんの勝利条件が「どれだけ倒せるか」だったのもラッキーでした。