はじめて感じた魔力
「ノア、これ着けて」
私はミア姉から緑色の魔石が付いたブレスレットを受け取り、右手首に通した。
すると魔石が光りだした。
「なんだろ?」
私は右手首を上にあげ、回しながら着けたブレスレットを眺めた。
「身につけた人の魔力を吸い取る魔導具だよ。その魔石は吸い取ってる間は光るんだ」
「へぇー」
「この魔石は、もうほとんど満タンなんだ。ノアが無理なく補える分だけ空けてあるから、満タンになったら吸い取りが止まるよ。その時は私に言ってね、同じように調整した魔石を付け替えるから」
「うん」
「このブレスレットにはどういう意図があるんだ?」
レナ姉がブレスレットを見ながら聞いた。
「まずはノアに魔力の流れを感じてもらうためだよ。ノア、なにか感じるかな?」
私は集中して何かを感じ取ろうとした、けど何も感じなかった。
私は首を横に振った。
「まあ、まだまだ最初だもんね。時間はたくさんあるからゆっくりでいいよ」
レナ姉が、ブレスレットを着けた私の右腕を指さした。
「全身で感じとろうとするんじゃなくて、ブレスレットを着けてる腕だけに集中してみるのはどうだ?」
私はレナ姉に言われたとおりに右腕に意識を集中する。
すると、手首の奥を、内側からそっと引かれるような感覚がした。
痛くはない。ただ、腕の中にある何かが、手首へ向かってゆっくり流れ、そこから少しずつ体の外へ抜けていくのがうっすらと分かった。
「あ、なんか流れてる感覚がある」
「それが魔力だな」
レナ姉が嬉しそうに笑った。
ミア姉も、ほっとしたように表情を緩めた。
りゅーちゃんは、私の右腕を見ながら頷いた。
「いきなり全身の魔力を感じるのは難しいものだ。だが、一か所に意識を集中させ、そこから魔力を吸い出すことで、流れを感じ取りやすくしているのだな」
気を抜くと魔力の流れが分からなくなってしまうけど、分かっただけでもかなり前へ進めた気がした。




