ゾンビ映画定番のホームセンター
食事を終えたら本日の物資調達へ向かう。一番近いコンビニはもう残っていないため、新たな調達先を考えないといけない。そう考えた俺はマップを確認してみる。まだネットは繋がるようで、近くに何があるのか今後移動するときにどういったルートも合わせて確認する。そして確認していると、ホームセンターが目に留まった。ゾンビものといえばホームセンターというくらい何でも揃って。いる食品関連はかなり潤ったが、日用品や家の改築にはまだまだ物資が必要である。
「次の調達場はここだな。」
ホームセンタータイキー。品揃えも豊富で住民にとっても小道具を買うのによく利用されているのだろう。ついたときにはかなり荒らされているのが分かった。あちこちにものが散乱しており、赤い物体も道路の至る所にこびりついている。バットを握りしめながら中に入ると、血の匂いと呻き声が聞こえてくる。やはりゾンビが相当数いるのだろう。妙なのはあちこちから聞こえるのではなく、一箇所に集まっているように感じる。どうやら2階へ行くエスカレーター周辺に屯しているようだ。耳を澄ませると大人と思しき声が上の方から聞こえる。2階で生存者が立てこもっているようだ。ここからではどうにもならないので頑張ってもらうしか無い。
(困ったな...ここを諦めた場合ホームセンターはもう近くにないぞ。工具や木材とかは他に売ってるか怪しいし...。何とか入り口付近の物資だけもらうか。)
近くにあったレジの上にお金を置き、こっそり物資を探す。
ベニヤ板や電動工具を持ってきた台車に乗せる中、あるものが見つかる。
「発電機!まだ残っていたんだ。」
これがあればソーラーパネルの発電がダメになっても大丈夫だ。
台車とリュックに荷物を詰めて運ぶが、ここで一つ問題が発生した。重くて運べない。めいいっぱい積んだことで、重量が増して台車からはみ出している。これにより運んでも直ぐに微調整が必要になり中々進まない。どうしたものかと悩んでいると駐車場に軽トラが放置されていたのを見つけた。しかも鍵が刺されたまま放置されている。どんどん自制が効かなくなってきているが、少しだけ借りさせてもらおう。
エンジンをかけると周辺に音が鳴り響き、それにつられたのか店内にいたゾンビたちが外へ出てきた。どうやら人を見た時と音に反応するようだ。慌てて発進して敷地から脱出した。
盗んだ軽トラで走り出し家に着いた。到着後、ふと周囲の家を見ていると3軒ほど離れた家の前に誰か倒れている。近づいてみるとゾンビではなく普通の人だった。だが首からは出血した跡が残っており、すでに生き絶えていた。死後硬直が進んでいるのか体は硬い。血のつき方からしてどうやら、玄関付近で切られて追いかけたがここで力尽きたようだ。こんなことをゾンビはしない。刃物を使って誰かが切ったとしか思えない。
「いずれこうなるとは思ったけど、予想以上に早いな。」
想定していなかったわけでない。物資は有限だ。無くなれば何処から調達するか誰かから奪うしかない。ゾンビものでよくある展開ではある。だが世界がこんなことになってまだ2日目だ。それでいきなり強盗とは恐ろしい。しかも自宅の直ぐ近くで。
(こりゃ今日か明日にでも来そうだな。)
真に恐ろしいのは生きている人間ということか。




