↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破壊の魔王  作者: Karionette
アガド攻略編 第一章 一年後
96/355

01


お久しぶりです

新章もどうぞよろしくお願いします^^*









どうしてこうなったんだ。



走る。走る。


慣れていない肉体労働に足はもつれ倒れ込む。歯を食いしばって起き上がろうとするも疲労からか、体がうまく動かない。



コツ、コツ、コツ



石の床に足音が響く。


息が止まる。両手足をばたつかせ、床を這って進んだ。



なぜだ。


私が何をしたというのだ。



「奇遇だな。俺もそれが聞きてぇんだよ」



首の真横に剣が落ちる。


甲高い音に、自分のものとは思えない悲鳴が喉を貫いた。


慌てて立ち上がり、壁に手をつきながら走り出す。足が折れようがちぎれようが、逃げなければ私は死ぬことになる。止まるわけにはいかない。


とにかく外へ。日の当たる外にでなければ…。



ごとん



「はえ?」



体のバランスが崩れ、顔面から床へ倒れ込む。腕で衝撃を抑えたものの、何故バランスを崩したのだろうか。そしてあの音はなんだ?


手に何かが触れる。暖かく、知った触り心地のものだ。


自然と手繰り寄せると、それは足だった。



……足?



血の気が一気にひく。私は恐る恐る自らの足元へ手を伸ばした。


そこにあるはずのものが触れることはなく、代わりにびちゃりと、ぬめりのある液体が指先を染めた。



「あ、ああ、あ……」



波のように襲ってくる激痛と恐怖に湧き上がる悲鳴を抑えれず、床に転がって私は泣き叫んだ。しかしそれもすぐに止まる。背中を強く踏みつけられ、床に叩き付けられたためだ。



「足くらい、どうなってもいいんだろ」



冷たい男の手により、人のものとは思えない力で首を締め上げられ、血の流れと呼吸が止まった。


もがいても体はぴくりとも動かないが、心臓だけは恐怖でガタガタと震え続ける。


背中ごしに男の視線を感じる。

心臓まで射抜かんばかりの鋭い眼だ。



「5秒以内に質問に答えろ。素直に答えれば血と空気をやる。答えないなら今以上の地獄を知ることになる」



私はがくがくと首を振った。既に生死の境にいるというのに、それ以上の地獄など知りたいと思うはずもない。指の先まで満たされた恐怖に私が抗えるはずもなかった。


男は少し間をあけて、無感情に言った。



「アルテマ。あれは何だ」



どくんと心臓が脈打つ。


何故それをと驚き、答えてはならないと警鐘がなり、死にたくないと本能が叫んだ。


そのために私の言葉が詰まる。男が動いたのは一瞬だった。


まるで死刑台に晒されたように掲げられ、足が浮く。ぐるりと体を回転させられ、背に壁が、がつんとぶつかった。そして、私は煌々と燃える赤い眼を直接目にした。


その瞬間、息ができないということさえ、意識からかき消されてしまった。


まるで裸にされ、内臓までも抉られたかのように。

人とは異なる何かに牙を剥かれたように。

己だけではなく大切なもの全てを破壊されていくかのように。


目の前の強大なソレに対して、私に刻み付けられたのは純粋なる恐れだった。


私は首肯する。


あの組織への裏切りよりも、死へ抗う本能よりも、目の前の男への恐怖が私を支配していた。





2日おきに更新予定!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。