22day2
ゾンビが多くなってきているので、これまで以上に慎重に進む。手にはバールを握る、できる限り銃声をたてたくはないためだ。
「はぁはぁはぁ」
緊張のために息が荒くなる、だがその息の音すら止めたくなるほど危険だった。進むために入り込んだ家の中から道路が見えた。分かりきってはいたが、体が赤く染まっているゾンビがそこら中にいた、それこそ10や20では利かないくらい居そうであった。見てしまっただけで緊張が増してしまう。嫌な汗が流れているような気がする。
「はぁはぁ、ふぅーーー」
息をすべて吐き出す、それこそ肺を空にするつもりで。
「すぅーーー」
そして息を吸う。
「はぁ」
簡単な深呼吸によって気持ちを落ち着ける。
「よし」
ゾンビがいようとも、前に進むしかないのだ。パニックを起こし、危険を引き起こすわけにはいかない。そのとき電話の振動を感じる。この電話の番号を知ってるのは1人しかいない。窓からはゾンビが見えるがある程度は安全だろう、そう思い電話に出る。
「もっしもし~」
陽気な声が聞こえる、すごく腹立たしくなる。
「なんだよー黙りかよ」
「何のようだよ」
声は小声だが、怒りを込める。
「怒ってる、怒ってる、怒ってるのか、はっはっはっはっはっはっ」
電話の声はこちらをからかい、大声で叫びたくなるほどの怒りがわいてくる。だがそれをしたら確実に死ぬ。その事をだけを考えこらえる。
「はっはっはっはっはっ、俺はなぁ、お前に怒りしか感じねぇよ、なっ内部告発犯さんよ」
電話の声に怒りが宿る。
「お前のやったことによって俺はな、すべてを失ったんだ。はっはっはっはっは、だから俺は決めたんだ、お前からすべてを奪い、お前にも俺と似た、いやそれよりも辛い思いをしてもらうさ、はっ」
「そんなことのために電話をしてきたのか」
「はっはっはっはっはっ、そんなしょうもないことを伝えるためにお前に電話したと思ってんのか、バカじゃねぇか。まあいい用件だ、後残り時間は24時間だ、はっはっはっはっはっはっ1秒でも遅れたらこの女を殺すところを電話で聞かせてやるよはっはっはっはっはっ、じゃあな」
電話が切れる、残り時間が少ないことを知り、少し焦る。だが死んでしまっては意味がない。焦りながらも慎重に、その上で素早く音をたてずに移動しなければならない。
「やるしかないか」
そう口にする、そうやるしかないのだ。紗枝のためにもこんなところで諦めるわけにはいかない。もう1度今度は目をつぶりながら深呼吸をする。もう大丈夫と自分に言い聞かせる。ゆっくりと目を開く。
「よし行こう」




