第1話 『俺、レベル1からやり直すらしい』
はじめまして。
この作品は読者参加型の異世界ファンタジーです。
主人公の選択や運命は、皆さまの投票によって決まります。
王道な冒険、仲間との出会い、成長、そして魔王討伐まで。
ぜひ主人公と一緒に旅を楽しんでいただければ嬉しいです。
それでは、第1話をお楽しみください。
「っしゃあああああああ!!」
俺は勢いよく立ち上がった。
テレビ画面の向こうで巨大な黒竜が爆散する。
続いて表示された文字。
【GAME CLEAR】
「見たか!! これが神崎悠真様の実力だ!!」
もちろん誰も見ていない。
六畳の自室には俺しかいないからだ。
だがそんなことはどうでもいい。
勝利の余韻というものは、一人で味わうからこそ価値がある。
「いやー、やっぱタイガークエストは神ゲーだな。」
ベッドへ倒れ込みながら呟く。
高校三年生。
神崎悠真、十八歳。
彼女なし。
部活経験ほぼなし。
勉強は普通。
運動も普通。
だがRPGへの愛だけは本物だ。
主人公がレベル1から始まり、仲間を集め、強敵を倒し、世界を救う。
そんな王道の冒険が大好きだった。
「現実もレベル制ならなぁ。」
俺は天井を見上げる。
勉強レベル。
恋愛レベル。
仕事レベル。
全部数字で見えたら分かりやすいのに。
まあ、そんな都合のいい世界があるわけ――
ピコン。
スマホが鳴った。
通知を見る。
【本日発売】
【タイガークエストⅩ】
「……あ。」
数秒固まる。
そして。
「忘れてたあああああああ!!」
俺は飛び起きた。
今日だった。
発売日。
完全に忘れていた。
時計を見る。
午後九時二十分。
近所のゲームショップは十時閉店。
まだ間に合う。
「行くしかねぇ!!」
財布を掴む。
部屋を飛び出す。
階段を駆け下りる。
夜風が気持ちいい。
東京の夜は相変わらず明るい。
信号を渡る。
駅前へ向かう。
頭の中はタイガークエストⅩのことでいっぱいだった。
新職業は何だろう。
仲間は何人いるんだろう。
レベル上限は?
隠しボスは?
考えるだけでニヤける。
そして――
人生最後の交差点へ飛び出した。
キキィィィィィッ!!
耳を裂くブレーキ音。
眩しいライト。
視界いっぱいに迫る大型トラック。
「あ。」
それが俺の最後の記憶だった。
◇
ふわふわしている。
体が軽い。
というか、体があるのかどうかも分からない。
真っ白な空間。
上も下もない。
右も左もない。
ただ白だけが続いている。
「……死んだ?」
恐る恐る呟く。
すると。
「正解です。」
声がした。
「うおっ!?」
振り向く。
そこには手のひらサイズの少女が浮いていた。
金色の髪。
蝶のような羽。
小さな王冠。
どう見ても妖精だった。
「誰だお前。」
「第一声がそれですか。」
妖精は呆れた顔をした。
「普通もっと驚きません?」
「いや十分驚いてる。」
「もっとこう、女神様だー!とか。」
「女神じゃないだろ。」
「妖精です。」
「やっぱり。」
妖精はため息をついた。
「私はセフィ。」
「セフィ?」
「あなた専属の妖精です。」
嫌な予感しかしない。
ゲームでいうチュートリアル担当みたいな顔をしている。
「で。」
俺は聞いた。
「ここどこ?」
「死後の待合室です。」
「待合室。」
「はい。」
「市役所か。」
「そんな感じです。」
そんな感じなのか。
◇
「まず結論から言います。」
セフィは指を立てた。
「神崎悠真さん。」
「はい。」
「あなたは死にました。」
「やっぱりか。」
「そして異世界へ転生します。」
「うん。」
「驚かないんですか?」
「最近の作品だと割と定番だし。」
「夢がありませんね。」
妖精がジト目になる。
だが俺は少しワクワクしていた。
異世界。
剣と魔法。
冒険。
レベル。
ゲーム好きとしては一度は憧れる世界だ。
「ちなみにレベルとかある?」
「あります。」
「マジで!?」
食い気味で聞いた。
「あります。」
「スキルは!?」
「あります。」
「魔王は!?」
「います。」
「うおおおおおお!!」
俺は思わず拳を握った。
妖精がドン引きしていた。
「喜ぶ人初めて見ました。」
「だって異世界だぞ!?」
「そうですけど。」
「最高じゃん!」
妖精は頭を抱えた。
◇
「ただし。」
セフィの表情が少し真面目になる。
「あなたには一つだけ特別な力があります。」
「特別な力?」
「セーブ。」
「……は?」
「ゲームのセーブです。」
その瞬間。
俺の脳が理解を拒否した。
「セーブ?」
「セーブ。」
「ゲームの?」
「ゲームの。」
「意味分からん。」
「簡単です。」
セフィは言った。
「あなたがセーブポイントで記録した後に死んだ場合、最後にセーブした地点へ戻ります。」
「マジで?」
「マジです。」
「チートじゃん。」
「ただし経験値も装備も、その時点まで戻ります。」
「ゲームだな。」
「ゲームです。」
なぜか納得した。
◇
次の瞬間。
世界が光に包まれる。
「それでは。」
セフィが笑う。
「楽しい異世界ライフを。」
「いや待て!」
「説明終わりです。」
「短くない!?」
「続きは現地で。」
「適当だな!?」
光が視界を埋め尽くした。
そして――
俺は落ちた。
◇
目を開ける。
木の天井。
柔らかいベッド。
窓から差し込む朝日。
「……異世界だ。」
思わず呟く。
その瞬間。
コンコン。
扉がノックされた。
「起きてる?」
透き通るような少女の声。
扉が開く。
金色の髪。
青い瞳。
優しそうな笑顔。
俺は一瞬言葉を失った。
少女は首を傾げる。
「どうしたの?」
そして笑う。
「あなたの名前、まだ聞いてなかったわね。」
「あ。」
そうだった。
神崎悠真は元の世界の名前だ。
せっかく異世界に来たんだ。
どうせなら新しい名前が欲しい。
俺は考える。
さて。
この世界で俺は――
何という名前になろうか。
【読者投票】
主人公の異世界での名前を決めてください。
① レオン・アークライト
② カイル・ヴァルハルト
③ ユーマ・カミサキ
物語を決めるのはあなたです。
第1話を読んでいただきありがとうございます!
この作品は読者参加型作品です。
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【主人公の異世界での名前】
① レオン・アークライト
② カイル・ヴァルハルト
③ ユーマ・カミサキ
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