神殿の地下には
“魔物使い”についての話、と聞いて僕以外もみんな真剣な表情になるがそこで長が苦笑する。
「といってもその“魔物使い”がどの町にいるのか、を教えていただいただけなのですが」
「どこなのです!? 長!」
ミミが立ち上がりそう叫ぶと、長は更に苦笑して、
「そうはいっても、ある街というだけですよ。なんでも、サナさんとカレンさんのいる神殿がある街だとか」
それを聞いた瞬間僕達は凍り付いた。
ではずっと、僕達の町にあの“魔物使い”はいたのだ。
だからあの周辺でよく出会っていたのである。
そこそこ広い町だから僕達とあまり遭遇せずに、潜伏できたのかもしれない。
しかも長が言うには、
「実は、その神殿の地下に宝玉が一つ隠してあるのよね」
「「え!」」
サナとカレンが驚いたように声を上げる。
けれど長は落ち着いたように、
「だからミミ、貴方が神殿に助力を願った時にすぐに手助けしてもらえたでしょう」
「確かにそういったものが……でもあの場所が……」
ミミ自身もその場所は初耳であったらしく驚いている。
そしてフィスも同様のようだった。
けれど今の話を聞いていて僕が思ったのは、
「そういえば町の近くにある巨大な蔓の植物がありましたが、それを“魔物使い”は消し去ろうとしているように見えました。……あの町の結界のような存在を消し去ることで、神殿内を手薄にしようとしているとは考えられないのですか?」
それは推論だった。
あの町の周りで目立たないながらも神殿内を手薄にする作戦に出たのではと思ったのだ。
そうすればより忍び込みやすくなるから。
僕の推論に長は微笑み、
「正解です。ただ問題はその宝玉の話が何処から漏れたのか、なのです」
そう付け加えたのだった。




