これまでは
こうして少女を助けた僕は、レイと長達にお礼を言われてそれから、
「まずはお茶をお出ししますね」
客室らしき場所に案内される。
そして僕の両隣にサナとカレン。
また向かい合うようにミミとフィスが座る。
ちなみにフィスの肩には妖精のアルトが座っている。
とそこでフィスが、
「この長の家に来たのも随分と久しぶりだ。以前エルフの里にいた時一度、うちの長と一緒に来たことがあったが……変わらない」
それを聞いて僕は、
「宝玉の巫女ですから結構交流があるのでは?」
「そこそこ距離が離れているし、日々の生活もあるから、交流といってもそこまでではないのです。そもそも今までわれわれの目をかいくぐって宝玉を奪われることなどありませんでしたから。……それだけあの“魔物使い”が異常に強い、といえるのですが」
その呟きはフィスの声では特に深刻そうに聞こえる。
そこで狐耳の長がお茶を持ってやってきた。
紅茶のようなもので、甘い香りがする……。
そう思いながら頂くと、優しい香りが口いっぱいに広がった。
と、そこでフィスの隣に長が座り、
「ではまずはこの里の長として、リリを治していただきありがとうございます」
「あ、えっと僕は女神様に力を貰ったので使っただけですから」
「それでも真っ先に直そうとして頂けたのはとても嬉しかったです。ずっと辛そうにあの子はしていましたから」
「……そうですか」
それならば治せてよかったと僕は思う。
結構色々な能力を僕はもっているようなので、それがこの世界の人達に役立つのならそれはそれでいいと思う。
そう僕が考えているとそこで狐耳の長が、
「では、アンの事、魔物使いに関しての話を……女神様から少しお話ししていただいたので、お伝えします」
狐耳の長が、話を切り出したしたのだった。




