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長と会う

　狐族達の獣人の里に僕達は上手くやって来れたようだ。

　初めての女神様にお願いしてもらった特殊能力（チート）を使用。

　上手く移動できてよかったと思う。

　それから、ミミに案内されて木の柵の内側に。

　里というだけあって槌の剥き出しの道、そしてそこそこ離れて家々が立ち並んでいる。

　そこで狐耳の子供が走ってきた。

「ミミおねえちゃん、おかえりなさい」

「ただいま……といいたい所なのですが、至急調べたいことがありまして、長の所に向かいます」

「そうなのですか……また遊んでね」

　そう言ってその子供は去っていった。

　その先には他にも男女数名の子供がいて、こちらの方をじっと見ている。

　特に僕の服装が珍しく見えるのか、じっとこちらを見つめていて、緊張する。

　そしてそれからしばらくすると、村の中でも特に大きそうな屋敷にやってくる。

　構造は、日本にあるお寺のような形をしていて、ちょっと馴染があるような気がした。と、

「長-!　ミミです、おはなしがありまして、戻ってきました」

「……ちょっと待ってくださいね～。えっと確かこれはこっちでこっちで、あれは何処だったかしら……ああ、あったわ。これね」

　そこでそう言って、やがて、狐耳の僕よりも年上の綺麗なお姉さんが出てくる。

　ただし尻尾が三つ生えているが。

　こレが二本だったら妖怪変化の類だと思うが、この世界なのでそういった設定なのだろう……そう僕が思っているとそこで、

「貴方達が聞きたいのは、アンの事ね。事前に女神様経由で色々と幾つかお話を聞いていたから準備しておいたわ」

　そう、長である狐耳のお姉さんが言ったのだった。