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約束できるなら

 エリザ達を雇う。

 それがどうかと聞くとエリザがちょっと困った顔をして、


「今日はクロウと一緒に別の依頼を受ける予定だったんだ」

「別の依頼、ですか?」


 僕が聞き返すとエリザが頷き、


「これから行く兎族の里で販売される、人参とメルメナという果実のジャムづくりがあるのだが、クロウがそれが好物で。今回は人参を運ぶ人達の警護をする予定なんだ。この依頼を受けると優先的にジャムが購入できるんだ」


 どうやらこのクロウというお兄さんはそのジャムがお気に入りらしい。

 黙ってしまっているがどことなく頬が赤い気がする。

 恥ずかしいのかもしれない、そう思いながらも僕はあることを思いついて、


「……その依頼、僕達も一緒に受けさせてもらえませんか?」

「? 人参運びの護衛だぞ?」

「僕達がほしいのは、兎族の里に向かう口実なのです」

「……兎族の里に行きたいって何かあったのか?」


 エリザに問いかけられて周りの様子を確認してから僕はエリザに、これまでの経緯を話した。

 呆れたようにエリザに嘆息されてしまった。

 

「そんなことで意地を張っていたのか」

「そんなことって……」


 サナが怒ったようにそう答えている。

 けれどそんなサナの頭をエリザが軽く撫でて、


「背伸びをしたいお年頃なのは分かるが、危険にt子供を近づけないようにするのも大人の役目なんだ」

「でも……」

「仕方がない。クロウ、この子達も連れて行っていいか?」


 そこでエリザがクロウに告げるとクロウが、


「連れていくのは構わないが自分から戦闘には参加しないと約束できるならいいぞ」


 それに僕やサナ、カレンは渋々頷いたのだった。


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