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宝玉の一つは

 どうやら“魔物使い”として現れたのは、ミミの仲間であったらしい。

 予想外の話に僕は黙ってしまうがそこでミミが、


「彼女、ミミは“宝玉”の巫女の一人で、狐族の里にきていた人物でした。私の狐族の里が一番大きくて、周囲には犬族や兎族などの多くの獣人が暮らしています」

「あの、一つ聞いていいですか?」


 そこで今聞かなくてもいいのかなと思いつつ僕は聞いてしまった。

 この世界についてよく知らなかったからだけれど、


「猫耳の子はいないのかな?」

「ごくまれにどの種族からでも生まれることはありますね。大抵強い魔力を持っていることが多いです。猫耳は女神様と同じ種族ですから、“特別”なのです」

「そうなのですか。今はいるのですか?」

「いますよ、黒い猫耳のシェルという少女です。彼女も“宝玉”の巫女で探し回っているはずです」


 そう告げたミミに僕は何となく嫌な予感を覚えつつも、


「それで残りの二つの宝玉の一つは、特別な場所に隠してあるのですが……実はあと一つ、隠されている場所がありまして」

「どこなのかな?」

「飛び地のような場所に、兎族の里がありまして。そちらに隠されています。実はその兎族の里はここから近いため、一度ここを経由してからそちらに向かおうかと。また神殿はここ周辺の魔物事情について詳しいので異様に目撃例がある場所が聞けたらというのもあって、私はこちらに来た形です」

「でも、ミミは僕より先に進んでいたはずなのに何で神殿に来ていなかったのかな?」

「途中“魔物”の群れに遭遇して追跡をしておりまして、その影響でアラタ様より遅くなってしまいました」


 そう言ってミミは苦笑したのだった。

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