DNA
とりあえずテスト期間の後半半分を勉強することにした。別におじさんがここを追い出すとは思えないけどイレギュラーは起こりえるから、とりあえず形だけでもやっておこう。前回結構ひどかったからな……。
1日目は生物基礎と現代文。まぁ現代文は勉強しなくていいだろう。生物基礎は暗記が中心。やりたくないなぁ。
「おじさぁん、べんきょー教えてー」
「……なんの?」
「生物、基礎」
「生物基礎かぁ。ほとんど暗記だよね?」
「なんか、DNAとか塩基配列とかその辺」
「んー、もうその辺は覚えてないなぁ……。一応勉強の仕方なら教えられるけど……」
「べんきょーのやり方?」
「うん、まぁ定期テストぐらいだったら問題なく対策できるやり方」
「ほう。聞きましょう」
「暗記するために書くのはめんどくさいじゃん?」
「まぁ、書かないでいいなら」
「オレがやってたのは、覚えなきゃいけないページを一通り、自分で覚えられたと思うまで見る。プリントがあればプリント、なければ教科書で十分。ノートはあんまりおすすめしない」
「なるほど」
「で、一ページ覚えたと思ったら次に行く。次のページも覚えたと思ったら、その次には行かずに一個前のページを確認する」
「ほうほう」
「忘れてたら戻って読み直す。別にその時は覚えようとしなくていい。それでまた次のページに進む。そんな感じでテスト範囲を最後まで回す」
「なるほど」
「オレはだいたいそれで何とかなってたと記憶している」
全部言い終えたおじさんはなぜか少し恥ずかしそうにしていた。
こういうのはどうやら恥ずかしいらしい……。何が恥ずかしいんだか。
「まぁ、オレはそんな感じで高校生の頃は勉強してたぞ」
「そーなんだ」
一応言われた通りにやってみるか……。
一周は終わった。意外と時間がかかったなと思ったけど、何も考えずに勉強していたらもっと時間かかっていただろうし、自分の現在地が分かっていなかったと思う。本当に覚えるのが遅い。そんな自分いイライラしてくるぐらい、覚えるのって時間がかかるのだと実感させられた。
「ぐぅぁぁぁぁうぁぁぁぁ」
とても疲れたので伸びをしたら結構声が出てしまった、少し恥ずかしい。
「お疲れさん」
おじさんはその言葉と共に冷たいお茶を出してきた。
「ありがとう……」
どうだった、とは聞いてこないんだ……。
こんなに頑張ったのに。




